とにかく書いておかないと

すぐに忘れてしまうことを、書き残しておきます。

映画『あの頃。』を見ました。

2021-03-09 20:36:08 | 映画
 映画『あの頃。』を見ました。リアルな日本の大学生を描いていて懐かしさを感じると同時にそれぞれの世代には、それぞれの大切なものがあるんだとあらためて感じ、「今を生きる」ことのすばらしさを感じる映画でした。

監督 今泉力哉
原作 劔樹人
脚本 冨永昌敬
出演 松坂桃李 仲野太賀 山中崇 若葉竜也 芹澤興人 コカドケンタロウ 大下ヒロト

(内容)
 主人公はミュージシャンを目指しながら今一つうまくいかない。そんな時「ハロープロジェクト」のDVDを見てハマってしまう。ハロプロのファンが開催しているイベントに参加し、イベントメンバーと仲良くなる。男くさい友情が生まれ、男くさいイザコザが生まれる。そうしているうちに、仲間の中の一番「熱い」男が癌になっていることがわかる。

 過去を振り返れば恥ずかしいことだけである。なんであんなことにハマっていたんだろうと不思議に思うことが多いし、あんな馬鹿な事なんでやれたんだろうと思うこともある。しかし、そのころは真剣だった。その日その日が必死な日々でした。今の自分があの頃の自分を白い目で見ているとしたら、今の自分を許すことはけきません。

 「今を生きる」ことはすばらしいことです。

 今は体が思うように動かなくなり、しがらみも多くなってしまいましたが、そんな今でも精一杯「今を生きる」ようにしなければと思う映画でした。

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総務省の接待問題は大問題だ

2021-03-07 10:48:48 | 政治
 総務省が東北新社やNTTから接待を受けていたことが大きな問題になっている。単に接待を受けただけではない。総務省が特定の企業の要望を聞くと言うことは、他の同業者に対して不利になるようなことをしていることになる。これでは平等性が保てない。政治としてはやっていけないことである。

 東北新社は衛星放送の認可と絡んでいるようであるが、これはもしかしたらNHKの視聴料問題とからんでいる可能性もある。竹田総務大臣はNHKの受信料が高すぎるといる発言をした。これは称賛されるべき発言である。しかし特定の企業の接待を受けるような省庁の長の発言であれば、何らかの裏の意図があったのではないかと思えてしまう。その意図の中身までは予想がつかないが、現状の放送局の既得権に異議を唱える圧力をかけることによって世論にアピールすると同時に、あらたな利権を生み出しているようにも思えるのである。

 NTTに関してはNTTがドコモを子会社化し、さらに通話料金を大幅に値下げすると言う菅政権の目玉政策とからんでいるので、あきらかに胡散臭い。政府は携帯料金を大幅に下げたので支持率はアップするだろうし、NTTは経営基盤が安定すると同時に、楽天モバイルなどの新興会社を弱体化することができお互いに得になる。これは贈収賄といってもいいようなことである。

 杉村太蔵氏がテレビで次のような発言をしたと報道されていた。

「2018年9月の会食があったとされる時期に、当時の菅官房長官がこの頃に携帯電話料金を値下げするべきだと発言をしている。そもそも民間会社なので料金は自由なはずなのに、その時点でちょっとおかしいなと思うんですけど」

「他社からすると昨年、NTTはドコモを買収して、菅総理は総務大臣だったと。ちょっと待てよと。NTTと政府が一緒になって携帯電話料金値下げを極秘で情報をやりとりしているのではないかと、ライバル会社だったらそう思いますよ。行政の公平性はどうなっているんだと。これはね、相当大きな問題だというのが、投資家・杉村太蔵の視点ですね」

その通りである。うやむやにしないでしっかりとマスコミや野党は追求してほしいし、政府は正直に対応してほしい。
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二兎社『ザ・空気ver.3 そして彼は去った』を見ました。

2021-03-06 14:57:15 | 演劇
 二兎社の『ザ・空気ver.3 そして彼は去った』を見ました。近年マスコミも政治評論家も政府寄りになっています。政府批判をしてはいけないような「空気」も漂っています。現在の日本の雰囲気を表現した演劇です。わかりやすいストーリーであり、とても面白い作品です。問題の本質がどこにあるのかを考えると、国民ひとりひとりの問題であることも伝わってきます。

作・演出 永井 愛 
出演 佐藤B作 和田正人 韓英恵 金子大地 神野三鈴

(あらすじ)
 かつては政府に批判的な記者であった政治評論家の横松は、現在は政府寄りの意見しか言わなくなっている。しかし現在の横松の姿に幻滅している報道番組のチーフ・プロデューサー星野がある策略をはかる。その策略が予想以上の効果を表し、予想外にも横松はその日の番組の中で政権を転覆させるような爆弾発言をすることになる。星野は喜び興奮する。しかし、それがひょんなことから局内にばれて、上層部からの反対圧力がかかることになる。横松はやろうとするが、星野は最後の最後には自分では抱えきれなくなり、横松の出演を取りやめにする。

