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軽井沢からの通信ときどき3D

移住して11年目に入りました、ここでの生活と自然を写真と動画で発信しています

庭にきた鳥(7)アカゲラ

2020-07-17 00:00:00 | 野鳥
 今回はアカゲラ。代表的なキツツキの仲間である。キツツキには子供のころから何故か特別な思いがあった気がするが、キツツキという名前の鳥はいなくて、アカゲラ・アオゲラ・コゲラなどのことだと知ったのはだいぶ後になってからであった。

 その特別な思いというのは、やはり木の幹をつつき穴を開けて、中の昆虫を探して食べるというその習性がおもしろく感じられたためだろうと思う。
 
 このキツツキの仲間が自宅周辺の木に来ているのを見かけることはあったが、餌台に来ることは予想していなかった。
 もうだいぶ前にこのアカゲラがシジュウカラなどのカラの仲間に混じってやってきたのであるが、後にも先にも、餌台に来たのはこの時だけのことである。シジュウカラにと思って用意してあった牛脂を食べに来たのであった。

 アカゲラによく似た種に、オオアカゲラとコアカゲラがいると図鑑に記されているが、今回紹介する種は羽色や大きさからアカゲラと判断している。

 いつもの原色日本鳥類図鑑(小林桂助著、1973年保育社発行)には、アカゲラは次のように記されている。
 「形態 黒、白、赤の配色顕著なキツツキ。嘴峰26~29mm、翼長124~136mm、尾長77~90mm、跗蹠21~23mm。額白く以下の背面は黒。肩羽の先端白く背に大きな白紋を形成する。♂は後頸鮮紅色であるが♀はこれを欠く。尾は中央のものは黒、その他は白く黒色黄はんがある。翼は黒く白色黄はんあり。顔と下面とは汚白色で顎線は太く黒い。頸側にも黒帯がある。下腹部と下尾筒とは美しい鮮紅色。幼鳥は♂♀共頭上全体が紅色である。
  生態 山地の森林中に生息する。飛行は波状。キョッ、キョッとなき時々嘴で樹幹を打ちカラ、カラ、カラ・・・・と音を立てることは他のキツツキ類と同様である。
  分布 本州(中部以北には普通であるが西日本には少ない)・対馬に生息繁殖し、八丈島でも採集されたことがある。」

 次の写真は牛脂を食べに餌台に来たアカゲラで、長い間餌台にとどまり牛脂をつついていた。この間シジュウカラ、ヒガラ、コガラそしてヤマガラはじっと近くで待機していたのであろう、アカゲラがいなくなると次々と交代しながらやってきては牛脂をついばんでいた。

 このアカゲラ、一部後頭部の赤が写っていることから♂と判定することができる。

 くちばしから胸と後頭部に伸びる黒い帯を顎線と呼ぶが、最後の写真などこれが役者の隈取りの文様のように見えておかしい。






自宅庭の餌台に来て牛脂をつつくアカゲラ♂(2016.3.13 撮影)

 このアカゲラがいなくなると、早速いつものカラ達が次々と来ては大好きな牛脂をつつき始めた。面白いことにカラ達も同時には来ないで、交代しながら牛脂を食べに来るのである。

餌台の牛脂をつつくシジュウカラ(2016.3.13 撮影)

餌台の牛脂をつつくヒガラ(201x.3.13 撮影)

餌台の牛脂をつつくコガラ(2016.3.13 撮影)

餌台の牛脂をつつくヤマガラ(2016.3.13 撮影)

 自宅庭のモミジに来た時の写真は次のようである。


庭のモミジの枝に止まるアカゲラ♂ 1/2 (2019.12.26 撮影)

 
庭のモミジの枝に止まるアカゲラ♂ 2/2 (2019.12.26 撮影)

