goo blog サービス終了のお知らせ 

軽井沢からの通信ときどき3D

移住して11年目に入りました、ここでの生活と自然を写真と動画で発信しています

雲場池の水鳥(7)ダイサギ

2021-04-23 00:00:00 | 野鳥
 今回はダイサギ。シラサギと総称される3種のうち最大のもので、よく似た種にチュウサギ、コサギがいる。

 雲場池でこの1年ほどの間に見かけたのは、このうちのダイサギだけである。チュウサギととてもよく似ていて、同定の特徴とされる嘴の色、足の色、眼先の色なども季節により変化するので判りづらい。写真から、口角が眼の後方まで伸びていると思えるので、ここではダイサギと判定した。

 このダイサギには2種の亜種がいるとされるが、ダイサギ(オオダイサギ)とチュウダイサギの2種を紹介している図鑑「日本の鳥550・水辺の鳥」(2000年 文一総合出版発行)もあれば、ダイサギだけの紹介で、チュウダイサギにはまったく触れていない図鑑「野鳥観察図鑑」(2005年 成美堂出版発行)もある。

 いつも参考にしているやや古い「原色日本鳥類図鑑」(小林桂助著 1973年保育者発行)ではチュウダイサギの方を主に取り上げ、ダイサギを亜種として分類しているので、ますます混乱するのである。

 「原色日本鳥類図鑑」のチュウダイサギの項を紹介すると、次のようである。
 「【形態】我国の白サギ中最大。嘴峰100~117mm.翼長337~394mm.尾長127~163mm.跗蹠136~165mm。
【生態】夏鳥として我国に渡来し近畿地方の御陵の森にはチュウサギ、コサギ、ゴイサギ、アマサギ、アオサギなどに混じって集団営巣するものが多い。営巣地から4km以上もはなれた海岸の干潟や広い田などにてえさをとる。飛行の翼動は緩慢である。本種は広く中国南部・馬来諸島・印度支那半島・印度・濠州などに分布し我国で繁殖した大部分のものは冬季これらの地方に渡去する。
【分布】本州・九州で繁殖し北海道・伊豆七島・四国・奄美大島などにも渡来する。
【亜種】ダイサギは一層大形(嘴峰109~138mm.翼長400~465mm.尾長140~185mm.跗蹠148~1215mm.)であり、我国には冬鳥として少数渡来するにすぎない。」

 一方、「日本の鳥550・水辺の鳥」のダイサギの項を見ると次の解説がある。
「日本では2亜種の記録があり、亜種ダイサギ(オオダイサギ)は西南シベリア以西のユーラシア大陸で繁殖し、日本には冬鳥として飛来。亜種チュウダイサギは夏鳥として本州・四国・九州で繁殖し、一部は越冬する。」

 こうした記述と、前記のような口角付近の特徴から、私が撮影したのは冬鳥のダイサギであろうと判断したのであった。

 ところで、シラサギというと姫路城の別名白鷺城をすぐに思い浮かべるが、私はそのほかに2つの出来事のことを懐かしく思いだす。

 ひとつは、小学生の頃の話であるが、当時住んでいた地域には白鷺公園と呼ばれている公園があった。夏によく「とりもち」を塗った竹竿を持ってセミ取りに出かけた場所で、シラサギが住みついていたという記憶はないが、体育の授業で時々この公園までマラソンをしていた。
 今、改めて地図を見ると小学校からの距離は600mほどで、記憶とはだいぶ違っている。当時は結構長い距離に感じたものであった。

 この小学校の同級生にA君がいた。家が一番近い友達であったので、よく一緒に野球をしたりして遊んだ。運動神経のとても優れた人で、野球もうまかったが、クラスでも一番足が速く、運動会では花形であった。
 
 恐らく5年生か6年生の頃のことと記憶しているが、そのA君は授業中に担任のY先生に注意されると、プイと教室を飛び出して、一目散に白鷺公園の方に向かって走り出すのであった。

 先生に言われて、数名の同級生と共に私も後を追いかけて同じように白鷺公園に向かって走り出す。A君を説得し、連れ帰るためである。ただA君は足が速いのでなかなか追いつかないのであった。こうしたことが何度か繰り返されていたので、今でも同窓会での語り草になっている。

