「いつか雨の日に摩耶さんへ!」って願ってたら、いい感じの曇天になったので、午前中の用事を終わらせた私は急ぎ摩耶ケーブルに向かった。
ケーブルで山を登り、虹の駅に到着する。今、登ってきた線路の先が既に見えない。そういえば、途中雲の中のような薄い霧の間を抜けてきたよう気がする。
虹の駅に降り立ってみて、視界がすごくボヤーっとしているのを感じた。やっぱここはもう雲の中何だなあと確信した。
ロープウェイの虹の駅から頂上方面を望むと、ロープのすぐ先が全然見えない!「そう!こんな感じ!!」と思いながらロープウェイを待つ。たった10分前までロープウェイは強風のため運行を中止していて、つい先ほど運転を再開したばかりなのである。
こんな相当悪い天気にケーブルやロープウェイを乗りに行くことなんて滅多に無い!今までは雨の日に乗りに行きたいと思うことはあっても、わざわざ本当に乗りに来ることなんて出来なかったのだけど、年間パスポートのおかげでようやく念願が叶ったのである。しかもほぼ貸切状態!我々のほかに学生風のカップルが一組だけ乗り合わせているだけなのである。彼らは、あいにくの景色で残念そうだったけどね。
雪山ではないので普段見える景色は一面緑黄色の地面なのだけど、今は全くもって視界前部が霧中なのだ!
途中すれ違ったゴンドラも、
瞬く間の霧の彼方に消えていく。
空も地面もなく、そこには雲しかない。
摩耶山上の星の駅に近づくと木々が見え始め
星の駅に到着。ケーブル接続の虹の駅とは白さの度合いが全然違うのであった。
駅を出ると、まだ昼間なのにくらーい感じで、
休日の観光地とは思えないほどに誰もいない・・・
掬星台から見下ろす、景色も真っ白で・・・
すぐ隣の展望台すら見えない。こういうところで殺人事件に巻きこまれても誰にも見つけられないなあと思った。
展望台の黒い屋根をバックにしばらく目を凝らすと、かなり早い速度で白い霧が右から左へ、左から右へひっきりなしに流れているのがわかる。自宅から摩耶山系を見上げたときに見える、アノ山肌に沿う雲たちは、ものすごくゆっくりと漂っているのだけど、実際はこのくらいの早いスピードで流れているのだろうなあと思った。「私は雲の中にいるのである!」そのリアルな感触が今とても心地いいのである。
掬星台から少しだけバス道を歩いてみることにした。来るはずもない客を待つ阪急六甲行きのバス。
かなり至近距離になるまで、街灯の灯りに水分がまとわりついているのがわかる。雲が深いところだと街灯の灯りはこういう輝き方をするのだなあと感心した。
バスのヘッドランプもまた幻想的な光を帯びていた。
また少し風が出てきたので、ロープウェイが止まる前に山を降りることにした。こういう日の日没までの変化は急激で、わずか5~10分の間ですぐに夜の帳がおりてくるのだ。
ケーブル乗り換えの虹の駅に着いたころにはだいぶんと暗くなっていて、ケーブル駅とロープウェイ駅を結ぶ連絡小道のイルミネーションは怪しい色彩で輝いていた。
それはまるで人里離れた田舎の場末の唯一の歓楽街の様相を呈していてどことなく切ない風景に見えた。このイルミネーション、いくら赤字だからと言ってもう少し何とかならないものかなあとも思う。
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