 キツツキの仲間はくちばしと長い舌を使って樹皮の内部やすき間にいる昆虫を食べたり、幹につつき掘った巣穴を作るとされる。

 この巣作りに関して、「軽井沢のホントの自然」(2012年 ほおずき書籍発行)には次のような記述がある。

 「・・・キツツキのアカゲラは、やわらかい枯木を選んで穴を掘り、巣をつくります。気に入らなければ、1本の木にいくつもの穴を掘り直すことがあります。そして子育てが終わると、来年はまた別の場所に新しく穴を掘ります。・・・近年の研究では、アカゲラは枯木に好んで巣穴を掘り、翌年はコムクドリなどがそこを利用し、さらに3年目以降になると、木もいよいよ朽ちて倒れる率が高まるそうです。・・・
 森の新陳代謝のためには、若い木、壮年の木、老齢の木が適度に混じっていることが必要です。そして、そこに枯れた木が立っているのも、健康な森の姿なのです。・・・」

 別荘地では、こうした枯木を放置することは危険なので、取り除くことが行われるが、そのためかどうか、別荘の壁面に穴を開けるキツツキも結構いる。

 しばらく使われることがなく、放置されている別荘などでは、壁面に十カ所以上もの穴があけられているのを見ることがある。

 時々聞かれるあのカラ、カラ、カラ・・・という木の幹を打つ音はエサを探している時の音なのか、巣穴を開けようとしている時の音なのかと思って調べてみると、そのどちらでもなく、繁殖期に縄張りを主張したり、♂の場合♀へのアピールをするためのものだという。ドラミングと呼ばれている。この速さは毎秒20回、頭部への衝撃の強さは20Gに及ぶとされる。

 今年の1月から雲場池に散歩に出かけるようになったが、そこでもアカゲラをよく見かけ、ドラミングが聞こえてくることもあった。

 静かな朝、カラ、カラ、カラ・・・と減衰して響くこの音を聞くのはなかなかいいものである。次の写真はこの雲場池周辺でのもの。

雲場池で見たアカゲラ♀ 1/6 (2020.3.16 撮影)

雲場池で見たアカゲラ 2/6 (2020.4.2 撮影)

雲場池で見たアカゲラ♂ 3/6 (2020.3.15 撮影)

雲場池で見たアカゲラ♂ 4/6 (2020.3.15 撮影)

雲場池で見たアカゲラ 5/6 (2020.1.29 撮影)

雲場池で見たアカゲラ 6/6 (2020.4.17 撮影)

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庭にきた鳥(6)ヒガラ

2020-06-12 00:00:00 | 野鳥
今回はヒガラ。庭の餌台にはコガラと同様、時々姿を見せる。大きさはコガラよりもやや大きい程度で、シジュウカラに比べるとかなり小さいが、シジュウカラによく似た羽色の仲間である。

庭の餌台に来たシジュウカラとヒガラ(2016.2.28 撮影)

 原色日本鳥類図鑑(小林桂助著、1973年保育社発行)には、ヒガラも次のように紹介されている。
 「形態 色彩はシジュウカラに似るがはるかに小。嘴峰8~9mm、翼長55~62mm、尾長42~49mm、跗蹠14~17mm。頭上、後頸は光沢ある藍黒色で後頸の中央に白紋がある。背は青灰色、頬と頸側とは白色。腮(あご)喉(のど)黒く以下の下面は灰白色。♂♀同色。
  生態 低山帯から亜高山帯にわたって生息し数は多い。森林中の高いこずえに止まってツツピ、ツツピ、ツツピと長く連続して鳴く声はシジュウカラよりもはるかに金属性を帯びる。冬季にはシジュウカラの群れに混じって山すその人里近くにも漂行する。
  分布 北海道・本州・四国・九州・屋久島などに分布繁殖し、伊豆七島にも渡来する。

 この種も牛脂が大好きで、冬期にはこれを目当てにやってくるようである。黒色の頭頂に短い冠羽があり、ツツピ、ツツピと鳴きながら、いそがしく動き回る姿が目立つ種である。