 そのA君は中学校に進学してすぐに転校していったので、その後の消息は詳しくは知らないが、彼と親しかった同級生から聞いたところでは20歳を過ぎて間もなく病没したという。私の手元には法被・鉢巻き姿で地元の夏祭りの神輿を一緒に担いだ時の写真が残されているので、いつまでもそのままの姿で記憶に残っている。

 もう一つのシラサギ談はずっと後年になってからの1995年頃のもので、広島県三次市に単身赴任していた時のものである。

 三次市内の市街地から少し離れたところの道路沿いに、宗祐(むねすけ)池というため池があり、大きさは500mx200mほどの細長いものであった。この池の道路の対岸の林地に多くのシラサギなどが営巣していた。

 そのシラサギ(多分コサギ)の写真を撮りたくて、日曜日の早朝、池に接する道路脇でしばらく撮影をしていたところ、私同様単身赴任で三次に来ていた職場の同僚3人(F氏、T氏、O氏)が車で通りかかり、声をかけられた。彼らはどこかにドライブに出かけるところであったらしい。

 その時撮影した写真は、朝方で光量が十分でない時間帯だったこともあり、スローシャッターと手振れにより、まともなものではないが数百羽のシラサギが何かの拍子に一斉に飛び立つ様子が写っていて懐かしく、当時が思い出される。


広島県三次市にある宗祐池のシラサギの群れ(1995年頃撮影)

 その翌日だったか、職場でO氏と話をしていて、前日のことになったときに彼から、「朝早くからあんなところで池をじっと見つめていたので、自殺でもしようとしているのかと思ったよ!」と言われて、そんなふうに見えていたのかと、こちらが驚いてしまった。このO氏は私と同年であったが、すでに10年ほど前に亡くなっている。

 さて、シラサギにまつわるほろ苦い話題になったが、雲場池のシラサギは至って健康そのもの、元気である。

 昨年3月に2度、雲場池の脇を流れる精進場川に単独でいるところを見かけた。そして昨年秋から直近まで、冬鳥として渡ってきたのであろう、何度も雲場池で見かけるようになった。今年は8羽ほどの群れで来ることもあり、撮影のチャンスも数回あったので、飛翔している姿など、たくさんの写真を撮ることができた。これらを以下に紹介する。


雲場池脇の精進場川のダイサギ(2020.3.14 撮影)


雲場池のダイサギ(2020.11.9 撮影)

雲場池脇の精進場川のダイサギ(2020.12.14 撮影)

雲場池のダイサギ(2021.1.1 撮影)

雲場池のダイサギ(2021.1.6 撮影)

雲場池のダイサギ(2021.1.6 撮影)


雲場池のダイサギ(2021.1.6 撮影)

雲場池のダイサギ(2021.1.6 撮影)

雲場池のダイサギ(2021.1.10 撮影)


雲場池のダイサギ(2021.1.10 撮影)

雲場池のダイサギ(2021.1.10 撮影)

雲場池のダイサギ(2021.1.10 撮影)

雲場池のダイサギ(2021.1.10 撮影)


雲場池のダイサギ(2021.2.11 撮影)

雲場池のダイサギ(2021.1.6 撮影)


雲場池のダイサギ(2021.1.6 撮影)

雲場池のダイサギ(2021.2.11 撮影)
 
雲場池のダイサギ(2021.2.11 撮影)



 

 
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

雲場池の水鳥(6)キンクロハジロ

2021-02-26 00:00:00 | 野鳥
 今回はキンクロハジロ。名前に三つの色の名を持つ水鳥であり、雲場池では、マガモ、カルガモと並んで個体数の多い種である。マガモ、カルガモ、オオバンなどは、時には陸に上がって歩いているところを見かけるが、このキンクロハジロが歩いている姿は見たことがないので、苦手なんだろうと思う。

 一方、潜水は得意で、10秒以上もぐり、池の底を泳ぎ回り、かなり遠くにひょいと浮かんでくることが多い。こうした特徴から、カイツブリの仲間かと思っていたが、次に紹介するように、カモの仲間だという。

