とにかく書いておかないと

すぐに忘れてしまうことを、書き残しておきます。

古典の参考書第3回 「いづれの御時にか、女御、更衣あまた候ひ給ひける中に」3

2022-01-26 06:12:41 | 井上ひさし
【時めく】
 「時めく」は現代語訳を間違えやすい重要語です。現代語では「胸がどきどきする」という意味で使われるますが、古語ではこのような意味はありません。次のようになります。
 ①時代の流れに乗って栄える。
②寵愛を受ける、目をかけられる。
ここでは②の意味です。「寵愛する」のではなく帝の「寵愛を受ける」のです。帝の寵愛を受けることが「時代の流れに乗って栄える」わけです。

【源氏物語】
 『源氏物語』はどういう物語なのか、これは一般常識レベルなのですが、実は多くの高校生は知らないというのが現実です。平家と源氏の物語だと思っている高校生もいます。それはそれでしょうがない。いつの間にか理解するとは思いますが、きちんと教えるべきときに教えておくべきことです。
 『源氏物語』は世界文学の視点からも重要な作品です。は知っておくべき常識です。千年以上前に、「小説」と言ってもいいような文学作品があったのです。ヨーロッパ文学よりもはるかに昔に成立した文学遺産なのです。
その冒頭文がこの一文です。正妻のいない帝が、身分のそれほど高くない女性を愛したことが発端となり、物語が展開していきます。その設定が見事に一文で示されています。
 物語の発端として見事というしかありません。
 みなさんも『源氏物語』について少しでも理解してください。
 
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