軽井沢からの通信ときどき3D

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ナガサキアゲハとトランプ大統領(2/5)

2019-11-15 00:00:00 | 日記
 前回、「ナガサキアゲハとトランプ大統領(1)」(2017.7.14 公開)を書いてからすでに2年以上経過したが、この間「ナガサキアゲハとトランプ大統領(2)」を書けないでいた。当時(1)と記した時には、地球温暖化に対するトランプ大統領の姿勢や判断の背景にあると思える「懐疑論」について更に調べてみたいと思い、近いうちに(2)を書きたいと思っていた。

 ところが、この「懐疑論」に関する資料を調べていくうちに、この問題はそう簡単ではないと感じられた。2年前、私は多くの科学者が言うように地球温暖化と、人為的な二酸化炭素などの温暖化ガスの排出との相関関係は明確なものであると受け止めていた。反論はあるにせよ、IPCCの第五次報告書にあるように、「1951年~2010年の間の地球平均温度の上昇のうち、半分以上が温室効果ガスなどの人為的要因によるものである可能性は極めて高い(>95%)。」とのレポートを確かなものと受け止めていた。
 
 ゴア元アメリカ副大統領の「不都合な真実」が発行されたのは、2007年のことである。その当時すでに二酸化炭素主因説に反対する「懐疑論」があり、この本でもそのことを採りあげて、これに反論を試みていて、次のように記している。


アル・ゴア氏(ウィキペディアより)

 「地球は本当に温暖化しているのか、その主因は人間なのか、その結果はただちに行動を取らねばならないほど危険なものか--こうした点に関して、科学者の間に一致した結論は出ていないという誤解がある。実際には、世界の科学会の共通認識を作り上げているこういった中心的な論点のどれをとっても、まじめに取り合うべき議論の不一致は1つも残っていないのである。」

 そして、温暖化に対する情報攪乱運動のあることを指摘し、「学術論文には温暖化に対する共通認識と違う見解のものは0%であるのに対し、米国で最も影響力のあると考える4大新聞に掲載されている記事では、半分以上の記事が、科学会の共通認識となっている考え方と人間は温暖化には関係していないという科学的には信憑性のない考え方の両方を、同等に主張していたのである。」、「人間が温暖化に影響を与えているかいないかをめぐって、科学会は大紛糾しているという印象を与えている」とし、これでは「人々が混乱しているのもむりはない。」と、記している。ただ、この本の性格上、反論には科学的な内容は含まれていない。

 この本では、さらにこうした温暖化に関する主要な情報かく乱源の1つは、ブッシュ-チェイニー政権であるとしている。その背後には、規模は比較的小さいがこのうえなく潤沢な資金を持った特別利益団体の中核メンバーがいるという。

 こうした情報かく乱や「懐疑論」を乗り越えて、ゴア氏とIPCCは2007年のノーベル平和賞を受賞する。その後2013年から2014年にかけてIPCCから前記の第五次評価報告書が提出された。日本では2015年に環境省から日本語版が公開されている。

 8年間のブッシュ政権のあと誕生したオバマ政権時代には、1997年に採択された京都議定書以来18年ぶりとなる気候変動に関する国際的枠組みであり、気候変動枠組条約に加盟する全196カ国全てが参加する枠組みとしては史上初のパリ協定が採択された。2016年9月3日に温室効果ガス二大排出国である中国とアメリカ合衆国がこれを同時批准し、発効した。日本は、パリ協定の批准が間に合わず、11月7日にモロッコで始まることになっていたCOP22の、パリ協定締約国の第一回目の会議に、正式メンバーとして参加できなかった。

 ところが2016年の大統領選挙に勝利して、オバマ政権に代わって誕生したトランプ政権は、このパリ協定からの離脱を表明し、今日に至っているという経緯である。

 そうこうしているうちに、先日大きな話題となる出来事があった。スウェーデン人の環境保護活動家のグレタ・トゥーンベリさん(16歳)が2019年9月23日、米ニューヨークで開かれた国連気候行動サミットで演説し、気候変動問題について行動を起こしていないとして、各国首脳を非難したのであった。トゥーンベリさんは、約60カ国の首脳や閣僚を前に、「あなた方は、私の夢や私の子供時代を、空っぽな言葉で奪った」と激しい口調で語った、と報道されている。グレタさんの発言の全文は次の通りである(NHK政治マガジンより)。