 いつもの「原色日本鳥類図鑑」(小林桂助著 1973年保育者発行)の記述を見ると、次のようである。

「中形のカモにて腹、脇及び翼鏡白くその他は黒。嘴峰38~42mm、翼長189~208mm、尾長49~57mm、跗蹠30~35mm、♂の頭頸部は紫黒色で後頭の羽毛長く冠羽をなす。♀は頭頸部黒かっ色、背、胸はかっ色を帯びる。嘴は青灰色。飛行時翼鏡の白色特に顕著。
 欧州およびアジアでは大体北緯40度以北で繁殖し、我国でも北海道には繁殖するものがある。冬期はアフリカ・フィリピン・印度にまで渡来するが我国では冬季も各地に見られる。湖沼、河口、入江などの比較的浅い所に群生し、巧みに潜水して魚や水底の貝類を食す。本州中部以北には年により夏期も少数残留するものがある。
 北海道(繁殖)・本州・伊豆七島・四国・九州・対馬・屋久島。に分布する」

 雲場池には5月下旬までいて北に戻っていったようであったが、10月には再びやってきて、マガモと並んで最も長期間見ることができる種である。
 期間が長く、個体数も多いので写真もたくさん撮ることができた。

 先ず♂の姿から。名前の由来の黒と白がはっきりしているのは♂の方である。名前にあるもう一つの色、「キン」は眼の虹彩が黄色いからだという。なるほどという感じがする。


雲場池のキンクロハジロ♂ (2020.5.13 撮影)

 横から見ると長めの冠羽がはっきりと見える。

雲場池のキンクロハジロ♂ (2020.5.13 撮影)

雲場池のキンクロハジロ♂ (2020.2.29 撮影)

雲場池のキンクロハジロ♂ (2020.1.12 撮影)


雲場池のキンクロハジロ♂ (2020.1.22 撮影)


雲場池のキンクロハジロ♂ (2020.3.22 撮影)


雲場池のキンクロハジロ♂ (2019.2.19 撮影)

雲場池のキンクロハジロ♂ (2020.5.13 撮影)

雲場池のキンクロハジロ♂ (2020.5.13 撮影)

 続いて♀。こちらは名前の由来となる「白」は見当たらない。

雲場池のキンクロハジロ♀ (2020.2.10 撮影)

雲場池のキンクロハジロ♀ (2020.2.21 撮影)

雲場池のキンクロハジロ♀ (2019.2.19 撮影)

 得意の潜水をするところ。10秒以上は潜っていて、少し離れたところに浮き上がる。餌は魚や貝とされているので、普段意識することはないが、雲場池にもそうした生き物が生息していることになる。



潜水して餌を探すキンクロハジロ♂ (2020.11.6 撮影)

 ♂ ♀ペアでいることも多い。

雲場池のキンクロハジロ♂・♀のペア (2020.3.22 撮影)


雲場池のキンクロハジロ♂・♀のペア (2020.3.17 撮影)

雲場池のキンクロハジロ♂・♀のペア (2020.2.3 撮影)

雲場池のキンクロハジロ♂・♀のペア (2019.2.19 撮影)

 最後は少し多めの群れになっているところ。


雲場池のキンクロハジロ (2020.10.27 撮影)

雲場池のキンクロハジロ (2020.11.3 撮影)

雲場池のキンクロハジロ とカルガモ(2020.10.27 撮影)

雲場池のキンクロハジロ (2020.10.27 撮影)

 このキンクロハジロたちは、5月中旬まで我々の目を楽しませてくれる。







 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

雲場池の水鳥(5)コガモ

2020-12-25 00:00:00 | 野鳥
 今回はコガモ。雲場池には稀に飛来しており、年初の2月に初めて撮影した。その後は姿を消してしまい全く見かけなくなっていたが、10月下旬になって、先に戻ってきていたマガモに混じって泳いでいるところを見かけた。

