とにかく書いておかないと

すぐに忘れてしまうことを、書き残しておきます。

真の教育改革の視点3「部活動の地域移行②」

2023-06-02 14:49:54 | 高校国語改革
前回書いた通り、部活動が大きな教員の負担になっている。そこで学校から切り離そうと地域移行の方針が打ち出された。発想としては悪くないのだが、現実の問題として考えるとうまく行きそうもない。

〈地域のスポーツクラブへの移行の問題点〉
部活動の地域移行について、多くの人のイメージは、地域のスポーツクラブに任せるというイメージなのではないかと思う。そうなれば一番いい。しかしそれの一番の問題はお金である。お金がかかりすぎるのだ。そんなにまでして部活動を進めるべきなのだろうか。だったら部活動自体をやめてしまったほうがいいという議論が生まれてくる。これには部活動に強い思い入れのある多くの大人たちは反対するであろう。そう簡単にいく問題ではない。

〈場所の問題点〉
本来ならば学校から部活動を切り離すべきであり、それができなければ結局は学校が責任を負わねばならない。しかし現実には練習場所が確保できるとは思われない。とすれば基本的には練習場所は学校と言うことになることが予想される。場所に関しては中途半端になりそうなことは予想される。

〈練習時間の問題点〉
基本的には現在の部活動の時間と同じ時間帯になるであろうと予想される。例えば夜にどっかに集まるなどとなると保護者の負担が大きくなり、うまくいきそうにない。なんだかんだ言って学校によって守られることを保護者は望んでいるのだ。

〈指導者の問題〉
放課後に指導をお願いできる人材はなかなか見つかるものではない。仕事をもっている人が夕方に指導できるはずがない。だとすると平日はやはり教員に頼らざるを得ない。さて土日はどうなるのか。これもまた指導者を探すのは困難である。学校の部活動として行うのであれば、指導料は多くは出せない。仕事を持っている人にとっては、土日の指導はやはり厳しいものである。すると部活動を土日に指導するのは誰になるのか。おそらくやはり教師、主に体育教師なのである。体育教師が兼業という形で指導することになるのだ。つまり土日は教師という肩書ではなく、コーチとか指導者という肩書になる。

これは部活動の指導を長時間することを公然と認めることに等しい。もちろん部活動指導をしたくない教師が部活動指導をしないという権利を認めるわけだから「一歩前進」だと主張するだろう。しかし私はそうは思わない。現実を見ればわかる。部活動大好き教員は通常の学校業務が実にいい加減だ。自分の仕事を減らそうと必死なのだ。土日を部活動にささげている教員が日常の教員の活動をまともにできるはずがないのだ。そういう部活動教員を甘やかす結果になる。これは大きな問題なのだ。

〈オープンな議論を〉
部活動の地域移行は様々な問題が絡み合っている。現場にその方針がおろされれば、職場の人間関係にひびが入ったり。忖度があったり、とにかく混乱が起きることは明らかだ。

混乱をさけるために目に見える議論をすることを避けているようにも感じられる。それは問題の先送りでしかない。

喫緊の課題であるのだから、もっとオープンな議論を望む。
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