ダムの訪問記

全国のダムと溜池の訪問記です。
主としてダムや溜池の由来や建設の経緯、目的について記述しています。

高浜ダム

2019-07-21 23:19:51 | 長崎県
2019年7月12日 高浜ダム
 
高浜ダムは長崎半島南端近くの長崎市高浜町の江川にある長崎県土木部が管理する多目的重力式コンクリートダムです。
建設省(国交省)の補助を受けて建設された補助多目的ダムで、江川のほか支流の山川川からも導水しており両河川の洪水調節、安定した河川流量の維持と既得取水権への用水補給、高浜地区への上水道用水の供給を目的として2007年(平成19年)に竣工しました。
 
長崎市高浜町の国道499号から江川沿いを東に折れると高浜ダムが見えてきます。
自由越流式クレストゲート1門、自然調節式オリフィスゲート1門のゲートレスダムです。
 
ダム周辺が公園になっており駐車スペースとベンチ、東屋が置かれています。
減勢工まで下りられます。
 
車で左岸ダムサイトまで上がります。
堤頂部の襟がなく高欄からバケットカーブが続きます。
平成時代の小規模ダムでは時折見られます。
 
オリフィスゲートはクレストゲート導流部に穴があけられており直上にデフレクターがあります。
ダムカードの解説では常用洪水吐(オリフィスゲート)は長崎県営ダムで最も小さいとのこと。
 
竣工記念碑はありませんが、定礎碑が金箔仕様。
 
右岸上流面に巡視艇用の浮桟橋があります。
 
洪水吐導流部と減勢工。
 
見た目にも小さなダム湖は総貯水容量18万7000立米と小規模の溜池サイズ。
歩いて一周しても15分もかかりません。
またダム湖上流に支流の山川川からの導水設備があります。
 
天端は車止めがあり車両は進入できません
対岸は管理事務所。
 
上流から
右から取水設備、洪水吐、水位計測設備。
 
このサイズなのでてっきり生活貯水池事業で建設されたのかと思いましたがそうではありませんでした。
また帰宅後確認したら山川川からの分水施設の写真を撮り忘れているのに気づきました。
此れはしたり
 
(追記)
高浜ダムには洪水調節容量が配分されていますが、治水協定により台風等の襲来に備え事前放流を行うための予備放流容量が配分されました。  
 
3051 高浜ダム(1475) 
長崎県長崎市高浜町
江川水系江川
FNW
35メートル
105.5メートル
187千㎥/179千㎥
長崎県土木部
2007年
◎治水協定が締結されたダム

黒浜ダム

2019-07-21 17:51:54 | 長崎県
2019年7月12日 黒浜ダム
 
黒浜ダムは長崎半島南西部の長崎市黒浜町の黒浜川にある長崎県土木部が管理する治水目的の重力式コンクリートダムです。
建設省(国交省)の補助を受けて建設された補助治水ダムで、黒浜川の洪水調節、安定した河川流量の維持による東部簡易水道への補給を目的に1983年(昭和58年)に竣工しました。
 
長崎市黒浜町の国道499号線に黒浜ダムを示す標識があり、これに従えばダムに到着します。
ダム下に小さな公園がありここから歩いてダム下に行けます。
自由越流式クレストゲートが1門、自然調節式オリフィスゲート1門のゲートレスダムでオリフィスから放流しています。
 
車でダムサイトまで上がります。
右岸の管理事務所。
事務所前にダムの説明板がありますが字が剥げて真っ白、全く読めません。
 
ダム下の様子
手前は放流設備、右手は黒浜上水道のへの配水設備。
ダムには上水道用水容量の設定はなくが既得取水権としての補給になります。
 
減勢工と副ダム。
 
ダム下の建屋
手前は放流設備、奥は黒浜浄水場への配水設備。
 
総貯水容量30万立米の小さなダム湖。
 
長崎県のダムでは総じて貯水池の富栄養化が進んでいるようでどこも青や緑色の水となっています。
水質保持のための曝気装置と噴水。
 
下流面。
 
天端は車両通行可。
 
親柱に填め込まれた銅版の諸元表。
 
ダム建設に合わせてダム下の公園やダム湖を周回する遊歩道などが整備されたようですが、はかなり荒れています。
ま、どこでもよく見る光景です。
 
(追記)
黒浜ダムには洪水調節容量が配分されていますが、治水協定により台風等の襲来に備え事前放流を行うための予備放流容量が配分されました。  

2629 黒浜ダム(1474) 
長崎県長崎市黒浜町
黒浜川水系黒浜川
FN
300千㎥/275千㎥
28.6メートル
93メートル
長崎県土木部
1983年
◎治水協定が締結されたダム

永池ダム(再)

2019-07-21 03:22:45 | 佐賀県
2019年7月11日 永池ダム(再)
 
永池ダム(再)は佐賀県武雄市北方町大渡の六角川水系経堂入江川源流にある防災・灌漑目的のアースフィルダムです。
経堂入江川には古くから永池上中下の3連の溜池があり六角川南岸の武雄市北方町や白石町の貴重な灌漑用水源となっていましたが、洪水による農地被災も多く、抜本的な治水対策が求められていました。
1988年(昭和63年)に佐賀県は農水省の補助を受けた防災ダム事業として永池上池の再開発に着手、1996年(平成8年)に永池ダム(再)が竣工しました。
同事業では既存の永池上池堤体下流側に新たに堤体を盛り立てて堤高を17メートルから34.8メートルに嵩上げし、灌漑用水容量に加えに洪水調節容量を追加しました。
管理は引き続き杵島土地改良区が受託していましたが、その後の土地改良区統合により現在は白石土地改良区が引き継いでいます。
永池下池・永池中池・永池ダム(再)合わせて1707ヘクタールへの農地に灌漑用水を供給するほか、下流域93ヘクタールの農地を洪水被害から守っています。
 
ダム下へ通じる道路もありますがかなり荒れたダートのため今回はパスしました。
また盛夏の訪問のため堤体は草木が伸び下流面全体を纏めて撮ることができません。
 
総貯水容量60万8000立米の貯水池。
 
左岸に洪水吐があります。
 
天端は車道。
 
左岸の洪水吐斜水路とダム下の様子。
右手に放流設備が見えます。
 
左岸の横越流式洪水吐。
 
洪水吐と上流面。
 
金箔仕様の竣工記念碑。
池の由来や再開発事業の経緯が書かれています。
 
上流面はロック材で護岸。
 
洪水吐を遠望。
 
既存の灌漑用ため池を再開発して農地防災ダム化した例としては北海道の杵臼ダム(再)があります。
 
永池ダム(元) 
佐賀県武雄市北方町大渡
六角川水系経堂入江川
17メートル
130メートル
381千㎥/381千㎥
----年
----------------
3278 永池ダム(再)(1473)
佐賀県武雄市北方町大渡
六角川水系経堂入江川
FA
34.8メートル
123.3メートル
608千㎥/602千㎥
白石土地改良区
1996年