軽井沢からの通信ときどき3D

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地梨子酒つくり

2017-10-27 00:00:00 | 日記
 佐久平方面に車で出かけ、農産物の直売所に立ち寄った時に、地梨子(ジナシ)の実が売られているのに妻が気付いた。とても大きな実で、完熟しているためか袋の外からもいい香りがしており、実の色も黄にピンク色が混じっているものもある。

 地梨子とはクサボケの実のことで、木の丈に似合わずこのクサボケには大きな実がなる。地梨子採りのことは、昨年8月13日のこのブログで紹介したが、元の職場の先輩Tさんに誘われて望月の別荘付近で採りに出かけ、少量の実を得て果実酒を作った。

 香りの良い、おいしい果実酒ができ、すっかり地梨子酒ファンになっていたが、採集できた実の量が少なかったこともあって、すぐに飲んでしまっていた。

 今年は都合でまだ地梨子採りが実現できておらず、残念に思っていたところであったので、この偶然の出会いに感謝しつつ、さっそくこの実を買って帰り、地梨酒を作ることにした。


A農産物直売所で買った地梨子の実、大きいものは1個で70gほどある(2017.9.23 撮影)

 地梨子酒の作り方は梅酒などと同じで、いたって簡単である。ネット検索で見つけたレシピを参考に、先ず良く洗った実を4-6片に切った。切った実の様子は、種の感じなども梨にとてもよく似ている。地梨子と呼ばれる所以である。


4-6片に切った地梨子の果実(2017.9.23 撮影)

 漬け込むアルコールは、ホワイトリカーが一般的だが、今回はうっかりしていて果実酒用のブランデーミックス品を買ってしまったので、自宅に買い置きのあったホワイトリカーとの2種類になった。

 この地梨子酒のことを教えてもらったTさんから、手造りの地梨子酒を頂いたことがあるが、それらはブランデーやウィスキーに漬け込んだものであったので、今回のブランデーミックスも楽しみではあるが、地梨子そのものの香りを楽しむには、ホワイトリカーもまたいいのではと思っている。

 分量は、35%ホワイトリカー1,800ml に対して、地梨子果実500~600g、氷砂糖300~400gを目安とした。買ってきた地梨子は山採りのもので、一部虫食いがあったが、それらを取り除き使用しても重量は3kgほどあった。


ホワイトリカーに漬け込んだ地梨子1/2(2017.10.10 撮影)


ホワイトリカーに漬け込んだ地梨子2/2(2017.10.10 撮影)


ブランデーミックス・ホワイトリカーに漬け込んだ地梨子(2017.10.10 撮影)

 大量に漬け込むことができたので、今回は慌てることなく1年後、2年後を楽しみにじっくりと熟成させようと思う。

 ところで、こうした果実酒作りに氷砂糖を用いるのは何故だろうか。甘みをつけるだけの目的であれば、どのような砂糖を用いてもよさそうに思えるのであるが。。。

 実は、氷砂糖には3つの役割があるようだ。

1.うまみ成分抽出のスピードアップ
  漬け込んだ果実のうまみ成分を抽出する役割は、ホワイトリカーの中のアルコールと水である。うまみ成分には水溶性のものとアルコールに溶けるものとがあるとされている。

  果実には糖分が含まれているため、浸透圧の関係でホワイトリカーに漬け込んだ果実には、アルコールと水がしみ込んでいき、内部にあるうまみ成分を溶かし込んでいく。

  この時、砂糖を用いるなどして、すでにホワイトリカーに糖分が溶け込んでいると、浸透圧が逆に作用して、果実から水分だけが出てしまい、うまみ成分が果実内に取り残されてしまう。漬け込んだ初めのうちはホワイトリカーには糖分が溶け込んでいないほうがよいことになる。

  次に、氷砂糖がゆっくりと溶けて、ホワイトリカーの糖分濃度が高くなってくると、うまみ成分を伴って果実から水分とアルコールがしみ出てくる。糖分濃度の上昇はうまみ成分を抽出するスピードを上げる効果がある。

2.腐敗防止
  果実酒は数ヶ月から1年以上の期間保存することになる。この期間中のカビの発生や腐敗防止の効果が期待される。氷砂糖を用いる場合にも、使用容器などの殺菌は欠かせないが、用いない場合には35度のホワイトリカーを用いる場合でも、より入念な殺菌が必要とされる。

3.おいしさ
  これは好みの問題でもあるが、甘みをつけることでホワイトリカー特有の味を消し、おいしさをつけることができる。

 さて、果実酒の王者といわれる地梨子酒、今回の完熟果実を用いたものがどんな風に仕上がるのかとても楽しみである。


  
 

 

 

 
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