 庭の餌台に来るカラの仲間を見ていて、バードカーヴィングに取り組んだことがあって、ヤマガラとヒガラを並行して彫りはじめたが、ヒガラのこの冠羽でつまづいてしまった。そのうち、写真とビデオ撮影の方が忙しくなり、今もそのまま箱の中で眠ったままになっている。

 最初は餌台に来た時の写真。シジュウカラ、ヤマガラ、コガラと交互にやって来ることが多いので、2種を同時に撮影できる機会はあまりないのだが、これは珍しいシーン。自分より大きいヤマガラが牛脂をつついている間、冠羽をより高く立て、じっと傍らで待っている様子である。

餌台に来て順番を待つヒガラ(2016.3.13 撮影)

餌台の牛脂を食べるヒガラ 1/4 (2016.3.13 撮影)

餌台の牛脂を食べるヒガラ 2/4 (2016.3.13 撮影)



餌台の牛脂を食べるヒガラ 3/4 (2016.3.13 撮影)

餌台の牛脂を食べるヒガラ 4/4 (2016.3.13 撮影)

 雪の降った日は、外で餌を探すことがより難しくなるのか、餌台はラッシュ状態になる。近くの木に止まり、順番を待つ姿も見られた。

雪の日、枝に止まり餌台が空くのを待つヒガラ 1/3 (2016.3.10 撮影)


雪の日、枝に止まり餌台が空くのを待つヒガラ 2/3 (2016.3.10 撮影)


雪の日、枝に止まり餌台が空くのを待つヒガラ 3/3 (2016.3.10 撮影)
 
 人懐っこい性格はコガラとよく似ている。餌台や庭に来ている時も人を恐れる様子はあまりなく、庭のモミの木の枝に止まったり、ぶら下がったりと、あれこれ曲芸のような姿を見せてくれ、至近距離からの撮影もできた。

庭のモミの木で遊ぶヒガラ 1/11 (2020.4.25 撮影)

庭のモミの木で遊ぶヒガラ 2/11 (2020.4.25 撮影)

庭のモミの木で遊ぶヒガラ 3/11 (2020.4.25 撮影)

庭のモミの木で遊ぶヒガラ 4/11(2020.4.27 撮影)


庭のモミの木で遊ぶヒガラ 5/11 (2020.4.27 撮影)

庭のモミの木で遊ぶヒガラ 6/11 (2020.4.25 撮影)

庭のモミの木で遊ぶヒガラ 7/11 (2020.4.25 撮影)

庭のモミの木で遊ぶヒガラ 8/11 (2020.4.25 撮影)

庭のモミの木で遊ぶヒガラ 9/11 (2020.4.27 撮影)

庭のモミの木で遊ぶヒガラ 10/11 (2020.4.27 撮影)

庭のモミの木で遊ぶヒガラ 11/11 (2020.4.27 撮影)

 冬の雲場池でもよく見かけ、近寄って行っても逃げることがあまりなくて、カメラのファインダー越しに見ていると、どんどん近くに寄って来たり、目の前の木の枝に逆さまにぶら下がり、庭のモミの木の時と同様、アクロバティックな姿を見せてくれることがある。

雲場池の遊歩道脇で見かけたヒガラ 1/5  (2020.4.2 撮影)

雲場池の遊歩道脇で見かけたヒガラ 2/5  (2020.4.13 撮影)

雲場池の遊歩道脇で見かけたヒガラ 3/5  (2020.4.28 撮影)

雲場池の遊歩道脇で見かけたヒガラ 4/5  (2020.4.13 撮影)

雲場池の遊歩道脇で見かけたヒガラ 5/5  (2020.4.2 撮影)

 このヒガラ、ご近所の玄関脇の1mほどの高さに置いた巣箱で子育てをしたことがあった。我が家でも巣箱をいくつか用意して楽しみにしているのだが、まだどこか気に入らないようで入ってくれない。
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雲場池の水鳥(3)カルガモ

