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とにかく書いておかないと

すぐに忘れてしまうことを、書き残しておきます。

映画『パリのちいさなオーケストラ』を見ました。

2024-11-09 09:01:56 | 映画
映画『パリのちいさなオーケストラ』を見ました。アルジェリアにルーツのある女性の音楽学校の生徒が、何度もくじけそうになりながらも、指揮者になる夢をかなえて行く姿を描いています。感動しました。ザイア・ジウアニというの実話を基に描いた作品だそうです。

パリの音楽院でビオラを学ぶザイアがパリの名門音楽院に編入を認められて指揮者を目指すことになります。しかし当時は(いまでもそうかもしれませんが)女性指揮者は世界でわずかしかいません。音楽学校の中ではその出自からばかにされ、指揮をしてもまともに演奏をしてくれません。

そんなザイアがチャンスを手に入れます。特別授業に来た世界的な指揮者に才能を認めらられ指導を受けることになるのです。しかしその指揮者の指導は厳しい。ザイアは何度も挫折しそうになりながら町にオーケストラを作ろうと奮闘していきます。

何度もくじけて挫折しそうになるのは、主人公を支えるのは、家族であり、友人であり、自分自身の精神力です。そして彼女は町のちいさなオーケストラが大きく成長していく夢を見ています。夢をもつことの大切さも教えてくれます。

そして数々の音楽がこの映画を支えてくれます。前を向きたいときに勇気を与えてくれる映画です。
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『三四郎』読書メモ⑬

2024-11-06 17:59:33 | 夏目漱石
夏目漱石の『三四郎』の読書メモ。今回は十三章。最後の短い章である。

この章は前の章から時間がかなり経過している。前の章の最後で三四郎は母からの「何時立つ」という電報を受け取っている。その後、三四郎は田舎に帰る。おそらくそこで御光との結婚話が取り上げられ、進んだ可能性もある。三四郎は冬休みをほとんど田舎で過ごしたのだと思われる。

十三章の冒頭では、語り手の視点も三四郎から離れている。語り手は三四郎専属とだれも決めていないのだからもちろんかまわないのだが、基本的には三四郎の視点にいた語り手なので、読者は多少の違和感を覚えるであろう。時間の経過とともに、三四郎を一瞬遠ざける効果がある。

二日目に美禰子は夫と来場する。

最初の土曜の昼過ぎに、広田、野々宮、与次郎、三四郎が訪れる。ここで三四郎が戻って来ることによって語り手は三四郎に再度近づく。野々宮は目録にしるしをつけるために鉛筆を探す。鉛筆がなくて葉書が出て来る。美禰子の結婚披露の招待状である。それを引きちぎる。三四郎は帰郷した時その招待状を見つける。三四郎が田舎にいた時にすでに結婚式はおわっていたのだ。この展開は小説っぽい。

与次郎は「どうだ森の女は」と三四郎に聞く。三四郎は「森の女という題が悪い」と言う。与次郎が「じゃ、何とすれば好いんだ」と再度聞く。三四郎は答えず口の中で「ストレイシープ」を繰り返す。素直に読めばストレイシープという第にすべきだと三四郎は思ったのであろう。ここに大きなテーマがあるように感じる。
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『三四郎』読書メモ⑫

2024-11-04 06:45:11 | 夏目漱石
夏目漱石の『三四郎』の読書メモ。今回は十二章。

三四郎は文芸協会の演芸会に行く。盛況である。最初の演目は蘇我入鹿の出て来る芝居でよくわからない。幕間に与次郎を見つける。与次郎の動きを見ていると、野々宮と美禰子とよし子もいた。美禰子のそばに男がいてその男が誰なのか気になる。

次は「ハムレット」である。ハムレットがオフィーリアに言う「尼寺に行け」と言う。この言葉で広田の話を思い出す。広田がハムレットの様なものは結婚できないと言っていた。ハムレットはオフィーリアのために露悪家になったのだ。自分を悪者にしてオフィーリアを苦しめずに自分を諦めさせようとした。しかし結果としてはオフィーリアに一番の不幸が訪れる。そこにドラマがあるのだ。

