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ペザントチェアー 林二郎風?

2014-12-09 18:53:19 | 木工作品
島崎信著「ウィンザーチェア大全」に林二郎についての紹介があった。どの流派にも属さず、流行とか時代の流れにも押し流されることなく、生涯を通じてペザントアートを楽しみながら作品創りに没頭した作家との事であった。 参考文献として林二郎著「ペザントアートへ」も紹介されていたので、早速購入し読んでみた。林二郎さんのについては1995年に世田谷美術館でその作品を見たことがあり、名前と作風は知ってはいたがこの著書を読んで、ますます好きになった。
氏いわく「ペザントアートとは名もない農夫が鼻歌交じりで楽しみながら丹念に仕上げ、長年使いこんだ生活道具で、うまく作って売ろうとか、人に誉められようとかという思惑がない分、人を惹きつけ、日本のわび・さびに通じる」と。また、「家具の真髄とは、引き出しで例えると、足でも閉めれるくらいの物がよく、片方の引き出しを押すと、もう片方が出てくるというのは家具ではない。使いいいことが一番。そして、長持ちし、趣味の良いこと、それこそが家具である」とも書かれてました。

さて、すぐに影響されやすい小生は、ペザントチェアーを作ってみました。
ペザントチェアーは構造的にとてもシンプルで、かつ丈夫なため、これまでもいくつか作っていますが・・・・。


 
2脚作ってみました。左はこれまで通りのデザインです。 右は林二郎風?に彫刻を施してみました。木製の家具はその木肌をなるべく見せる方が好きなので、これまで彫刻をすることは避けてきましたが(めんどくさいこともありますが)、今回は・・・・。それほど林さんの人となりに感銘したのです。



定番のもの。 ハートのくり抜きもいつも通り。ウレタン仕上げ。



林二郎風。 未塗装。 オイルで柔らかな感じに仕上げるかな。



彫刻は思っていた以上に難しく、もっと彫りの深いものにしたかったのですが・・・。



脚は角とし、上部と下部に大きな面を取ってみました。



背の裏側には「Klein aber oho」と刻んでみました。 かつて、ドイツ空軍の戦闘機メッサーシュミットに記されていたように記憶します。たぶん「山椒は小粒でもピリリと辛い」的な意味合いだったかと…。 これはこの小椅子に敬意を表して。自分で作っておいてなんだけど、他にアイデアが浮かばなくて。

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