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『ビブリア古書堂の事件手帖』を読んだ

2012年02月26日 23時02分28秒 | おすすめ



『ビブリア古書堂の事件手帖』を読んだ。『ビブリア古書堂の事件手帖』はライトノベルと呼ばれるジャンルに属するらしい。ライトノベルトは最近良く耳にするようになったが、どういうジャンルかよくわからない。よくわからないなりに「ライト→軽い→中身の軽い→物語の層の薄い」小説のジャンルと感じていた。ウィキペディアによると

・・・「中学生~高校生という主なターゲットにおいて読みやすく書かれた娯楽小説」としている。特徴としては、そのほとんどが文庫本の判型であり、比較的安価であることが挙げられる。ただし1990年代末以降においては読者層の変化や嗜好の細分化などから、より少ない発行部数でも採算の取りやすい新書(ノベルス)やハードカバーなどでの発売も増えている。読者の年齢層は、主として中高生を対象としているものの、その読者層は30代前後まで拡大しているとされる・・・ただその一方で、ライトノベルとその他の小説の境界は曖昧であり、そもそもはっきりとした定義を持たないことから、「ライトノベルの定義」についてさまざまな説がある。また『源氏物語』や『南総里見八犬伝』にもライトノベルと共通する特徴があるとする議論もある・・・

となっている。確かに筆致は軽いタッチだし人物の描写も若者向けで、私の好きな『重厚さ』からは掛け離れた作品には仕上がっているし、普段好んで読んでいる作品群と比べると『稚拙な』印象も醸し出しているように思えるが、それでも不覚ながら大変面白く興味深く読んでしまったのである。

物語の舞台は北鎌倉にあるビブリア古書堂という古本屋。ここに持ち込まれる古本の曰くつきの古本と持ち込んできた売り主の秘密が、ときには美しく、ときには儚く交錯していくのである。今までない感じの謎ときのスタイルである。古本に対する造詣が深くなったし、ふらっと近所の古本屋に立ち寄ってみたくもなった。前から「実は奥が深いのでは?」と思っていた古本屋さんの奥深さに触れられたような気がした。ちょっとほろっとさせられる部分もあって、すごく読後感の良い作品だと思った。続編が出ているようだから近いうちに読んでみよう・・・


興味のある人は是非読んでみて!

ビブリア古書堂の事件手帖―栞子さんと奇妙な客人たち (メディアワークス文庫)


ここからは、蛇足・・・

ちなみに古本屋の一部を為している「ビブリア」とは作品中に説明はないが「ビブリオ」のことで、「ビブリオ」とは「ビブリオグラフィ」の略である。そして、「ビブリオグラフィ」とは「書誌学、文献目録、参考文献」を意味し、そこから「ビブリオ」が「書物」の意味合いでも使われるようになっている。個人的には「ビブリオ」と聞くと、パリにあるフランス国立図書館を思い出す。この図書館は建築家のドミニク・ペローが設計した図書館で開いたまま立てられた本が4冊向かい合わせに置かれているような感じに4棟の建物が配置されていて、なかなかカッコイイ図書館である。ここのメトロの最寄駅(私が訪仏したときにはメトロ14号線の終着駅になっていた)の駅名が「ビブリオテーク・フランソワ・ミッテラン駅(仏: Bibliothèque François Mitterrand)」(←リンク先にある駅名の右にあるスピーカーをクリックすると発音が聴けるよ)となっていて「ビブリオテーク」という言葉がフランス語で図書館を意味する言葉であることを知ったからである。

フランソワ・ミッテランはフランスの第5共和制4代大統領で私が物心ついたあとの記憶による最初のフランス大統領になる。ネットで検索してみると任期は1981年5月10日-1995年5月17日で、1996年1月8日に没しているからそんなに昔の歴史上の人物でもない。前大統領はヴァレリー・ジスカール=デスタンという聴いたことのない人で、次大統領はジャック・シラクになる。シラク大統領の次は、ニコラ・サルコジ大統領だからあんまり後退してないことが窺える。デスタンの前は、ジョルジュ・ポンピドゥー、シャルル・ド・ゴールへと遡って行くが、ジョルジュ・ポンピドゥーはあの「ポンピドゥーセンター」のポンピドゥーで、シャルル・ド・ゴールは「シャルル・ド・ゴール空港」のシャルル・ド・ゴールであることを考えると、近い将来、ニコラ・サルコジ大統領にちなんだ施設がパリ市内にできるかもしれないし、できないかもしれない・・・

どんどん話がそれてしまった・・・(反省、そして涙目)


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