映画『ハニーランド 永遠の谷』を見ました。孤独に生きることに直面させられます。とても身に迫る名作です。ただしこれがドキュメンタリー映画なのかは疑問に感じました。
監督 リューボ・ステファノフ タマラ・コテフスカ
文明とは程遠い山間の土地で、寝たきりの老母と暮らす養蜂家の女性が主人公。周りに住む人はいなく彼女たちは静かに暮らしていた。そんな彼女の家のすぐ近くに突然牛飼いの家族がやってくる。その家族は同じように養蜂を始めてしまう。女性は隣人がいることに幸せを感じ始めるが、一方ではさまざまなトラブルに怒りを覚え始める。隣人の家族は生活がうまく行かずに引っ越していく。女性は再び母親と二人きりの生活が始まる。しかしまもなく母親は死んでしまい、ひとりぼっちに生きることになる。
第92回アカデミー賞で長編ドキュメンタリー賞とあわせて国際映画賞にもノミネートされた作品だそうです。とてもよくできた作品です。人間は所詮孤独な存在です。いつかは孤独に死んでいくしかありません。そんなことを考えてしまいます。つらくせつない映画です。大自然の中、小さな人間が、もっと小さな蜂を養殖しながら生きていく姿は映像で見ても切なさが迫ってきます。孤独になる覚悟を考えさせられる映画です。
ただし、このストーリーはできすぎです。なんらかの演出があると思われます。これがドキュメンタリーと名乗っていいのかはわかりません。もちろんドキュメンタリーでないからと言って作品の価値は変わりません。虚構だとしても少しも価値が落ちることのない名作なのです。
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