 「私が伝えたいことは、私たちはあなた方を見ているということです。そもそも、すべてが間違っているのです。私はここにいるべきではありません。私は海の反対側で、学校に通っているべきなのです。
 あなた方は、私たち若者に希望を見いだそうと集まっています。よく、そんなことが言えますね。あなた方は、その空虚なことばで私の子ども時代の夢を奪いました。
 それでも、私は、とても幸運な1人です。人々は苦しんでいます。人々は死んでいます。生態系は崩壊しつつあります。私たちは、大量絶滅の始まりにいるのです。
 なのに、あなた方が話すことは、お金のことや、永遠に続く経済成長というおとぎ話ばかり。よく、そんなことが言えますね。
 30年以上にわたり、科学が示す事実は極めて明確でした。なのに、あなた方は、事実から目を背け続け、必要な政策や解決策が見えてすらいないのに、この場所に来て『十分にやってきた』と言えるのでしょうか。
 あなた方は、私たちの声を聞いている、緊急性は理解している、と言います。しかし、どんなに悲しく、怒りを感じるとしても、私はそれを信じたくありません。もし、この状況を本当に理解しているのに、行動を起こしていないのならば、あなた方は邪悪そのものです。

 だから私は、信じることを拒むのです。今後10年間で(温室効果ガスの)排出量を半分にしようという、一般的な考え方があります。しかし、それによって世界の気温上昇を1.5度以内に抑えられる可能性は50%しかありません。
 人間のコントロールを超えた、決して後戻りのできない連鎖反応が始まるリスクがあります。50%という数字は、あなた方にとっては受け入れられるものなのかもしれません。
 しかし、この数字は、(気候変動が急激に進む転換点を意味する)『ティッピング・ポイント』や、変化が変化を呼ぶ相乗効果、有毒な大気汚染に隠されたさらなる温暖化、そして公平性や『気候正義』という側面が含まれていません。この数字は、私たちの世代が、何千億トンもの二酸化炭素を今は存在すらしない技術で吸収することをあてにしているのです。
 私たちにとって、50%のリスクというのは決して受け入れられません。その結果と生きていかなくてはいけないのは私たちなのです。
 IPCCが出した最もよい試算では、気温の上昇を1.5度以内に抑えられる可能性は67%とされています。
 しかし、それを実現しようとした場合、2018年の1月1日にさかのぼって数えて、あと420ギガトンの二酸化炭素しか放出できないという計算になります。
 今日、この数字は、すでにあと350ギガトン未満となっています。これまでと同じように取り組んでいれば問題は解決できるとか、何らかの技術が解決してくれるとか、よくそんなふりをすることができますね。今の放出のレベルのままでは、あと8年半たたないうちに許容できる二酸化炭素の放出量を超えてしまいます。
 今日、これらの数値に沿った解決策や計画は全くありません。なぜなら、これらの数値はあなたたちにとってあまりにも受け入れがたく、そのことをありのままに伝えられるほど大人になっていないのです。

 あなた方は私たちを裏切っています。しかし、若者たちはあなた方の裏切りに気付き始めています。未来の世代の目は、あなた方に向けられています。
 もしあなた方が私たちを裏切ることを選ぶなら、私は言います。『あなたたちを絶対に許さない』と。
 私たちは、この場で、この瞬間から、線を引きます。ここから逃れることは許しません。世界は目を覚ましており、変化はやってきています。あなた方が好むと好まざるとにかかわらず。ありがとうございました。」

