日本学術会議の新会員に、日本学術会議から推薦された候補者の中の6人だけが政府から任命されなかった。学者さんたちは自分の信念にしたがって努力して研究をしてきた。それをあざ笑う行為であり、許されない暴挙である。
このことについて政府は日本学術会議は内閣府の特別の機関の一つであり、国に任命権があると説明する。擁護する人たちはこれには税金が使われるので、国の責任で人事介入ができるというふうに説明する。
しかし日本学術会議の人たちはそれは形式的なことであり、推薦した人を政府が承認する形で任命すると考えてきた。それが学問の自由を保障するものであると考えてきた。今回推薦された人たちも当然そのまま日本学術会議に加わるものと思ってきたのに、理由もわからずに外されてしまった。こんな理不尽なことはない。外された学者さんたちは国にもてあそばされたのである。ありえない話だ。
百歩譲って国に任命権があり、国に推薦を拒否することができたとしても、その任命権の行使のあり方の変更を事前に日本学術会議に示さずにいきなり行うことは、人道上あってはいけない。
しかしそれ以前に、学問の自由を保障するという意味において政府が人事に介入することはよほどのことがない限り、あってはいけないのだ。もしこういう介入が当たり前のように行われれば、思想統制につながる。それを許すことは国家の死を意味する。
このことに対して橋下徹氏は「これは会議の構成の変更なのだからいい」という発言をしていた。どういう意味か分からない。論点ずらしの方便にすぎない。
菅政権はいきなり「はったり」をかましてきた。「忖度国家」は更にすすむ。
府知事になった時から思いつきばかりで責任感のない人間だと思っていましたが、ポピュリズムと言うのか、かって渡辺恒雄氏がヒットラーみたいだと評したこともありましたね。
菅総理は言葉少なに、深い考えもなしに政治を断行するタイプでしょうね。
理由はすべて後付け、そして前総理みたいにベラベラ話すでなく、誰かが考えた建前を繰り返すだけなんでしょう。
学会と野党は大いに問題にして欲しいものです。
確か自民党の船田元 氏一人が説明の必要性を言ったと思いますが・・・。