2020-06-05 00:00:00 | 野鳥
 今回はカルガモ。5月に入ったころから、雲場池周辺の木々は一気に緑が濃くなり、さらに下旬ともなると辺りの様子は一変している。一方、冬に多く見られた水鳥をはじめ野鳥の姿はこの間にめっきり減ってしまった。


1月の雲場池(2020.1.11 撮影)


1月、うっすらと雪の積もった雲場池(2020.1.15 撮影)


3月の雲場池(2020.3.11 撮影)


3月、前夜からの雪に覆われた雲場池(2020.3.15 撮影)

4月の雲場池(2020.4.12 撮影)


5月、緑が急に濃くなった雲場池(2020.5.11 撮影)

6月の雲場池(2020.6.2 撮影)

 冬の間は、多い日には10種類以上の小鳥と、やはり5~6種類の水鳥を見ることができたが、今池にいるのはカルガモだけになっている。


冬の雲場池に集まるマガモ、カルガモ、ホシハジロ、キンクロハジロなどの水鳥たち(2020.3.13 撮影)

 少し前までは、首都圏からコロナ騒動で避難してきていた別荘族が散歩している姿も見られたが、いまはそれもなくなり朝、雲場池は静まり返っている。

 今回はそうした中で相変わらず今も姿を見ることができるカルガモを紹介する。冬にはマガモに次いで数の多かったカモの仲間である。

 このこのカルガモは「国内の各地で普通に繁殖する唯一のカモ類。全国の平野部に多く生息し、近年、増加傾向にある。」(野鳥観察図鑑、 2005年 成美堂出版発行)とされるとおり、どこにいても目にする機会の多い種である。

 暖かくなり、次第に他のカモ類の数が減っていく中にあって、1月から5月中旬頃まで一貫して見られた種はこのカルガモとキンクロハジロであった。そしてキンクロハジロの姿も見られなくなり、6月になった今、数羽のカルガモを残すだけになっている。

 先に紹介したように(2020.3.7 公開)、1-2月には一番多く見られたマガモであるが、北方に帰っていったのであろう、暖かくなるにつれて次第に数が減り、5月に入ってからはまったく姿が見られなくなった。

 さて、そうしたカルガモだが、1月に雲場池周辺の散歩を始めたころには、私が池に近寄っていくと飛び立って距離をとっていた。その後、次第に慣れてきたようで、慌てて逃げだすようなことは少なくなってきた。

 時には池周辺の遊歩道のすぐそばまでやってきて、池の縁の餌を探していることがあり、私の姿を認めるとチラと横目でこちらを見るが、そのまま食べ続けることもある。

 また、陸に上がっている時も同じで、最近では遊歩道の上にいて、私が近寄っていっても道を開けようとしないので、数メートル手前でこちらが気を使って進路を変えるということもあった。

 このカルガモ、いつもの「原色日本鳥類図鑑」(小林桂助著 1973年 保育社発行)には次のように紹介されている。

 「形態 ♂♀類似。マガモの♀に似る。嘴峰45~49mm、翼長245~292mm、尾長79~102mm、跗蹠41~51mm、頭上、背、腰、尾は黒かっ色で眉はん黄白色。過眼線は黒かっ色である。腮(サイ、顎部のこと)、喉は黄白色、胸は黄かっ色と黒かっ色とのまだらで下方に移るに従い黒かっ色となる。翼鏡金属藍黒色、三列風切の外弁白。嘴の先端と脚とは橙黄色。
  生態 蒙古・満州・ウスリー地方・朝鮮・樺太・日本など東亜に限られ分布する種類であり、我国では各地で繁殖する。水辺、沼沢地のアシ原などに営巣し雛を連れた親鳥は人に出あうと偽傷(翼をばたばた羽ばたいてあたかも負傷して飛び立てないような動作)をして人の注意を引き、雛を安全な草むらなどに退避させる習性がある。この習性はマガモにもある。冬期は昼間は大群にて海洋上に休むことが多い。
  分布 北海道・本州・四国・九州・喜界島で繁殖し、本州中部以南には冬季も多数滞留し、また伊豆七島・対馬・種子島などにも分布する。」