 数日後、今度は雲場池の最奥部の浅い流れの中で、カルガモ、マガモに混じって餌を探しているところに出会った。こうした写真を紹介する。

 いつもの「原色日本鳥類図鑑」(小林桂助著 1973年保育者発行)の記述を見ると、次のようである。

「最小形のカモ。嘴峰31~41mm、翼長160~194mm、尾長62~72mm、跗蹠27~30mm、♂は頭頸部栗茶色で眼の周囲から後頸に金属光沢がある暗緑色の幅の広い線がある。背と脇とには一面に白と黒との密な虫くい状はんがある。胸は黄かっ色で多数の黒色丸形はんがある。翼鏡は金属緑色。♀は上面黒かっ色で黄かっ色はんあり下面は白地に黒かっ色はんがある。
 欧州およびアジアの中北部で繁殖し、冬期はアフリカ・印度・セイロン島などに渡来する。我国では北海道と青森と日本アルプス(上高地)とで少数のものが繁殖することが知られているが、冬期渡来するものの多くはシベリア大陸より来る。冬期は、湖沼、沼沢地、海上などに大群をなして生息し狩猟のよい対象となる。
 北海道・本州で少数繁殖するほか冬期本州・八丈島・四国・九州・対馬・種子島・奄美大島・徳之島などに渡来する。」

 コガモの♀は小型のマガモといった感じでよく似ているが、嘴は細い。ただ翼鏡の色は緑色であり異なっている。♂の翼鏡も同様に緑色光沢がある。

 2月に見かけた時の様子は次のようであり、4羽ほどがマガモに混じり泳いでいた。

雲場池のコガモのペア (2020.2.22 撮影)

雲場池のコガモ♂ (2020.2.22 撮影)

雲場池のコガモ♂ (2020.2.22 撮影)

雲場池のコガモ♂(2020.2.22 撮影)

 この時いたコガモはプッツリと姿を消し、それ以後見かけることはなかった。そして次にコガモがやってきていることに気がついたのは10月下旬になってからであった。

 一足先にやってきたマガモに混じって、小型のカモがいることに気がついた。♀でマガモによく似ていたので、遠目に子供かもしれないと思っていたが、写真を見てコガモと確認した。コガモの特徴である翼鏡の緑色が見える個体もいる。

マガモと一緒に泳ぐコガモ♀ (2020.10.21 撮影)

雲場池のコガモ♀ (2020.10.21 撮影)

雲場池のコガモ♀ (2020.10.21 撮影)


雲場池のコガモ♀ (2020.10.21 撮影)

 その後、雲場池の上流の川の流れの中でマガモ、カルガモと共に餌を食べている姿を見る機会があった。この時は数メートルまで近寄ることができ、そこから撮影できた。

雲場池の上流の川の中でマガモの♀と共に餌を食べるコガモ♀(2020.11.6 撮影)

雲場池の上流の川の中で餌を食べるコガモ♀(2020.11.6 撮影)

雲場池の上流の川の中で餌を食べるコガモ♀(2020.11.6 撮影)

雲場池の上流の川で泳ぐコガモ♀(2020.11.6 撮影)

雲場池の上流の川で羽ばたくコガモ♀(2020.11.6 撮影)

 12月になって、ようやくコガモの♂の姿を遠くから目撃し撮影した。ただこの時は池の反対側に回り近くから撮影しようとしたが、警戒され遠く雲場池を離れて飛び立っていった。写真からは♂♀各3羽ほどが確認された。

雲場池に戻ってきたコガモ (2020.12.7 撮影)


雲場池に戻ってきたコガモ♀ とオオバン(2020.12.7 撮影)



コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

雲場池の水鳥(4)オオバン

2020-11-27 00:00:00 | 野鳥
 冬から春にかけて、雲場池で見ることができた種のひとつに今回紹介するオオバンがいる。灰黒色の体に白色のくちばし、そして額にはくちばしから続く額板と呼ばれる特異なものがつく。時々陸に上がっている姿を見かけたが、その時見る足の色は鉛色で、特異なひれが見られる。雌雄は同色。

 マガモ、コガモ、そしてキンクロハジロは秋になって10月下旬までには再び戻ってきているが、このオオバンの姿はなかなか見られなかった。それが11月下旬の朝出かけた時、多くのマガモに混じりようやく1羽の姿が見られた。これで年間を通じて、雲場池の水鳥たちが、いつやってきていつ去っていくかがわかってきた。

 さて、このオオバン、池面を泳いでいる姿は、なにかぎこちなく、マガモやカルガモなどは滑るように移動していくのであるが、このオオバンは首を前後に振りながら前に進んでいく。
 
