いやあ、最高に面白いエンターテイメントであった。
ネタバレをしてしまうには勿体ない代物である。
削るところは潔く削り、残すところは徹底的にこだわった作品。
そして、スクリーンが涙で滲む衝撃の展開。
見終わった後、グッズ売り場に並べられたアニメ版のセル画を
『あれ?森雪ってこんなに垂れ目だったっけ?』と思わせるほど
黒木メイサのあの吊り上がった目に心奪われていた自分に気付く。
古代進への想いもしかり、アニメより木村拓哉のイメージの方が
いつの間にか勝ってしまっていたことに気付かされる。
特に残されて良かったのが、あの血沸き肉躍る壮麗な楽曲たちと
壮大な宇宙に対する侘び寂びを刻むあのナレーションと、それに
幼き日に心に焼き付けられた、ヤマト航行の定番のアングル描写。
これら3点はどの1つの要素が欠落してもヤマト足り得ないのだ。
ところで、最近の10代20代の若者たちは宇宙戦艦ヤマトのことを
知らない世代なのだという。きっと「木村拓哉と黒木メイサ達が
出演する話題のSF映画」くらいの認識で、映画館に足を運んで
いるのだろうと思う。まあ、これも時代の流れなのだろかと思う。
いずれにせよ、私の脳裏には今でもあの物悲しげなイスカンダル
のテーマ(?)が終わることなく流れ続けているのである。
見に行こうかどうか迷っている人が入れば、ポンと肩を押して
上げたい感じになる、なかなか良い出来栄えの映画だと思った。
追伸
エンドロールのキャストの中に「ささき いさお」という名が
流れていたが、一体どこのシーンで登場されていたのだろうか?
>ささきいさお
ナレーションです。