 形態のところで、「翼鏡」という名称が出てくるが、これは「鳥の翼の風切羽の一部で、普通は次列風切り羽にあって、金属光沢のある目立つ色彩によって構成されるもので、カモ類に特徴的に見られる」とされる。


 水面にいる時にもこの青く光沢のある「翼鏡」の一部は見えることがあるのだが、飛び立つとその全体がよく見える。この様子を撮影したくて何度か試みたが、なかなかいいタイミングで撮影できない。ようやく撮れたものを後で紹介する。

 では以下、今年雲場池で撮影した写真を紹介する。

 はじめは1羽だけの写真から。

雲場池のカルガモ (2020.4.22 撮影)

雲場池のカルガモ (2020.4.12 撮影)

雲場池のカルガモ (2020.1.29 撮影)

雲場池のカルガモ (2020.3.16 撮影)


雲場池のカルガモ (2020.3.12 撮影)

雲場池のカルガモ (2020.3.17 撮影)

雲場池のカルガモ (2020.5.27 撮影)

雲場池のカルガモ (2019.2.19 撮影)


近づいても逃げようとしない雲場池のカルガモ (2020.3.17 撮影)


雲場池のカルガモ (2020.1.21 撮影)
 
 続いてペアの写真

雲場池のカルガモ (2020.5.3 撮影)

朝の光の中で不思議な色に写った雲場池のカルガモ (2020.2.4 撮影)

雲場池のカルガモ (2020.3.17 撮影)

 次は、他の種の鳥との写真。

雲場池のカルガモとキンクロハジロ (2020.5.13 撮影)

雲場池のカルガモとオオバン (2020.2.25 撮影)

雲場池のカルガモとカワウ、珍しい組み合わせになった (2020.3.10 撮影)

 次は群れの様子。

雲場池のカルガモの群れ (2020.3.12 撮影)

雲場池のカルガモの群れ (2020.3.16 撮影)

一斉に同じ方向に泳ぎ始めた雲場池のカルガモの群れ (2020.2.9 撮影)

雲場池のカルガモ (2020.4.10 撮影)

雲場池のカルガモ (2020.5.24 撮影)

 時には隣接した別荘地や、精進場川に出かけていることがある。

別荘地を歩くカルガモ (2020.5.8 撮影)

別荘地内の池で餌を探すカルガモ (2020.2.22 撮影)


隣接する精進場川のカルガモ(2020.5.29 撮影)

  私が近寄っても逃げることなく、チラと様子を伺ったり、餌を探し続けたり、遊歩道を占拠したり、眠り続けることもある(目はこちらを見ているようでもあるが)。

池の縁で餌を探し、逃げようとしないカルガモ(2020.4.19 撮影)

遊歩道脇の別荘地内で佇むカルガモ(2020.5.18 撮影)

池の縁で餌を探し続けるカルガモ(2020.5.31 撮影)

菖蒲の根元で餌を探し続けるカルガモ(2020.5.8 撮影)

遊歩道上を占拠するカルガモ(2020.5.29 撮影)


池の縁に上がり眠り続けるカルガモ(眼はこちらを見ているようにも見えるが、2020.5.20 撮影)

 雲場池への散歩は早朝なので、霧が出ていたり、朝の光が池に反射して美しい背景色を作り出したりすることがある。

霧が出た日の雲場池のカルガモ(2020.4.17 撮影)

朝日に照らされるカルガモ(2020.5.31 撮影)

柔らかな朝日の中のカルガモ(2020.3.12 撮影)

緑につつまれた雲場池のカルガモ(2020.5.27 撮影)

