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32歳の遺歌集『滑走路』

2018-09-29 14:05:02 | 歌う
週末の朝刊の本の広告の派手なこと!でも歌集『滑走路』はなんとも悲しい広告だ。初めての歌集が遺歌集、32歳で自ら命を絶った荻原慎一郎の歌集とは、

▲非正規の友よ、負けるな、ぼくはただ書類の整理ばかりしている

▲頭を下げて頭を下げて牛丼を食べて頭を下げて暮れゆく

この遺歌集に花を供えるように俵万智は🌸「ピュアな言葉に思う。短歌は。彼の濾過装置・自在な表現に思う。短歌は彼の翼。真っ直ぐに心を射抜く短歌が、ここにある」と。

荻原慎一郎は東京の杉並に生まれ早大卒。朝日歌壇の投稿から短歌を始めたらしい。2015年に馬場あき子選

▲ぼくも非正規きみも非正規、秋がきて牛丼屋にて牛丼食べる

第一回近藤芳美賞、朝日歌壇賞、

これから開花するときになぜ自死したのか。32歳の若さで、いじめ、非正規雇用、精神の不調、、、

歌集「滑走路」は第一歌集にふさわしく希望に満ちている。角川書店の刊行、32歳の頃の俵万智を思うと彼の自死がなんとももったいない。滑走路からあの世へ向かったなんて、もし荻原慎一郎に恋人がいたならば、いま窓から見上げる秋の空を飛行機が過ぎり消えてしまった、鳥のように。

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