 陸に上がったときの歩き方も、体に似合わない大きな足を持て余しているように感じる。カルガモやマガモの方がよほど歩き方が上手である。

 飛び立つところを見ることは稀だが、水面をかけるようにして飛び立つところを一度だけ撮影できた。

 このオオバンはいつもの「原色日本鳥類図鑑」(小林桂助著 1973年保育社発行)に次のように紹介されている。

 「クイナ科の中では大型。額板白色。嘴峰40~52mm、翼長194~220mm、尾長52~62mm、跗蹠36~52mm、頭頸部黒。背以下の上面、翼、尾は石板黒色で次列風切の先端に白色はんあり。下面灰黒色。嘴白色。脚暗青緑色。幼鳥は上面かっ色を帯び下面は淡色。
 広く欧亜大陸及び北アフリカに分布する。我国では北海道・本州中部以北(南限千葉県)で繁殖し冬期多くは中国南部・フィリピンなどに渡るが本州中部以南には冬季も少数滞留する。広い湖沼に生息し遊泳は巧みである。」

 雲場池では、入り口にある小さい池にいることも多く、大きい方の池との間を徒歩で行ったり来たりしている姿をよく見かけた。潜水は得意なようで、大きな水かきのある足が役立っているようである。

 よく似た種の「バン」はくちばしが赤く、オオバンとの区別は容易である。バンの姿はラウンドアバウトから雲場池に通じる道路沿いの別荘地内で一度だけ見かけたことがあるが、雲場池で見ることはなかった。

 以下、雲場池で撮影した写真を紹介する。


雲場池を泳ぐオオバン(2020.1.24 撮影)

雲場池の縁でマガモのペアと一緒のオオバン(2020.1.24 撮影)

マガモ♂とすれ違うオオバン(2020.2.9 撮影)


カルガモとオオバン(2020.2.25 撮影)

小雪の降る中の2羽のオオバン(2020.3.17 撮影)

雲場池のオオバン 1/4(2020.3.11 撮影)

雲場池のオオバン 2/4(2020.3.5 撮影)

雲場池のオオバン 3/4(2020.2.22 撮影)

雲場池のオオバン 4/4(2020.2.22 撮影)

 潜水は得意なようである。次はその連写画像。
 
潜水するオオバン(2020.3.17 撮影)

飛び立つ2羽のオオバン(2020.3.14 撮影)

 雲場池の入り口にある小さい池と雲場池との間は歩いて行き来していて、時々その姿が見られた。体には不釣り合いに見える大きめの足には独特の形をした水かきが見える。

歩くオオバン(2020.1.26 撮影)


歩いて雲場池に向かうオオバン(2020.1.22 撮影)

 冒頭紹介したように、夏の間姿を消していたオオバンは、マガモ、キンクロハジロに遅れること1ヶ月余、11月下旬にようやく姿を見せた。

秋になり戻ってきたオオバン(2020.11.24 撮影)
 
マガモと共に泳ぐオオバン(2020.11.24 撮影)

 今日、原稿を書き終わって投稿予約をして準備をしていたところ、ヤフーのホームページに「あなたにおすすめの商品」ということで、今回のテーマの「オオバン」のぬいぐるみが登場した。

 そのページの写真は次のようなもので、余りのタイミングの良さに驚いたが、さしものAIも公開前の情報は得られないであろうから、偶然の一致というところであろう。

 それにしても「オオバン」がこれほど親しまれているとは思わなかった。意外な発見である。





コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

山野で見た鳥(6)キジ

2020-11-20 00:00:00 | 野鳥
 今回はキジ。いわずと知れた日本の国鳥である(1947年指定)。姿が美しく、軽井沢でも見かける機会が多い。また、遠くにいて姿が見えなくても鳴き声でそれと知れるので、キジがいると認識することができる。

