2月22日の朝、いつもは散歩に出かける時刻であったが、寒い日だったのでぐずぐずしているところに、妻がやってきて、外の景色が何だか変だという。
窓のブラインドを開けて、庭のもみじの木を見ると、小枝が凍り付いていて、所々に小さなつらら状の氷がぶら下がって見える。
凍りついたモミジの枝先(2024.2.22 撮影)
凍りついたドウダンツツジの枝先(2024.2.22 撮影)
太めの枝にはつらら状の氷ができている(2024.2.22 撮影)
モミの木にできたつらら状の氷(2024.2.22 撮影)
これは雨氷というものだと妻が何かで調べたらしく、教えてくれた。これまで、霧氷とか樹氷という語は聞いていたが、その違いもよく分からないし、雨氷という語になると聞いた覚えが無く、その違いは何だろうかということで、ウィキペディアで調べてみた。
「霧氷(むひょう、英: rime)は、着氷現象の一種で、氷点下の環境で樹木などの地物に付着して発達する、白色や半透明で結晶構造が顕著な氷層の総称。
過冷却にある霧粒子や雲粒子(着氷性の霧)によるものと、空気中の水蒸気の昇華によるものがある。樹氷、粗氷、樹霜の3つに分類される。
霧氷は気泡を多く含むため、密度は 0.2 - 0.3 g/cm3程度。
過冷却にある霧粒子や雲粒子(着氷性の霧)によるものと、空気中の水蒸気の昇華によるものがある。樹氷、粗氷、樹霜の3つに分類される。
霧氷は気泡を多く含むため、密度は 0.2 - 0.3 g/cm3程度。
樹氷(じゅひょう、英: soft rime)は、過冷却水滴からなる濃霧が地物に衝突して凍結付着した氷層のうち、白色で脆いものをいう。
気温−5 ℃以下の環境で風の弱いときに顕著に発達し、気泡を多く含むために不透明で、白色を呈する。小さな粒状の氷が無数に凝集する構造で、手で触ると簡単に崩れるほど脆く、樹氷が付着している物体を揺らすと簡単に落ちる。
粗氷(そひょう、英: hard rime)は、過冷却水滴からなる濃霧が地物に衝突し、凍結付着した氷層のうち、半透明のものをいう。樹氷よりも硬いが、大抵は手で触ると崩れる程度の脆さである。樹氷に比べ氷の粒が大きく、粒同士が融合して大きな氷の塊を形成する場合もあるが、気泡を多く含むため透明にはならず半透明にとどまる。
樹霜(じゅそう、英: hoarfrost)は、空気中の水蒸気が昇華して樹枝などの地物に付着した樹枝状ないし針状の結晶である。観察すると、球状霧粒の混じることもあるが、針状や板状、柱状など結晶のはっきりした性状が目立つものが多い。
霜と同じ原理であるが、層状に発達し、特に樹木などに付着したものをこう呼ぶ。霜は地面付近の地物に多く付くのに対して、樹霜は高い枝にも付く。樹氷と樹霜の判別が難しいことがあるが、霧がなかった場合にはふつう樹霜と考える。
雨氷(うひょう、英: freezing rain)は、0℃以下でも凍っていない過冷却状態の雨(着氷性の雨)が地面や木などの物体に付着することをきっかけに凍って形成される硬く透明な氷のこと。着氷現象の一種でもある。
地物の温度が0℃以下またはわずかに上回るときに生じ、こちらは密度 0.8 - 0.9 g/cm3程度になる。」
粗氷や樹霜という語まで登場したが、樹氷、粗氷、樹霜は、霧氷の一種で、どれも氷の密度は比較的小さなもので、白色から半透明の外観になるが、雨氷は密度が高く、硬く透明だとされる。
庭の木の枝を包むようになっている今回の氷を見ると、透明で硬そうに見える。確かに雨氷である。
雨氷をつくり出す、前記の着氷性の雨が発生する条件は、地上気温が0℃からマイナス数℃の狭い範囲であり、上空に適度な厚みの逆転層が存在することが必要なことから、ごくありふれた現象である雨や雪と比べて、雨氷は目にする機会が少なく、発生頻度も低いため、珍しい気象現象とされている。
ちなみに、よく似た語には流行歌の題名でも知られる「氷雨」というものもあるが、ウィキペディアによるとこちらは、次のようである。
「氷雨(ひさめ、ひあめ)は、空から降ってくる氷の粒のこと。あるいは、冬季に降る冷たい雨のこと。気象学で定義された用語ではない。 」
結局、この日は散歩を止めて庭で雨氷の写真撮影をしたが、曇天で外気温が低いままであったためか、この雨氷は終日溶けることなかった。
見ているとなかなかきれいな雨氷であるが、軽井沢を発着する「しなの鉄道」には大きな被害をもたらしていたことが、夕方のTVニュースで報じられた。
雨氷による架線凍結の影響で終日運休となったしなの鉄道の様子を伝えるTVニュース(2024.2.22 TV放送画面を撮影)
この雨氷は硬く、簡単には除去できないため、作業者が手作業で取り除かなければならず、その作業が困難を極めたため、しなの鉄道はこの日から2日半にわたり運休することになり、運転を再開したのは24日の昼近くになってからであった。
自宅付近の電線をみると、24日の朝もまだ、しなの鉄道の架線に着氷したものと同様の小さなつらら状の雨氷が見られたが、やがて天候の回復と共に溶けていった。
しなの鉄道の発表によると、雨氷による運休は2010年以来とのことで、軽井沢でも珍しい現象であったことがわかる。
3日目の朝もまだ電線などには雨氷が残る(2024.2.24 8:55 撮影)
雨氷がほとんど消えた電線など(2024.2.24 11:16 撮影)
鉄道には大きな被害を及ぼすことになった雨氷であるが、景色としてはなかなか珍しく、美しく思えたので、発生の翌日、小雪がちらついている中、いつもの朝散歩に出かけ、雲場池周辺の木々に付着した雨氷とその上に降り積もった雪の様子を撮影した。
先ずは自宅周辺で見かけた雨氷から。雨氷のサイズ(つらら状の雨氷の直径など)は付着物によらずほぼ一定の大きさであることが判る。
自宅周辺の人工物などに見られた雨氷(2024.2.23 撮影)
続いて雲場池周辺の木々の雨氷。
雲場池周辺の木々に見られた雨氷(2024.2.23 撮影)
曇天が続いたこともあり、電線や家の周りの人工物の雨氷は溶けて、消えていったが、雲場池周辺の木々の雨氷は25日まで残っているのが見られた。
翌26日の朝は快晴となり青空が見られるようになり、この間に降り積もった雪が解け始めたためか、雨氷がより太く、長いつらら状に成長していると思われる場所も見られた。途中経過を見ていたわけではないので、雨氷が一旦溶けた後に新たにできたものか、残っていた雨氷がさらに成長したものかは判然としないが。
快晴の朝の雲場池(2024.2.26 撮影)
ワインセラーの建物壁面のツタにできたつらら状の氷(2024.2.26 撮影)
できることなら、次は雨氷の成長と消滅過程を観察したいところであるが、いつ見ることができるのか・・・。
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