緑が濃くなってきた雲場池のカルガモ(2020.5.18 撮影)

緑につつまれた雲場池を泳ぎ移動するカルガモ(2020.6.2 撮影)

 最後に翼鏡を撮ることのできた写真。風切り羽を上面から見た時にのみこの青い構造色が見えることが分かる。

飛び立ち、青い翼鏡が見えるカルガモ 1/2 (2020.4.16 撮影)

飛び立ち、青い翼鏡が見えるカルガモ 2/2 (2020.4.16 撮影)

着水時、青い翼鏡が見えるカルガモ(2020.5.27 撮影)

飛翔時、青い翼鏡が見えるカルガモ(2020.3.16 撮影)

 ところで、マガモの首部分が緑や青に見えるというところでも触れたが、このカルガモの翼鏡の美しい青色は構造色といわれるものである。名前の通り金属光沢があり、明らかに他の部分の羽とは異なっている

 その詳細構造はどうなっているのかと思い、調べていて意外な情報に接した。それによると、この翼鏡だけではなく、鳥の羽の種々の色の多くもまた、金属光沢の有無にかかわらず構造色だという。

 構造色のうちで金属光沢を持つものは、光が差し込む方向や見る角度で色が違って見える。これはモルフォ蝶などに代表されるように、微細な周期構造によるもので、その構造は研究され明らかにされている。

 そうした昆虫での情報から、鳥の羽の色もまた、金属光沢がなく見る方向を変えても色変化の無いものは色素によるもので、構造色ではないと考えていたが、これは大きな誤解であった。

 ただ、その発色の機構については光の散乱が関係していると考えられていたものの、不明な点もあり長い間十分に理解されないままであったという。これが、今から10年ほど前に解明されていた。次の論文がそれである。 

 2010年にAdvanced Materials に発表された論文「”How Noniridescent Colors Are Generated by Quasi-ordered Structures of Bird Feathers”  by Heeso Noh et al.」( https://www.eng.yale.edu/caolab/papers/ADV10.pdf )に、金属光沢を示さない鳥の羽の色は構造色であり、準規則性を持つ空孔構造がその発色原理であるとしている。

 さて、最近の新聞紙上で、時々このカルガモの親子のことが報じられている。雲場池で繁殖しているのかどうかまだ判らないが、寒冷地なので、もう少ししたらここでも親子が一緒に泳いだり、歩いたりする姿が見られるかもしれないと楽しみである。

 
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庭にきた鳥(5)コガラ

2020-05-29 00:00:00 | 野鳥
 今回はコガラ。シジュウカラ、ヤマガラ、ヒガラに混じって時々庭の餌台に姿を見せる種である。南軽井沢の別荘地などでは10羽ほどの群れを見かけることがあるが、自宅にやってくるときはたいがい1羽または2羽で、それも交代に来るので写真には1羽が写るのみである。

 外観は白灰色で、流線型の姿はなかなか精悍に見える。

 とても人懐っこい種で、こうした性格はヒガラにも見られるが、庭の木に来ている時などあまり人を恐れる様子はない。

 頭上でジージ、ジージと鳴くので、孫に呼ばれているような気がすることがある。

 餌台に来るときは、シジュウカラに気をつかうのか、同時にやってきて仲良く一緒にということは稀で、交替しながらやってくる。これはヒガラやヤマガラにも見られることである。

庭の餌台に来たシジュウカラとコガラ(2016.2.28 撮影)

 原色日本鳥類図鑑(小林桂助著、1973年保育社発行)には、コガラは次のように記されている。
 「形態 頭黒、背淡灰かっ色。嘴峰10~11mm、翼長61~68mm、尾長51~58mm、跗蹠16~17mm。額から頭上、頸にかけ黒色であるがややかっ色を帯びている。頬、頸側、下面は白色であるが腮(あご)と喉(のど)とは黒色である。♂♀同色。
  生態 亜高山帯に多数生息するが、低山帯の広葉樹林中でも繁殖する。冬季にはその下方に漂行するものもある。チチ、ジェー、ジェーとなく。
  分布 留鳥として本州・四国・九州に生息する。北海道にも少数生息する。」

