書店で手にとって最初の10ページ読んでみて面白かったのだけど、その日は購入せずに購入せずに書店を立ち去る。その後、数日たって何店かの書店をめぐる機会があって、書籍名も著者名もわからないまま探してみてはみたもののなかなか見つからず、そうなってくると何だかもう書いてくなってきてしまって、とうとう見つけた近所の本屋で即買い。はて、首藤瓜於って誰だ?下の名前何て読むんだ?ってところから始まる。
以下、ネタバレあり注意
最初の10ページからしばらく読み始めると、この本を購入したことに若干後悔する。何故ならば、司法解剖の様子が延々と綴られるのだが、これがなかなかエグイのである。元々主人公が鑑識課の警官ということもあってか、その手の描写が目を引く感じである。
いやあ何だろうね。。。帯の謳い文句に惹かれて買ってみたものの、今回ばかりは間違ったかなって感じだった。ちなみに、帯にはこんな文句が踊っている。
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他に誰も書けない首藤ワールド全開で亜空間に読者を誘うスタイリッシュで
ファンタスティックな超絶ミステリー警察小説の新たな扉を開ける衝撃のラスト1行
講談社創業100周年記念出版
所轄の盗犯刑事から県警本部に引き上げられた若き警部・八神。畑違いの鑑識課で
百戦錬磨のベテラン班員を率いて結果を残していく。ミスさえ犯さなければ昇進を
約束されていたはずの八神だったが、ある現場に臨場したことで突然その歯車が
狂いはじめた――「俺は組織から切り捨てられるのか」
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そんな風に書いているから、そういう物語なのかと思えば、しかしそうではない感じで物語が進んで行く。一体俺は誰に感情移入させながら読んで行けばいいのか?皆目検討が付かない。前半で展開される小粒の事件が後半での大きなカギになるのかと言えば、そうではなくて、中盤で示された警察内部の誤認捜査がラストで重大な意味を曝すのかと思えば、それもそんなことはなく、主人公の父親の不可解な自殺や彼を昇進に導いた曰くつきの上司の挙動の裏が最後に暴かれるのかと言えば、全然そんなことはなくって、謎は謎のままで見過ごされ、渦中の犯人は結局闇のまま葬られ、主人公のその後の末路も示されず、なおかつ、途中で物語は破たんしたまま軌道修正されることもなく終わってしまった。ある意味、「衝撃のラスト1行」だった。本当に、え??これで終わりみたいな感じで「警察小説の新たな扉を開け」てしまった感がある。あまりいい意味ではなくて。
「感動大作」や「超絶巨編」などという売り言葉に飽きてしまったという人にはお勧めの一冊。いい感じに背筋がひんやりしてくるよ。久々におすすめできなささ加減という点でおすすめ。
ちょいと手にとってみてくだされ → 刑事のはらわた
京都ヨドバシにお越しの節は、是非みわくにも顔を出してね。
ははは、たまにはみわくにもお邪魔しなきゃね♪
結局まだ、一回しかお邪魔してないっす。。。