毎年、春と秋の年2回行っている河床整備が雨で中止になった。順延ではなく中止である。
当地区でもう40年以上続けている行事で、環境美化運動の一環として始まったもので、区域内を流れる1級河川である矢ケ崎川と精進場川の河床や堤防の樹木伐採や草刈りを順次行うものである。
今回は矢ケ崎川の整備の番であった。
今は、河床整備の方は消防団員が中心となっていて、主に男性陣が行い、これに合わせて、公民館の清掃も行っていて、こちらは女性陣と子供たちが中心となっている。
また、この日は災害時の炊き出し訓練を兼ねて、カレーライス作りも行われて、作業後のみんなの楽しみとなっている。
予定日の3日前に、責任者のM建設部長から電話があり、河床整備の予定日の天気予報では雨85%だけどどうしましょうかという。カレーライス作りのための材料調達を考えると、少なくとも前日、できれば2日前には予定通り実施するかどうかを決めなければならない。明日まで待って、決定しようということになった。
2日前、天気予報の数値の方は相変わらずであったので、中止することに決めた。順延にしなかったのは、消防団にその次週、別の予定が入っているので、もともと順延はしないことになっていたからである。
急遽関係者に中止の連絡をし、区域内の放送を担当しているウグイス嬢に、放送内容の原稿を届けて、河床整備の前日夕方と当日早朝の放送をお願いした。
当日の朝起きて先ず外の様子を見ると、道路は湿っていて霧雨が降っているようで微妙な天候であったが、もう変更はできない。
集合時刻の9時少し前に現地に行ってみると、責任者のMさんがすでに来ていた。この頃には雨も止んでいたので、中止の放送を聞いていない区民が来る可能性がある。
実際、集合時刻少し前にやってきたご婦人がいて、聞いてみると、やはり放送は聞いていないという。
年2回の地域の行事であり、環境美化とともに河川の防災を兼ねて行われているものなので、このように雨天中止になった場合にどのように補うのがいいか、新たな課題ができた。
旧公民館にずっと掲げられていて、今は取り外されている額があって、そこには42年前の河床整備時の写真と共に、次の文が記されている。
「悠久の時の流れの中で幾度となく災害を繰り返してきた矢ケ崎川、精進場川から、安全で安心を守るべく河床整備をすることに住民が立ち上がった。これからも災害から地域を守る爲にこの行事が続くことであろう。
昭和五十八年、第一回河床整備事業が区民有志によって行われた。又これに伴い公民館に於いて婦人部有志により災害時に備えて炊き出し訓練が行われ昼食を共にした。
区長 小林正直
写真副部長 小林恒治」