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寝転がって気ままに想う事

 世の中ってこんなもんです・・
面白可笑しくお喋りをしましょうか ^^

役員の憂慮(8)

2010年10月25日 09時17分15秒 | 日記
じっと念じて何が起こるのでしょうか?
山本深雪さんが目の前に現れるのでしょうか(笑)
残念!
しかし円山本部長の祈りは通じたのです。
それは円山本部長が静かに目を見開いた時でした。
遠くにぼんやりと明かりが差していました。
円山本部長は狭い街道を歩いていたのでした。
明かりを目標に歩いて行くとバスの停留所がありました。
『はは~ん、このバスに乗るんだな』バス停の時刻表によるとまもなくバスが来る時間でした。
円山本部長は迷う事無く来たバスに乗りました。
『乗ったはいいけど何処でおりるのかな』
バスには円山本部長の他にはおばあさんが一人いるだけでした。
バスは田舎の細い道を縫うように進みながら少しずつ山の方へと上がって行きます。両脇には杉の見事な林が現れ初めています。三十分も揺られていたでしょうか、運転手が終点を告げるアナウンスを繰り返しています。
おばあさんがが降りる仕度を始めています。
そね姿を見て円山本部長も慌てて降り仕度をしました。…と言いましても小さなリッユックが一つの身軽な軽装でしたから、小銭を用意するだけでした(笑)
バスは山の中ほどにある小さな集落の入口で止まりました。
周りには杉や檜の林に囲まれた山村みたいです。
料金を支払って円山本部長は降りました。
先のおばあさんがさっさと村の中に歩いて行きますが、さっぱりあてのない円山本部長は呆然と立ちすくむだけでした。(笑) 『お客さん』
バスから声がしました。
振り返ってみるとバスの運転手です。
『あんた冨田屋に行くんかね』
『?…』訛りのある言葉に躊躇していると『富田屋ならこの先だよ』
運転手が窓から顔を覗かせて指を指しました。
その方向は村の反対側に向かってなだらかな山道が続いていましたが鬱蒼と茂る樫の森で先の方が見えていません。
円山本部長は…
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2010-10-23 15:26:26

2010年10月23日 15時26分26秒 | 日記
土日はお休みです
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役員の憂慮(7)

2010年10月22日 07時33分23秒 | 日記
円山本部長ははたと気が付きました。
『俺には深雪がいるじゃあないか』 こうして傷ついた心を癒せるのも深雪が気を使ってくれたからこそでした。
『深雪…深雪…』 円山本部長は念じました。
深雪…そうです。前に京都で深い愛を育んだ愛しの山本さんでした。訳あって別れてしまいましたが今でも円山本部長に危機が訪れると何処からともなく助けの手を差し延べてくれるのです。
今回のリフレッシュ休暇も深雪さんのアドバイスでした。円山本部長にピンチが来ると天の声のように深雪の声がするのです。それは困った時に限りますが実に適格なアドバイスでした。これでどれだけ窮地を脱して来た事でしょう。
心を落ち着いて考えると円山本部長は無性に深雪の顔が見たくなりました。
『私に会いたくなったら心の中で念じて下さい。』
円山本部長は深雪の顔を思い出して強く念じました。
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役員の憂慮(6)

2010年10月21日 09時24分30秒 | 日記
円山本部長の影の理解者とでも言いますか、山本さんは遠く和歌山の修験者として円山本部長を支えていました。
今回の円山本部長のピンチを知ると (彼女には超能力があります)直ぐさまアドバイスを送ったのでした。
…会社には三十年勤めるとリフレッシュ休憩を取る権利が発生します。 一週間ですが、ちょうど円山本部長の頭を冷やすには絶好でした。
一週間円山本部長は一人旅に出たのでした。見知らぬ田舎をのんびりと旅をしながら民宿を泊り歩きました。
季節は秋でした… 山々には紅葉が始まり円山本部長の傷ついた心を癒しました。
山の中にある民宿はどこも素朴で里山の風情を感じさせていました。
【寂しさに宿を立ちい出眺めれば何処も同じ秋の夕暮れ…】
侘び寂び(わびさび)の世界は一見寂しげに思うものでしょうが今の円山本部長には疲れ切った身体や心を癒すには充分でした。
『酒が呑めない体質の悩みや、ややこしい人間関係をうまく乗り切ろうとしてかなり無理をしていたなぁ…』
ここまで順調に出世してきたエリートに大きな試練が立ちはだかっていたのでした。
『背伸びしたって身の程があるよなぁ』
あと一息で重役の地位まで来られたのは自分の力?
自問しながら自分の歩んで来た道を振り返って見て、 『じゃあこれからは…』
自分の未来像が見えてきませんでした。
『どうしたって食べるだけならなんとかなるか♪』
自棄っぱちじゃあなくて真からそう考えてみました。 すると今まで両肩にのし掛かっていた重圧が一遍に軽くなりました。
そうだ!
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役員の憂慮(5)

2010年10月20日 09時45分42秒 | 日記
弟みたいに思っていた円山本部長に思わず罵声を浴びせてしまい、それが元で円山本部長は荒れに荒れました。
『お前なんか辞めてしまえ!』
あの時高辻役員は仕事やプライベートなどで相当ストレスが溜まっていたのでした。そこへチンタラ♪している円山本部長を見たのでした。
どちらか言うと穏健派の高辻役員ですが、虫の居所が悪かったのでしょう… あまりの罵声に本人は元より周りの社員までも呆気にとられました。
『しまった!』…高辻役員が気付いた時には既に会議室は氷の世界と化していました(笑)
あれ以来…円山本部長は自棄っぱちの状態でした。
兄貴分であり自棄っぱちにさせた張本人の高辻役員は何とかいつもの円山本部長に戻そうと苦慮しました。 …『しかしこっちから折れる訳にはいかないしなぁ』 さすがの高辻役員も今更円山本部長に頭を下げるのは気が引けました。 第一それではこっちの立場が無くなるし…
和解じゃあないがなんとか水に流して『やっぱりお前が必要なんだよ』 とシャンシャン♪と手打ちをしたかったのです。

円山本部長が一週間のリフレッシュ休憩を取ったのはちょうどその頃でした。
元々ガリガリ働くよりはのんびりマイペースがこの方の身上でした。
それは大学院の時代に現れていました。 のんびり派で人から強要されるのが嫌いなタイプでした。 従って周りがガリガリ亡者みたいに勉強に勤しむ姿を横目に遊びほうけていたのは一種の反骨精神でした。
その結果が二年の留年でした。(笑) 天才肌の円山君は気分が乗らないと全く才能を発揮させることがありません(笑)
困ったことにこの時期も同じ症状がでたのです。
兄貴分とも慕っていた高辻役員からの罵声、しかも皆がいた会議中でしたから円山本部長の面目は丸潰れでした。
…この人からして面目よりも信頼を失った事の方が大きかったのかも知れません。
天才肌にあるもろさ、なのでしょうか。
自棄っぱちになる自分の姿に嫌気がさして本当は辞めてしまうつもりでした。
そこへ例の彼女からの手助けが舞い降りて来たのでした。(八月の無くしたリング参照…)
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