まっしゅ★たわごと

街歩き、建築、音楽、フランス、それに写真の話題を少々

エンジェルフライト 国際霊柩送還士(著:佐々涼子)を(一年前に)読んだ。

2013年11月24日 23時25分05秒 | おすすめ



本書を読んだのはちょうど一年ほど前の今くらいのことである。人の死を扱う内容だけになかなか書く決心がつかなかった。そして、ようやく書こうと思った矢先の今年の1月に中東で人質事件が起こったりして結局書く機会を逸していた。けれども、この本は私の中ではおそらく読んだことを一生忘れないのだろうなあと感じているので、この際、本書を読んで何を思ったのかということを書き残しておこうと思った。

独り身の時に何度か一人で海外旅行に行ったことがあって、人っ子一人歩いていないカナダの森の中で知らないオジサンとすれ違う時、万里の長城の帰りに「これでもかぁ!!」というくらいのスピードで幅員のそんなに多くない山の道を突っ走るワゴン車に乗せられた時とか、『もしここで命を落としたら私はどうやって日本の土地へ返されるのだろうか』ということを考えたことがあって、また海外で日本人が巻き込まれて死亡する事件や事故が起こった時、どういう手続きで日本に帰ってきているのかというのもいつも不思議に思っていたものであるが、その疑問を解決してくれたのが本書なのである。

海外で命を落とした日本人の亡骸を日本の空港まで到着するように手配し日本にいる家族の元に送り届ける仕事、そして日本で命を落とした外国人をその方の故国へ送り届ける仕事、本書いで紹介されているエアハースという会社が、パイオニアとなって現在も世界各国との窓口になって業務を行っているという。そんな名もなき彼ら、国際霊柩送還士たちの生き様と葛藤が描かれ、同時に、故国とは遠く離れた異国の地で無念の死を遂げた死者たちの思いと、残された遺族たちの思いが淡々と綴られている。

もちろんノンフィクションは嘘をつくのも事実。書き手の描く予定調和に向かって筆は進んでいくことはライターが書籍という形で世に送り出す上では仕方のないことであるが、そういうことを差し引いて読んだとしても、涙なくしては読むことが出来ない良書だと思う。ちょっぴり大袈裟かもしれないが、本当にこの書籍に出会えて良かったなあと思う。

「国際霊柩送還」耳慣れない言葉だが、もう忘れることはないだろう。


エンジェルフライト 国際霊柩送還士

龍馬史(著:磯田 道史)を読んだ。

2013年11月24日 21時30分55秒 | おすすめ



父に勧められて「龍馬史(著:磯田 道史)」を読み始めた。私の龍馬好きは小学生の頃からのものであるが、それはおそらく時代劇「影の軍団Ⅳ」とそれに続く「影の軍団 幕末編」によるところが大きいのではないかと思っている。そのドラマでは勝海舟を真田広之が演じ、坂本龍馬を世良公則が演じていた。ガサツなのに愛嬌があって過渡期で危うげな日本を表裏構わず走りまくった役者のうちの一人。

その龍馬の暗殺については、様々な憶測が飛び交っていて現在もどれが本当か謎のままである・・・と思っていた。この本を読むまでは。だがしかし、本書を読み進めていくうちに、何故龍馬が「亀山社中」を立ち上げるに至ったか?いや、立ちあげることができたか?そして何故「海援隊」を設立するに至ったか?いや立ち上げることができたか?ということが、読者に順を追って丁寧に説明されている。そして、「龍馬は誰にどんな理由で暗殺されたのか」ということも鮮やかに描かれている。

本書を読み進めていくうちに、「龍馬が龍馬である所以」も自然にわかるし、龍馬の暗殺者が「西郷隆盛」でも「新撰組」でもなかったのであろうということにも本当に説得力があって、もしや柱の陰から見ていらっしゃったのではないかと思うほどにその犯人を特定しているのである。

それは決して、陰謀好きな人の考えた希望的観測論でもなく、龍馬の生きた時代の政治的な背景だけでもなく、当時の庶民や武士の待遇や生き様などを龍馬の書いた手紙や世に残る他の人々の日記などから立体的に組み上げられていて、歴史家としての立場から本当に大真面目に分析しているのがものすごく新鮮なのだ。しかも、読んでいて全然退屈ではなく、むしろ早く次のページをメクリタイ衝動に駆られ続けてアッチュー間に読み切ってしまっていた。

龍馬史 (文春文庫)

夙川の紅葉2013《まっしゅ妻編》

2013年11月24日 01時01分01秒 | 夙川



同じ時期に買った同じメーカーのコンデジで撮った妻の写真がずごく綺麗に撮れているので記念にアップしてみる。





黄色い葉っぱの手前に緑色の葉っぱを持ってきたのが良いなぁと思ったし、その葉っぱの枝のラインが一点透視図の消点を目指すようにアングル取りされているのもまた秀逸だなあと思った。







同じ場所で同じ被写体を求めて撮っているのに互いに違った構図でまったく違った画を撮っているのって面白い。小学生の写生大会を思い出したよ。





最近、おなじみの絵画調で撮ったものだけれど、





コレなんか特にそう感じるのだが、私の撮影する画よりもすごく水彩画的なものが撮れていて、ちょっとうらやましいなぁって思う。







私が割とパッパッと撮るのに対し、妻は慎重にアングルを選んでいる。撮り方の差というのもまた見ていて面白い。





個人的に好きなのはこの写真と冒頭の写真である。どっちか選べと言われても甲乙付けがたい感じである。





光の撮り方だけでなく、影の捉え方もまた良いね。





今日も楽しい一日でした☆

夙川の紅葉2013《[monochrome]モノ・黒・夢 夙川/四 編》

2013年11月24日 00時36分54秒 | 夙川



カシオのコンデジのモノクロ機能は一眼レフやリコーのコンデジと比べると今一つだなあと思っていたけれど、夙川に来て久々にモノクロで撮りたくなり撮ってみることにした。







こうやって、モノクロの写真ばっかり並べて眺めてみると





しばらく前に夙川のモノクロ点景を撮っていた頃のことを思い出して少し懐かしくなってきた。





[monochrome]モノ・黒・夢 夙川/弐 ~最後の挨拶~・・・この記事を書いてからもう5年も経つのかと思うとなかなか感慨深いものがある。時の経つのは早いものだなあと思ったさ。