 ちなみに、グレタ・トゥーンベリさんがこうした場で意見を述べたのは、今回が初めてではない。昨年2018年にポーランドのカトヴィツェで開かれたCOP24の会場に現れ、スピーチを行っている(YouTube/https://youtu.be/VFkQSGyeCWgでご覧いただける)。また、こうした場で少女が意見を述べたのも、グレタさんが初めてではない。1992年のリオデジャネイロで開催された地球サミットでカナダ人少女、セヴァン・スズキさん(12歳)が行ったスピーチは、「伝説のスピーチ」とされている(YouTube/https://youtu.be/N0GsScywvx0でご覧いただける)。

 この気候行動サミットは、国連のアントニオ・グテーレス事務総長の呼びかけで、言葉ではなく行動について議論するために開かれたもの。開催に先立ち、グテーレス事務総長は、温室効果ガスを削減するための具体的な対応策を持ってきた国の代表者のみに演説を許可するとしていた。

 温室効果ガスによる気候変動に懐疑的な立場のアメリカのドナルド・トランプ大統領は、登壇の機会が設けられていなかったためサミットに出席しないとみられていたが、議場に一時姿を見せた。また、日本の安倍晋三首相とオーストラリアのスコット・モリソン首相は、参加が認められなかったが、それは石炭火力発電をめぐるもので、グテーレス事務総長は2050年までに二酸化炭素排出量を正味ゼロにすることを目指すことに加え、各国に化石燃料への補助金を削減し、新規の石炭火力発電所の建設中止を求めているという事情によった。ブラジル、サウジアラビアもサミットに出席しなかった。

 一方、積極的に対策を採っている国々からの演説があり、ドイツのアンゲラ・メルケル首相は、地球温暖化に対処するための財政支援額について、現行の2倍の40億ユーロ(約4700億円)に設定する方針だと述べた。フランスのエマニュエル・マクロン大統領は、世界銀行や米州開発銀行(IDB)、米環境NGOのコンサベーション・インターナショナルが、熱帯林保護のための追加援助として5億ドル(約540億円)を投じると明かした。ニュージーランドのジャシンダ・アーダーン首相は、「我が国の温室効果ガスの総排出量のピークは2006年だった。すでに電力の8割以上は、再生可能な水力と風力発電でまかなわれている。我々は、野心的な計画をすでに開始した」と述べ、同国の対策は「方向転換を始めている」と強調し、「我々は、近隣の太平洋諸国に壊滅的な気象が発生しないよう、平均気温上昇を1.5度未満に留めることを目的とした気候変動対応修正法(ゼロ・カーボン法)を議会に提出済みだ」とした。

 各国の足並みの乱れは、トゥーンベリさんの指摘を待つまでもなく明らかであり、トランプ大統領はあらゆる方法で化石燃料の使用を推奨している。そして中国は、新規の石炭火力発電所の建設を進めている。気候政策決定における世界的リーダーであるイギリスでさえ、温室効果ガス削減を目指す自国の中期目標から逸脱し始めている。英政府は、いまもヒースロー国際空港の拡張や道路網の拡大を目指している。そうなれば、温室効果ガスの排出量は増加することとなる。

 そしてついに、2019年11月4日、アメリカのトランプ大統領は、地球温暖化対策の国際的枠組みである「パリ協定」からの離脱を国連に正式に通告したとメディアは一斉に伝えた。2017年6月に脱退の方針を表明してから約2年半経過している。パリ協定の規定では、離脱の通告ができるのは協定が発効した2016年11月4日から3年後となっており、その初日に通告に踏み切ったことになる。

 この決定について、日本の各メディアはトランプ大統領の選挙対策の一環であるとしている。大統領選は2020年11月3日であり、離脱はその翌日となる。アメリカの野党・民主党は批判を強めているとされ、温暖化対策が来年の大統領選の大きな争点になるのではとの見方も出ている。


2019.11.6付け読売新聞記事

 上の新聞紙面にも見られるように、現在アメリカは中国に次いで世界で第二位の二酸化炭素排出国である。アメリカの離脱が他国の温暖化対策への取り組みに影響を与えるのではとの懸念も出ている。思い返してみると、ゴア氏の本が出版された2007年当時、この二酸化炭素排出量の最大であった国はアメリカで世界全体の30.3%であった。続いてヨーロッパ全体で27.7%、ロシア13.7%、東南アジア/インド/中国を合わせて12.2%、日本は3.7%であった。