 「原色日本鳥類図鑑」(小林桂助著 1973年保育社発行)には次のように記されている。
 「形態 尾長く♂は頸側、胸側、下面全体金属緑黒色で美麗。♀は♂に比し小さい。嘴峰♂29~36mm、♀25~31mm、翼長♂215~245mm、♀195~207mm、尾長♂270~425mm、♀202~275mm、跗蹠♂64~73mm、♀55~64mm、♂は眼の周囲の皮膚裸出して赤色。後頭の両側には金属緑黒色の飾羽がある。背には栗色、黄色などの複雑な模様があり、雨覆、腰、上尾筒は灰青色で上尾筒の羽毛は分岐して房状となる。尾は暗緑色で黒色帯状のはん点があり羽縁は細く分岐して紫かっ色である。♀は全体黄かっ色で一面に黒かっ色はんがある。
 本州・四国・九州及びその属島に分布するキジは下記の4亜種に分かたれているが、どれも類似しており、大陸産の亜種(コウライキジ)のように♂には白色の頸輪がなく日本特産の亜種である。
 ・キ タ キ ジ・・・本州北部(新潟県・福島県以北)及び佐渡
 ・キ     ジ・・・本州中西部及び四国
 ・キユウシユウキジ・・・九州及び本州西部(山口県)
 ・シ マ キ ジ・・・本州南部(三浦半島・伊豆半島・紀伊半島)・伊豆七島
            (大島・新島)・種子島・屋久島
 なおコウライキジは元来朝鮮産であるが1750年ごろ朝鮮から輸入され現在対馬に多数増殖している。また1920年ごろから本州・九州にも放鳥され土着のキジと雑交したが雑種は繁殖力弱く現在ではほとんど跡を絶ってしまった。北海道にはキジが生息していないので放鳥されたものはよく繁殖し、特に日高地方では農耕地や草原に多数増殖している。」

 これによると軽井沢で見られる種はキジと考えてよいであろう。以下紹介する写真で見ても、本の説明のとおり背から尾にかけての色は複雑でなかなか美しい。

 国鳥に指定されている一方で、肉は美味とされ食用であり、狩猟対象ともなっていて、毎年、愛鳥週間や狩猟期間前などの時期に大量に養殖キジが放鳥されている。
 2004年(平成16年)度には全国で約10万羽が放鳥され、約半数が鳥獣保護区・休猟区へ、残る半数が可猟区域に放たれているという。
 放鳥キジには足環が付いており、狩猟で捕獲された場合は報告する仕組みになっているが、捕獲報告は各都道府県ともに数羽程度で、一般的に養殖キジのほとんどが動物やワシ類などに捕食されていると考えられているとのこと。

 今年、軽井沢で最初にキジ♂を見かけたのは雲場池を散歩しているときで、遊歩道横の別荘地内の流れのそばで水を飲んでいた。この時は、しばらく水を飲んだ後、ゆっくりと別荘地の林の中に消えていった。

 その後、もう一度見かけているので、その時の写真も載せておく。

別荘地内の流れで水を飲むキジ♂ 1/2(2020.3.23 撮影)

別荘地内の流れで水を飲むキジ♂ 2/2(2020.3.23 撮影)

別荘地の林の中に歩き去るキジ♂(2020.3.23 撮影)


雲場池横の別荘地内で見かけたキジ♂ (2020.4.16 撮影)

 次の写真は南軽井沢に広がる畑地の中の農道を車で走っていてキジの親子を見かけたときのもので、車を止めて撮影した。

 雌雄2羽の親鳥と共にすぐそばに2羽の子どもが見られた。

南軽井沢の畑地で見かけたキジの♂(左)と♀(右) (2020.6.24 撮影)

南軽井沢の畑地で見かけた2羽のキジの子ども(2020.6.24 撮影)

 この時は、上掲の親子のいた場所とは農道の反対側にも、別の1羽の♂キジがいた。車で近寄り窓から撮影したのが次の写真である。

南軽井沢の畑地で見かけたキジ♂1/4(2020.6.24 撮影)

南軽井沢の畑地で見かけたキジ♂2/4(2020.6.24 撮影)

南軽井沢の畑地で見かけたキジ♂3/4(2020.6.24 撮影)

南軽井沢の畑地で見かけたキジ♂4/4(2020.6.24 撮影)

