とにかく書いておかないと

すぐに忘れてしまうことを、書き残しておきます。

シアターコクーンで『LIFE LIFE LIFE』を見ました

2019-04-28 09:45:20 | 演劇
2019年4月21日(土)14:00開演
スタッフ
作:ヤスミナ・レザ 
上演台本・演出:ケラリーノ・サンドロヴィッチ
キャスト
大竹しのぶ、稲垣吾郎、ともさかりえ、段田安則 

 「笑えるけれどもむずかしい」という印象の演劇である。日常的な出来事を描き、人間的な喜劇となっているが、それが3つのバージョンで演じられる。観客はこの3つのバージョンの違いが何を意図しているのかをどうしても考えてしまう。人間を考えさせられ、運命を考えさせられ、人生の不思議を考えさせられる。自分を振り返ることになる作品であった。

 大竹しのぶ、段田安則、ともさかりえの役者としての力量は言うまでもない。すばらしい役者である。稲垣吾郎は初めて演劇で見るのだが、他の3人に負けていない。4人がいるだけで緊張感があるいい舞台になる。

 KERAの演出は「人間」を描いている。表面をつくろいながらも、どうしても本音が浮かび上がるような醜さ、しかしその醜さこそが人間らしくいとおしい。3つのバージョンを丁寧に描き、どれもがありうる展開であり、どれもが自分であると考えた瞬間、自分の生き方にナイフが突き刺さるように感じてしまった。

 ひとつ残念だったのは稲垣吾郎さんが出演していたせいかチケットが取りずらく取れたのが2階席であった。真上から見下ろすような形になり、とても見づらい。これだったらもっとチケットを安くしてもらいたかった。一方ではこういういい作品をもっとたくさんの人に見てもらうように再演をお願いしたい。

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