 この20年間で状況は大きく変化し、今日では中国が最大の二酸化炭素排出国になっている。この間の米国と中国の二酸化炭素排出量の推移は次のようである。
 トランプ大統領の発言ばかりが注目されているが、懸念された離脱などの動きは無いものの、これを見ると中国の今後の動向が注目される。
 米国においてはトランプ大統領によるパリ協定離脱表明で削減目標が破棄されるものの、後に結成した米国気候同盟によって、州政府レベルの削減目標として引き継がれたとされる。


1980年から2018年までの米国と中国の二酸化炭素排出量の推移(出典:BP)
 
 他方、足並みの乱れは政治の世界だけではない。一旦反対論を克服し、コンセンサスが得られているように見えた科学の世界でも、20年以上前から続く「懐疑論」があり、地球温暖化に関する見解の相違はまだ見られるのである。アメリカでは現在20%ほどの科学者が二酸化炭素主因説に反対の立場をとっているとされる。科学の世界の見解の相違が、政治・経済面での混乱の原因と言えるのかもしれない。2017年6月に、トランプ大統領が、「二酸化炭素による地球温暖化議論はデッチアゲだ」と述べたことは、よく知られているが、その発言の背景にはこうした「懐疑論」に立つ科学者の見解が見え隠れするのである。

 「懐疑論」の中には「地球はもう温暖化していない」という主張もある。また、温暖化していることは認めるが、「現在進行中の温暖化の大部分(約6分の5)は地球の自然変動であり、人類活動により放出された炭酸ガスの温室効果によるのはわずか約6分の1程度である可能性が高い」とする見解もある。

 こうした意見はIPCCの報告書に真っ向から異論を唱えるものである。その根拠となるところを正しく理解することは、我々素人にはそうた易いことではない。本来純粋に科学的な議論であるはずの、地球温暖化論がこのように分裂しているのは何故か。

 現在得られる最新の地球温暖化に関するデータは気象庁から公開されている。また、各国の二酸化炭素排出量もBPから報告されている。地球温暖化論議の原点になるこうした資料の一部を見ておくと、次のようである。

 日本の気象庁発表の「世界の年平均気温」の項では次のような解説とともにグラフが示されている。

 「2018年の世界の平均気温(陸域における地表付近の気温と海面水温の平均)の基準値(1981〜2010年の30年平均値)からの偏差は+0.31℃で、1891年の統計開始以降、4番目に高い値となりました。世界の年平均気温は、様々な変動を繰り返しながら上昇しており、長期的には100年あたり0.73℃の割合で上昇しています。特に1990年代半ば以降、高温となる年が多くなっています。」


1891年から2018年までの世界の年平均気温偏差(気象庁ホームページより)

 過去130年間ほどの推移を見ると、世界の平均気温は100年あたり0.73℃の割合で上昇を続けており、最近4-50年間の変化はさらに大きくなっていて、100年あたり1.5℃の割合になっていることがわかる。ここでは割愛するが、北半球・南半球別のデータも示されていて、これを見ると北半球における平均気温の上昇は過去130年では0.79℃、最近4-50年間の変化では2℃と地球全体の変化よりもさらに大きくなっている。

 同様に、「世界の年降水量偏差の経年変化」の項の解説とグラフは次のようである。

 「2018年の世界の陸域の降水量の基準値(1981〜2010年の30年平均値)からの偏差は+39mmでした。半球別に見ると、北半球は+55mm、南半球は-5mmでした。世界の陸域の年降水量は1901年の統計開始以降、周期的な変動を繰り返しています。北半球では、1930年頃、1950年代、2000年代半ば以降に降水量の多い時期が現れています。」


世界の年降水量偏差の経年変化(気象庁ホームページより)

 最近頻発するようになっている豪雨による被害と符合するようなデータである。一方、ことし首都圏に大きな被害をもたらした台風15号、19号、21号などの、この豪雨をもたらしている主な要因である台風の発生状況についての解説は次のようである。
 
