
先日の灘大学の講義に感化された我々は、とうとう万年筆をお買い上げすることになった。

その昔、何かの入学祝いで頂いたような気がする。だがしかし、当時大人でなかった者にとってみれば少々重たいものであった。

Kobe INK物語と出会い、その開発担当の方とご縁ができ、万年筆に愛着が沸いた我々は、今日ここに「万年」に始まる「初日」を迎えることが出来たのである。

まずはペンの太さに悩み、細字と中字の書き味の違い、男女の使用感の違い、アルファベット文化と漢字文化の違いなどを教えていただいた。

我々が選んだのはプラチナ万年筆とナガサワ文具センターのコラボ商品で、プラチナ万年筆の主力商品である#3776の富士山のイメージデザインと一緒に神戸と言えばの風見鶏が象徴的に刻印されている。

安価な万年筆はペン先が鉄製に金メッキまたは樹脂塗装となるらしいが、このペンは1万円を超えるだけあって14Kを使用しているとか。海外製でペン先が金のものは3万円くらいするというから、国内産の方がお得なのかもね。何よりも日本人が日本人の手に馴染むように作っているのだから、平均的な日本人の体躯しか持ち合わせてない我々には日本製品の方が手馴染みが良いはずである。ちなみに、某サイトによると『ペン先に金を使うのは、インクが酸性で鉄のペン先を錆びさせるからである。そこで酸に強い金やステンレススチールがペン先に使われる』のだとか。

あと、購入するにこだわったのは中のインクの状態が見えるスケルトンであるということ。少年の頃に手にした中身の見えない重厚感からの逃避もあるのかも知れない。理由はどうであれ、男の子が好きそうな機械的な美しさみたいなものがこのペンには宿っているような気がして素敵である。

いざ、ペンにインクを入れる。いやインクの入れ方もわからなかった我々は店頭でインクの入れ方、洗浄の仕方なども教えていただく。何よりも染料インクである「Kobe INK物語」を使うことへの安心感もあって、そこのところへの不安はあまりない。

本当は「水道筋マルシェブルー」「甲南マルーン」「青谷カスケードグリーン」のいずれかの色が欲しかったのだけれども、いずれも欠品中ということで、これも担当氏にいろいろ話を聞いていただき、栄町インディゴという味わいのあるブルーにすることになった。

インクつぼの蓋についた色はこんな感じ。

書くとこんな感じ。でも色合いは写真よりも実物の方が数段良い色なのである。気に入った!!

梅田茶屋町のチャスカ内にあるナガサワ文具センターは従来からあった文房具スペースのほとんどを万年筆コーナーにリニューアルしたばかりらしくケイタイの画面が拭けるクリーナーをいただき、また、当該万年筆も最近売り出されたばかりの新商品らしく、その記念に1800円相当のペンケースがセットに付いてきた。ペンケースは何てったって万年筆が痛まないし、いや、それだけでなく、普段の持ち歩きのときのペン先の向きとかいろいろな注意事項なども教えてもらって実に幸せな時間を過ごすことができたと思う。そんな今日は「万年筆元年」の「初日」なのであった。
ナガサワオリジナル万年筆
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