"いつかは富士山に登ってみたい"
一度は挑戦したいと思っていた富士登山。
今回は2023年7月13日、14日と1泊2日の富士登山初挑戦とその事前準備。
そして1合目(馬返し)から頂上への往復⇄ルートのご紹介を記事にまとめました。
富士登山の経験はないが一度は登ってみたい、そんな興味のある方に向けています。
しかし当日の山頂付近は雨と強風が吹き荒れる最悪のコンディション。
フルマラソン完走率が92%で、富士登山全体の登頂率が70%なのか?体感することで理解ができました。(その要因は最後に触れています)
果たして今回の目的地である頂上まで辿り着けることが出来たのか?
◯挑戦の経緯
これまで7/1〜9/10の富士登山解禁期間に時間を作ることがありませんでしたが、今年の6月で54歳となり6年周期の10サイクル目に突入。
・新たな始まりに何かに挑戦したい
・折角なら1合目から頂上へと登りたい
・世界文化遺産で史跡の残る富士山吉田口登山道ルートから登ってみたい
そんな思いから富士登山を決意し準備を始めることに。
◯富士登山への準備
体力のある10代、20代であれば若さの勢いで一気に登れてしまう気もしますがね。
ただ30代〜40代の働き盛りを経て50代にもなると多少時間に余裕が持てるようになります。
・歩行距離
まずは手始めにと5月から1日の歩行距離を増やしていきます。関東近県の神社仏閣巡りの階段、時間のある際には周辺の山登りを加えていきます。
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5/19 高尾山・東京都八王子市 標高599m
・今年の混雑状況
下調べをしていると特に今年の富士山は大変な状況らしいことが分かりました。
世界文化遺産登録から10年目、コロナ行動制限明けもあって全国から、いや世界各地から登山者が続出、週末やお盆の時期には御来光を求めて山頂付近の登山道で渋滞が起きるようです。
山登りで渋滞は嫌だなぁと7月の平日を登山日に選択、山小屋と道具一式を予約。
登山道具一式をレンタル出来るんですね。
登山道具があって助かりました。ただ登山中にトラブルが発生しています。
山小屋は雑魚寝のイメージしかありませんが違うんですね。全室個室(カーテン間仕切)です。
◯13日初日(馬返→8合目東洋館)
体力をつけ下調べを行い、道具を揃え体調も万全な状態で初日当日を迎えます。
家を5時半に出発。途中コンビニで食べ物と飲み物を調達し登山は7時半から。
当日のルートですが、吉田口登山道の山登りの起点"馬返"からスタートとしました。
東京方面からは中央自動車川口湖ICから10分程で馬返の途中、中の茶屋の看板が出ています。(ナビは馬返の住所選択が出来ず案内図を添付)
ここが目印
中の茶屋の歴史は古く1704年から現当主で15代目と富士山信仰の歴史を感じます。
中の茶屋から更に車で山道を7分程走ると馬返に到着。当時の富士登山の人と物資は馬で運んだが、馬はここから引き返したため馬返の地名が残っているそうです。
山頂まで10.6キロ・515分の看板
平地を走るのと登山では同じ10キロでも掛かる時間は10倍以上。なんですよね。初心者なのでその感覚が湧きません。
いよいよ長丁場の登山開始です!
🗻
・石の鳥居
世界文化遺産に登録されている吉田口登山道の5合目までは信仰の跡を感じる史跡が至る所に残されています。
・1合目
鈴原天照大神社こちらまでは15分程で到着。
登山道に所々設置されている"浸透升"
これは雨水を浸透させ登山道の浸食を防ぐために設置されています。
・2合目
富士御室浅間神社このあたりからいっとき激しい豪雨が発生し早くも雨具を着用することに。果たしてこの先どうなることやら、不安にかられます。
・3合目 三社宮
・見晴茶屋
このあたりから少しずつ傾斜が急になってきます。
・四合五勺 御在石浅間神社
標高は2,000m
・雲切不動神社
雨は止んできました。雲切不動神社を過ぎると舗装された滝沢林道に出ます。ここで林道を数分歩きまた登山道に戻ります。
そして5合目の佐藤小屋に到着。
出発から2時間強とここまでは予定通り。
強風の中、6合目へと向かいます。
・六角堂
日蓮宗の開祖、日蓮上人が富士登山を行った際に書写した法華経を埋めたとされる場所。
6合目到着。ここまで2時間半。
標高2,390m。
6合目の先からは一転、岩と砂で荒涼としています。富士山では植生や標高による特徴を「草山・木山・焼山」という言葉で表現され、ここからが天地の境とされる焼山にあたるエリア。
しかしこの6合目からは雨と特に強風が吹き荒れてる天候。しかも1合目から身体を慣らしてきた筈でしたが、頭痛の症状が現れてきました。最も危惧していた高山病の兆候ですね。なにしろ三半規管がポンコツなもので。
そのため6合目からは水前寺清子(チーター)の代表曲のように100歩進んで2歩下がる。いや違うな、100歩登って2分休む。を繰り返すペースでジグザグの砂利道を7合目へと進みます。
7合目あたりからは溶岩の岩場が出現。少しずつ点在する山小屋を確認できます。
頭痛が酷くならぬように気を遣いながらゆっくりと歩を進めていきます。
そして本日の目的地、山小屋・東洋館に到着。6合目から8合目までは2時間半程かけてのゆっくりペース。1合目からトータル5時間程でした。
眼下には山中湖が遠くに望めます。
そして東洋館の裏手に回ると急勾配の岩場が続きます。明日はここからスタート。
山小屋で翌日の準備をしていると、初心者ならではのある失敗に気が付きました。
明日着る分の衣類がバッグから全てびしょびしょで出てきたんです。ショック!