 「台風の将来予測:北大西洋では熱帯海域の海水温の上昇にともなって、1970年ごろから強い熱帯低気圧(ハリケーン)の活動が増えています。一方、台風(最大風速が秒速17.2メートル以上の北西太平洋の熱帯低気圧を台風と呼びます)の発生個数、日本への接近数、上陸数には、長期的な増加や減少の傾向は見られません。
 地球温暖化にともなう台風やハリケーンといった熱帯低気圧の活動の予測研究によると、非常に強い熱帯低気圧の数は増えると予測されています。また、熱帯低気圧にともなう雨は強くなる傾向があると予測されています。」

 図解したデータは示されていないが、意外なことに太平洋地域での台風の発生個数には目立った変化はないとのことである。

 総合して、日本の気候の将来予測については次のように記されている。

 「日本の気候変化の予測:日本の周辺で起きる気候変化を細かく予測する研究も行われています。今後も二酸化炭素などの温室効果ガスを多く排出(エネルギーのバランスと経済発展を重視しグローバル化が進展する社会を想定)する場合、100年後の日本の気候は次のように予測されています。(地球温暖化予測情報 第8巻より)
 気温は現在よりも3℃程度高くなる。予測される気温の上昇は高緯度ほど大きい。
 全国平均の年降水量(雨または雪の量)は増加する。これは、地球温暖化によって、大気に含まれる水蒸気量が増えることなどによると考えられる。
 日本のほとんどの地域で積雪の量が減る。これは、気温の上昇によって雪ではなく雨が降る場合が増えるためと考えられる。
 北海道の内陸部などでは雪の量は現在と同程度か増える。これは、温暖化が進んでも依然として気温が低いためと考えられる。」

 日本の温暖化に関しては、先にグラフで見た地球全体および北半球の最近の平均気温上昇、100年あたり1.5℃、2℃よりもさらに大きい数値がここで示されている。

 ところで、こうした気候変動の半分以上の要因とされる二酸化炭素濃度の1984年以降の推移データも示されていて、次のようである。


地球全体の二酸化炭素の経年変化(気象庁ホームページより)

 これによると、二酸化炭素は若干の変動はあるものの、確実に上昇を続けており、IPCCが設立された1988年以降も、各国の排出量削減の努力にもかかわらず、総量での上昇が抑えられる気配はない。

 世界気象機関(WMO)は10月22日、温室効果ガスの影響で、世界の平均気温が過去5年間で観測史上最も暑くなるなど、地球温暖化の兆候やその影響が加速していると発表。2015年から2019年までの間に大気中に排出された二酸化炭素は、2015年までの5年間と比べ、2割上昇しているとしている。

 こうした現状について、危機感を持つ若い人々が声を上げ、行動に移すようになっているのであるが、グテーレス国連事務総長もまた、世界は「気候変動の深みに」はまっているとして、緊急の対策が必要だと述べている。「時間がなくなりつつある。しかし、まだ手遅れではない」とも述べたとされる。

 「インペリアル・コレッジ・ロンドン(ICL)グランサム研究所の所長で、レディング大学気象学部の教授、ブライアン・ホスキンス氏は、『我々は、子供たちからの大きな求めに耳を傾けるべきだ。これは緊急事態だ。温室効果ガス排出量をゼロにすることを目指して急速に削減しつつ、不可避な気候の変化に適応するため、取り組まなければ』と述べた。」と報道されている。

 多くの科学者が、このようにデータを示しながら、「我々人類は、前例のない対応を必要とする未曾有の脅威に直面している」と訴えているのであるが、「政治家は、経済ビジネスはいつもどおりという姿勢のままで、気候変動に対処できると考えているようだ。」とBBC環境アナリストのロジャー・ハラビン氏が報じている。

 温暖化防止に関して、科学の世界での混乱ぶりはどうしたことだろうか。一部の政治家がその政策決定の根拠としていると思われる地球温暖化「懐疑論」は、今も一般市民の中にも影を落としているように感じる。大人が、子どもたちに地球の置かれている現状と、将来への取り組みについて、一致して正しい情報を提供できなければならないと思う。



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