 冒頭、このキジの鳴き声について書いたが、「ケーン」と響きわたるこの鳴き声は繁殖期の♂のものとされる。

 この鳴き声についてはずいぶん前にTVで見た「まんが日本昔話」の「キジも鳴かずば」の話を思い出す。
 貧しい父娘の話だが、ある時父親が、食べ物をろくに食べることが出来ない貧しい暮らしの中、病に倒れた娘を不憫に思い、ひと掬いのコメと一握りのアズキを地主の蔵から盗んで「アズキマンマ」をつくり娘に食べさせた。
 しばらくして、元気になった娘はそのことをてまり歌にして「アズキマンマ」を食べたと口ずさむ。これが村人に聞きとがめられて、川が氾濫した災害時に父親が捕えられて人柱にされてしまう。悲しんだ娘はそれ以降口を閉ざし、一言もはなさなくなってしまう。
 そうしたある時、「ケーン」と鳴いたキジが猟師に撃たれるという出来事が娘の目の前で起きる。娘はそのキジを抱いて「キジよ、お前も鳴かなければ撃たれることもなかったのに」とつぶやく・・・といった話であった。

 「キジも鳴かずば撃たれまい」というこの諺の基になった話は、長野県の民話だということで、調べてみると、信州新町を流れる犀川のほとりにある「奈津女公園」には、この民話にちなんだ娘のブロンズ像が建てられていることがわかった。

 コロナ禍で、外出する機会も少なくなっているので、先日思い立って現地に出かけてきた。軽井沢からは高速道路に乗り更埴ICで下りるルートで約1時間半で現地に着く。

 途中立ち寄った「道の駅」で案内地図を確認したところ、目指す「奈津女橋」は国道19号線に平行して流れる犀川を横切る橋と描かれていたので、その地図を写真に撮り、そのつもりで車を走らせていた。現地近くまで来て赤信号で止まった時、何気なく道路の右側を見ると、そこにブロンズ像が見えた。これが目指す「キジも鳴かずば」の像であった。

 確かめると橋はあったが、犀川の細い支流にかかる橋で、危うく見過ごしてしまうところであった。すぐ左側の河原にある駐車場に車を止めて公園に向かった。

 ちなみに、帰路すぐ近くにある信州新町美術館で入手した信州新町の地図と、道の駅に掲示されていた地図(北が下に描かれている)を次に示す。もし現地に行かれるのであれば、参考にしていただきたい。


信州新町ウォーキングMAPから


道の駅に掲示されていた信州新町地図

 ブロンズ像の少女は死んだキジを両手で抱き、泣いているように見える。台の前面には「雉子も鳴かずば」との文字が刻まれているが、それ以外にはこの像の由来を示すものは何もなく、意外な感じを受けた。信州新町美術館で入手した「信州新町ウォーキングMAP」にはこのブロンズ像は、上の写真の通り「お菊の像」として紹介されていた。

 像の後ろに回ると、製作 寄贈 宮尾応栄、ブロンズ寄贈 黒岩峯雄 と記されたプレートが埋められている。

 奈津女公園はとても小さく、この娘のブロンズ像の横には「母さんの歌」の碑と羊の像が設置されていた。

 現地で撮影した写真は次のようである。

「雉子も鳴かずば」のブロンズ像のある奈津女公園風景(2020.11.11 撮影)


「雉子も鳴かずば」のブロンズ像 1/5(2020.11.11 撮影)

「雉子も鳴かずば」のブロンズ像2/5(2020.11.11 撮影)

「雉子も鳴かずば」のブロンズ像 3/5(2020.11.11 撮影)

「雉子も鳴かずば」のブロンズ像 4/5(2020.11.11 撮影)


「雉子も鳴かずば」のブロンズ像 5/5(2020.11.11 撮影)

ブロンズ像の台に刻まれた文字(2020.11.11. 撮影)

ブロンズ像の台の裏側に刻まれた寄贈者と制作者名(2020.11.11. 撮影)

ブロンズ像の3D画像・交差法(2020.11.11. 撮影)


ブロンズ像の3D画像・平行法(2020.11.11. 撮影)

 この少女の像の背後に回ると、ブロンズ像の前には今は穏やかな犀川の流れが見えた。

「雉子も鳴かずば」のブロンズ像 と犀川の流れ(2020.11.11 撮影)

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする