まっしゅ★たわごと

街歩き、建築、音楽、フランス、それに写真の話題を少々

【摩耶山探訪15回目】掬星台の夕景

2012年07月30日 00時05分59秒 | 六甲・まや



先週は病み上がりで、その前の週と前の前の週は夏風にやられていたので、
いちばん良い季節に摩耶山に登れていないのが非常に残念である。
今日も昼間散髪に行っていたので、摩耶山は来週かなあとも思っていたの
だけれども、そうすると7月は行かずじまいになってしまうことに気が付き、
急遽、夕方からだけど摩耶山を目指すことにしたのである。





阪急六甲駅から18系統のバスを頼らずにケーブル駅に着いたためか、
ケーブル&ロープウェイ共に完全貸切だった。しかも、今日は私一人の
単独行だったためロープウェイは文字通り一人きりとなってしまった。





山の木々はすっかり夏の装いを呈していて、四季の中で言えばマックスな感じがする。





春・秋・冬に見る摩耶倶楽部は薄ら寂しい佇まいだが、夏に見ると廃墟でさえも
勇壮に見えてくるので太陽の恵みの光はありがたいと思う。





17時00発のケーブルと17時10分発のロープウェイに乗る。だいぶ日は傾きかけている。





下界は、ねっとりと暑いが虹の駅に着いたころから空気がサラサラしてきて、
そこから先はずっと24℃となっていて、本当に涼しくて気持ちが良い。
冬の極寒とは真逆の喜びがここにはある。





7月も明後日で終わろうというのに摩耶山上はあじさいが見頃になっている。
この感覚が非常に不思議である。





途中で「天上寺から明石海峡大橋の向こうに落ちる夕陽を拝みたい」と思い立ち、
一路、天上寺を目指すが、既に18時を回っていて寺の扉は閉ざされてしまっていた。
残念。再び掬星台に引き返し、それからあとは虫のささやきと鳥のさえずりと人の
楽しげな声に耳を傾けながらボーっと過ごす。





夕焼け空の鑑賞の醍醐味は2回訪れる。
1回目は落日前、2回目は落日後どちらが美しいのかは日によって違うが、
この空を見て、今回は後者だなと私は確信したのである。







雲と夕陽のどういう加減なのかわからないが、左半分は明るいのに右半分が
垂直に切り立った影になっている。





おっサンテレビタワーと夕焼け雲





それからあとはまるでオーロラのように夜空が赤や黄や青と美しいグラデーションを
成し始めたのである。





私には、まるで羽根を広げるフェニックスのように見えたのである。
(左手前がアタマ。。。)





山上から見える景色は靄がかかっていて残念だったが、ここを訪れる観光客の人たちは
皆一様にこれから来る夜景を心待ちにして南方を見下ろしているだけで、振り返って、
美しくも雄大な夕景に目を向ける者はほとんどいなかった。そんな彼らに私は声を大に
して言いたかった。

『1000万ドルの景色よりももっともっと美しい夕空が背後に拡がっているよ!!』って





そう思いながらも完全に陽光が見えなくなる19時25分まで私は一心不乱に写真を撮り続け、
夕景を最後まで見届けた私は19時30分発のロープウェイで下山を始める。





往路も復路も虹の駅でのアクセスは何故か良く、ケーブルは待ち時間なしの19時40分に発車した。





6/22に訪れた畑原市場の甘辛カレーが7/22を持って店をたたまれた。いつまでも変わらないと
思っていても我々の希望とは裏腹に、周りの事物たちは絶えず小さな変化を遂げて行くのである。
この素晴らしき夕景も、いつもと同じような夕景だとしても

『その日そこにある夕景は今日限りのもの』

なのかもしれないのである。だからきっと私は同じような夕景なのに、また同じようにレンズを
向けてしまうのかもしれない。