ここからは邪推である。ハムレットは野々宮であろう。野々宮は結婚できない男なのだ。結婚よりも研究を好む男なのである。野々宮は美禰子の愛を断ったのだろう。では「尼寺に行け」ではなく、どうやって断ったのか。

ハムレットが終わり、三四郎は会場を出る。すると廊下で美禰子とよし子が男と話をしている。男を見て三四郎は逃げるように家に帰る。

三四郎は病に倒れる。与次郎が見舞いにくる。美禰子の結婚が決まったという。その男はよし子の縁談話の相手であった。

邪推の続き。美禰子は野々宮との結婚を望んでいた。同時に兄の結婚が決まったために、結婚を急ぐ必要もあった。美禰子は野々宮が結婚に前向きになれない理由はよし子の結婚が決まらないからだと勝手に思ってしまった。野々宮が結婚してしまえばよし子の居場所がなくなる。それを心配して結婚をためらっていたと考えたのだ。そこである男をよし子に紹介し、その男とよし子を結婚させることによって、野々宮をよし子から解放し、自分が野々宮と結婚するように画策したのである。ところがよし子が断った。自分の思い通りにならずに取り乱した美禰子は、野々宮のいる前でその男との結婚を宣言してしまったのである。ちょっと邪推すぎるかもしれないが、野々宮と美禰子の関係に、よし子と美禰子が結婚する男との縁談話が関わっている可能性は高い。家の問題が大きかった時代は、結婚は駆け引きの要素も強いのである。そこにエゴが出て来る。

三四郎は教会にいる美禰子に会いにいく。三四郎は借りていた金を返す。三四郎は美禰子に「結婚なさるそうですね」と言う。美禰子はため息をかすかにもらし「われはわが愆(とが)を知る。我が罪は我が前にあり」と言う。

美禰子は自分の画策の失敗を認め、罪を背負ってこれからの人生を歩んでいかなければならないのだ。
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『三四郎』読書メモ⑪

2024-11-02 07:42:12 | 夏目漱石
夏目漱石の『三四郎』の読書メモ。今回は十一章。広田先生の夢の話が出てくる章。

与次郎は文芸協会の切符を売って回っている。

与次郎が三四郎の下宿に来る。新聞を見せる。その記事によると広田先生は大学の教師には選ばれなかった。もう一紙を見せる。その新聞は広田先生が自分が教師になる様に画策したとある。その一環として自分の知人の学生に「偉大なる暗闇」という論文を書かせたとある。そしてその論文を書いたのは三四郎だというのだ。三四郎は困る。与次郎も謝る。

実家から手紙が来る。冬休みには帰ってこいとある。御光は女学校をやめて家に帰ったということだ。三四郎との結婚話が本格化しているようである。

三四郎は広田の家に行く。広田は、与次郎の件は確かに迷惑だが、若い人ほど迷惑だとは思っていないという。

広田は夢の話をする。

生涯にたった一度逢った女に、突然夢の中で再開した。その女は十二三の顔に黒子がある奇麗な女であり、二十年ぶりにあった。その女は昔のままだ。しかしその女は広田に大変年を取ったと言う。女は「あなたはその時よりも、もっと美しい方へ方へとお移りなさりたがるからだ」と教える。広田が女に「あなたは画だ」というと、女は広田に「あなたは詩だ」という。それは憲法発布の明治二十二年に、森文部大臣が殺されその棺を見送る時にいた時の思い出であった。

女は一番美しい姿を残したいということであり、男は常に前のめりで生きて行くということであろう。美禰子の画が連想される。美禰子の画は美禰子の一番美しい姿を永遠に残すためのものである。しかし、それは美禰子の迷子としての魅力をそぎ落とすことになろう。作者の意図はどこにあるのだろう。

広田は例え話として、ある母子の話をする。一人の男がいる。父は早く死に母一人を頼りにそだつ。その母が病気になり、死の間際に本当の父をあかし、その男を頼れという。これと似たようなことが広田にもあったのである。
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