 今の日本では政府が主導権を持ち、報道番組やワイドショーなどでも政府寄りの意見を言う人が多くなっています。中には政府広報ではないかと思えるような政治評論家もいます。政府寄りの世論を作り上げようとしているようにも思えます。このような状況に怒りを覚えている人も多くいると思います。私もその一人です。

 その状況を作り上げているのは、マスコミの情けなさや政府の情報操作のうまさもあるのかもしれません。しかし実はいざとなると批判の矛先を緩めてしまう一人一人の国民にも責任はあるのです。

 振り返って考えてみると、私も自分の言動が周りの人たちの迷惑になるのではないかと考えていまい、自分に強い自信がもてません。だから政治に限らず様々なことで自分の主張をゆるめてしまう傾向があります。しかしそのために正義が失われるのだとすれば、私たちは正義を貫き通す強い意志をもたなければいけないのです。

 ただし、それは現実に言うほど簡単なものではありません。自らの弱さを認め、だからこそ団結して助け合いながら間違いを正していくことが必要なのだと思います。そのことを気づかせてくれるすばらしい演劇でした。
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映画『わたしの叔父さん』を見ました。

2021-03-05 21:06:11 | どう思いますか
 2019年・第32回東京国際映画祭コンペティション部門で最高賞にあたる東京グランプリを受賞した『わたしの叔父さん』を見ました。田舎で暮らすことの困難さと、人の心の純真さを育てる自然の中の生活の美しさを感じる映画でした。

監督 フラレ・ピーダセン
出演 イェデ・スナゴー、ペーダ・ハンセン・テューセン、
オーレ・キャスパセン、トゥーエ・フリスク・ピーダセン

 デンマークの農村で幼い頃に両親を亡くし、体の不自由な叔父と2人で暮らす27歳の女性クリスは、家業である酪農の仕事を手伝いながら日々を穏やかに淡々と過ごしている。そんな彼女には、獣医になるという夢があった。ある時、教会で出会った青年マイクからデートに誘われたクリスは、訪れる変化に戸惑いながらも胸のときめきを隠せない。将来の夢と恋に悩むクリスに気付いた叔父は、姪の幸せを静かに後押しする。

 人間には夢があり、ほとんどの人が自分の思い通りにいきたいと思っています。しかし残念ながら自分の思い通りに生きようと思っている人はさまざまな障害が出現します。お金の問題、能力の問題、タイミングの問題、さまざまな困難を克服しないとうまくいきません。そしてさらに家族の問題が生じます。今でも介護が必要な家族などがいて、やりたいことがやれないでいる人は多くいます。

 それを不幸だと考えるとやりきれなくなります。とは言え、それを肯定的に受け入れることも厳しい。その現実の中に多くの人が生きているのです。この苦しみを昇華していくことができるのかが、人の大きさなのではないか。そんな風に考えてみました

 映像では北欧のどんよりと曇った風景が描かれています。私が生まれ育った土地も冬は晴れることがめったになく、ずっと曇っていました。それを思い出しながら様々なことを考えていました。

 人間が生きていくうえでの普遍的なテーマかもしれません。
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斎藤幸平著『人新生の「資本論」』を読みました。

2021-03-02 18:23:17 | 読書
 斎藤幸平氏の『人新生の「資本論」』を読みました。資本主義のゆがみが見え始めている現代において、これから人間はどうあるべきかを考えるためのヒントを与えてくれる本です。大変勉強になり、また刺激にもなりました。

 「人新生」というのは、ノーベル化学賞受賞者のパウル・クルッツェンが名付けた言葉で、人類の経済活動が地球に与えた影響により、地質学的に地球が変化した年代のことをいいます。現代は地球温暖化などのように、近代における人類の活動によって地球上の生物におおきな影響を与えています。その結果、生物の生存にさえ危機をもたらしています。「人新生」とはそういう年代のことです。

 「人新生」を生み出したのは、近代における「資本主義」です。資本主義は一度始まるととどまることがありません。全世界に広がり、地球の資源を使い果たし、地球の環境を破壊していきます。この資本主義の行きつく先を予言していたのがマルクスでした。

 マルクス主義はソ連や中国のような共産主義国家の失敗によって一時は否定されるべきものとなっていました。しかし資本主義の行き詰まりはここに来てあきらかになってきたのであり、ソ連のような「共産主義革命」はあまりに早かったのだと思われます。

 マルクス自身の勘違いもあったのだとは思います。だからマルクスも自信で共産主義革命を企てていました。しかしマルクスの予言した危機は100年遅く訪れたわけです。マルクスの修正した考え方も現存する資料の中に見えてくると筆者は指摘します。そしてマルクスの考え方を現代に生かすべきだと筆者は主張します。

 しかしこれが現実的な解決になるのかも今のところ判断できません。しかし、多くの人がこの危機感を共有しない限り解決の道は開かれません。その意味で必読の本です。
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