(初心者の方はビニール袋に入れて持参下さいね。衣類を乾かす道具はありません)
16時頃から夕食タイム。
見渡すと外国人が7割といった山小屋の状況です。今日は平日ですが解禁日まで土日は既に予約で埋まっているようです。
(ご飯のおかわりは無料)
食後に頭痛鎮痛剤を服用し、明日の頂上までの登山に備えますが、時折ゴーという強風の音が響き渡ります。大丈夫か??
◯翌14日2日目
今日の午後から仕事が入ってしまったので翌朝は予定を少し早めて2時半に出発。
体調ですが相変わらず頭痛といいますか、船酔いが延々と続く状態での登山開始。
雨の中、真夜中の急勾配な岩場をライトを頼りに登っていきますが、時折強風も吹き荒れ、気分の悪さも続きます。
(初心者の失敗ふたつ目、手袋は必要不可欠です。準備をお忘れなきように!)
なので山小屋ごとにベンチに腰掛け、休憩を取ります。
しかし雨風で身体が冷えてしまってゆっくりは出来ません。早々にゆっくりペースで先へと向かいます。
時折雷も光り嫌な雰囲気に。このあたりで正直なところ心が折れそうになりました。
夜半に雨風の富士登山。初心者は下山をした方が賢明だと思います。
しかし同時にキツイ経験を経て思い出しました。あの時に比べればなんてことはないぞ。逆境の経験は必ず糧になる。
頂上まで526m
少しずつ夜が明けてきたようです。
海抜3,400mの本八合目 富士山ホテルに着くとベンチに登山者が集まっています。
ナルホド、そろそろ日の出(ご来光)の時間なんですね。しかしこの空模様では無理だなと諦めていました。
それでも20分くらいかな、休憩がてらベンチに腰掛けていますと、なんと!
うっすらと雲の切間からご来光が!!
ふむ、これは神社仏閣巡りのご利益でしょうか?それ以降は暑い雲に覆われたままでしたのでほんの一瞬でしたが幸運でした。
またゆっくり休んだことで、頭痛と吐気を忘れてしまうレベルにまで回復。多少なり元気が湧いてきました。
頂上まであと少し。
この体調ならお鉢巡りも可能だぞ。
ようやく見覚えある鳥居も見えてきました。すぐそこは頂上だ。
・富士山頂上浅間大社本宮
8合目からは休憩を含め4時間と1時間程オーバーでしたが、どうにか6時20分に目的地の頂上に辿り着くことができました。
1合目からの合計は9時間。
平日で悪天候のため渋滞はなし。それでも頂上には登山者が集まっていました。
そしてお鉢巡り。
しかし昨日14日早朝の富士山頂上は、身体を傾けないと立っていられないような暴風雨が吹き荒れ、誰ひとりお鉢回りに向かう登山者はいません。
流石にこの状況では断念するのが賢明でしょう。危険過ぎますね。
こちらの看板は重要。
吉田口と須走口の分岐点です。
下山ルートは火山灰に含まれている鉄分が酸化し風化してできた赤土が続きます。
7合目
下山は日頃の早歩きとランニングの成果でぐんぐんと下っていきます。
長く勾配の続くジグザグ道を下るので膝を痛める人が多く、トレッキングポールを持って行くと安心とありましたが、下る勢いでトレッキングポールの下半分を破壊してしまいました。
少しずつ山中湖湖面も近づいてきました。
頂上から2時間ちょっとで6合目に到着。
ここから元来た吉田登山道へと下っていきます。
吉田登山道に入ってからはペースダウンするも6合目から2時間かけて無事に馬返に到着。
今回の富士山初登山でしたが、登りは9時間、下りは4時間と計13時間。
標高差は2,500m 距離にして30km
高山病と雨風、強風もありましたが、雷雨や吹雪などそれ以上の悪天候は無かったですし、一度は経験したかった目的を達成できたので満足しています。
最後に条件が違うのでそもそもの比較にならないという点は置いて、フルマラソン92%の完走率と富士登山登頂率70%の違いについて。一応どちらも経験したもので。
これは体力というよりも気候(雨、風、寒さ)と体調(高山病)面で不安になるからではないでしょうか。
コンディションを整え最高のパフォーマンスを出し切るレースのフルマラソン。
タイム設定によりますが、体力と難易度はフルマラソンの方が上かもしれません。
それに対し登山は自然相手なので条件が整わずアクシデントの発生もあり、冬山登山は猛吹雪などで命の危険もある。
条件次第ではそんな不安感がフルマラソンよりも大きいからのように感じました。
以上、富士登山初挑戦ブログ記事でした。
最後までご覧いただき、ありがとうございました。