 次の写真は餌台に来た時のものだが、カラの仲間は共通して麻(オ)の実と牛脂が好きなようである。餌台で麻の実を突き割って食べることもあるが、1つ咥えては近くの枝に止まり、そこで食べる、またもどってくるという動作をくりかえすことが多い。

餌台に来たコガラ 1/3 (2016.2.25 撮影)

餌台に来たコガラ 2/3 (2016.2.25 撮影)

餌台に来たコガラ 3/3 (2016.2.25 撮影)

餌台の牛脂を食べるコガラ 1/4 (2016.3.13 撮影)

餌台の牛脂を食べるコガラ 2/4 (2016.3.13 撮影)

餌台の牛脂を食べるコガラ 3/4 (2016.3.13 撮影)

餌台の牛脂を食べるコガラ 4/4 (2016.3.13 撮影)

 次は3月に雪の降った日に撮影したもので、餌台のすぐそばのモミジの大木の枝に止まり、辛抱強く順番を待って、シジュウカラやヤマガラ、ヒガラなどと交代しながら麻の実や牛脂を食べに来ていた。

雪の日餌台近くのモミジの木の枝で順番を待つコガラ 1/4 (2016.3.10 撮影)

雪の日餌台近くのモミジの木の枝で順番を待つコガラ 2/4 (2016.3.10 撮影)


雪の日餌台近くのモミジの木の枝で順番を待つコガラ 3/4 (2016.3.10 撮影)

雪の日餌台近くのモミジの木の枝で順番を待つコガラ 4/4 (2016.3.10 撮影)

 餌台を置いて以来冬季には毎年同じように麻の実や牛脂を求めてやってくる。次の写真もモミジの枝に止まっているところ。餌台から麻の実などを咥えてきて、枝の上で突き割って食べる。

餌台から麻の実を咥えてきて、枝の上で食べるコガラ 1/3 (2016.2.29 撮影)

餌台から麻の実を咥えてきて、枝の上で食べるコガラ 2/3 (2019.4.9 撮影)

餌台から麻の実を咥えてきて、枝の上で食べるコガラ 3/3 (2019.4.9 撮影)

餌台の近くの樹上で様子を伺うコガラ 1/2 (2019.4.9 撮影)

餌台の近くの樹上で様子を伺うコガラ 2/2 (2019.4.9 撮影)

 先日、南軽井沢の別荘地にエイザンスミレを見に出かけた。エイザンスミレが毎年のように咲く数か所を巡ってみたが、その内の一ヶ所では昨年の台風19号の爪痕がまだそのままになっていて、道路の片側は大きくえぐれ、車両は通行止めになっていた。

 エイザンスミレが咲いていた川沿いの傾斜地も崩れ、エイザンスミレの株は土砂と共に流されてしまったようであった。


2019年の台風19号の爪痕が残る別荘地内の道路 (2020.4.29 撮影)

 がっかりしていたところ、近くで小鳥の鳴き声がしたので見ると、すぐそばの小さな木にコガラがやってきていた。持っていたカメラで数枚撮影したところで、ファインダーから姿が消えたが、見ると傍にいた妻が何気なく差し出した手の先に止まっていた。咄嗟に撮影したが、カメラは望遠になっていたので、写ったのは妻の手とコガラだけであった。


細い木の枝にとまるコガラ 1/2 (2020.4.29 撮影)


細い木の枝にとまるコガラ 2/2 (2020.4.29 撮影)


差し出した手に止まるコガラ (2020.4.29 撮影)

 コガラはすぐに飛び去って、近くの枝に移動したが、再び差し出した妻の手に又やってきて止まったのでツーショットの写真が撮れた。人懐っこさがあるとは思っていたが、思いがけず素晴らしいコガラとの記念写真になった。


再び差し出した手に止まるコガラ (2020.4.29 撮影)
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山野で見た鳥(5)コサメビタキ

2020-05-15 00:00:00 | 野鳥
 朝の散歩で出会う野鳥は私には名前が分からないものが結構いる。今回のこの鳥も、3回ほど出会い、都度撮影はして帰るのだが、今一つの写りで、自宅で写真と図鑑とを見比べながら、ああでもない、こうでもないと、なかなか種が同定できないでいた。

 その後、それまでに見かけたことのあるこの鳥が、頭上の枝に長い間止まってくれたことと、飛び立ってもすぐ近くの枝を行ったり来たりで逃げ去ることがなかったので、いろんな角度からの写真を撮ることができた。

 これらの写真を基に妻と図鑑で調べてみて、「コサメビタキ」ということで落ち着いた。

 外観だけ見ると、キビタキ♀にもとてもよく似ているが、下から見上げた時の嘴の色がこれらではもっと黒いはずであった。また、ニシオジロビタキも嘴がオレンジ色であるが、こちらは名前通り尾部の両側が白いので違っている。
 
 実は、はじめこの尾部の色がよく見えず、下嘴の色が橙黄色であることから「ニシオジロビタキ」かもしれないと、我が家で盛り上がったのであったが、残念ながらこちらはそう簡単にお目に掛かれる種ではなさそうである。

 コサメビタキにたどり着いたが、図鑑にも類似種として挙げられているくらいで、他にもよく似た種がいる。サメビタキとエゾビタキである。

 これらに詳しい人の見分け方を参考にしたが、決め手としたのは目の周辺の色、嘴の形状と下嘴の色であった。


コサメビタキ、エゾビタキ、サメビタキの見分け方(大阪南港野鳥園のHPを参考にして作成)
 
 いつもの「原色日本鳥類図鑑」(小林桂助著 1973年保育社発行)で「コサメビタキ」の項を見ておくと、次のようである。
 
  「【形態】  灰かっ色小型の地味な鳥。嘴峰9~11mm、翼長66~77mm、尾長42~53mm、跗蹠12~14mm。♂♀共上面灰かっ色で下面灰白色。胸、脇わずかに灰かっ色。嘴は扁平である。
 【生態】 我国には春季渡来し、低山帯や市街地の林縁の樹枝上に営巣する。各地に普通の鳥である。10月下旬ころ渡帰、冬期は中国南部・馬来諸島・印度支那半島などに渡る。
 【分布】 北海道・本州・四国・九州などで繁殖し伊豆七島・壱岐・対馬などにも渡来する。

 別の図鑑には「昔は東京都内でも繁殖していたが近年は見られない」との記述があり、近年飛来数が減少しているようである。

 以下写真を紹介するが、幼鳥のような印象のある鳥である。


コサメビタキ 1/12 (2020.4.25 撮影)


コサメビタキ 2/12 (2020.4.25 撮影)


コサメビタキ 3/12 (2020.4.23 撮影)


コサメビタキ 4/12 (2020.4.23 撮影)


コサメビタキ 5/12 (2020.4.25 撮影)


コサメビタキ 6/12 (2020.4.28 撮影)


コサメビタキ 7/12 (2020. 4.23 撮影)


コサメビタキ 8/12 (2020.4.25 撮影)


コサメビタキ 9/12 (2020.4.25 撮影)


コサメビタキ 10/12 (2020. 4.25 撮影)


コサメビタキ 11/12 (2020.4.23 撮影)


コサメビタキ 12/12 (2020. 4.25  撮影)

 漢字では「小鮫鶲」と書く。何故「鮫」という文字が入っているのか気になって調べてみたが、色の感じから使われたということのようで、詳しいことは判らなかった。
 
 雲場池周辺で繁殖しているようであり、もうすぐ幼鳥が見られるのではと期待している。
コメント
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