とにかく書いておかないと

すぐに忘れてしまうことを、書き残しておきます。

古典の参考書第8回「世の中にたえて桜のなかりせば 春の心はのどけからまし」

2022-04-09 12:33:04 | 国語
 これも、古今和歌集と伊勢物語収録されている在原業平の歌です。

【品詞分解】
世の中   ー
に          格助詞
たえて   副詞
桜          ー
の          格助詞
なかり   ク活用の形容詞「なし」の連用形
せ          過去の助動詞「き」の未然形
ば          接続助詞
春          ー
の          格助詞
心          ー
は          係助詞
のどけから          ク活用の形容詞「のどけし」の未然形
まし       反実仮想の助動詞「まし」の終止形

【現代語訳】
 世の中に、全く桜というものがなかったなら、春の人々の心はどんなにか、のどかであったろうに。


【呼応の副詞】
 呼応の副詞というのは、下にくる特定の語とセットになって働く副詞のことをいいます。例えば、現代語でも、「おそらく」は「〜だろう」とセットになっているし、「まるで」は、「〜ようだ」とセットになっています。このような「おそらく」や「まるで」が呼応の副詞です。
 呼応の副詞は大切な表現が多いので、単語集などでまとめて覚えてください。
 特に「たえて」のように、打消し語とセットになって強い打消しを表す表現は文中によく出てきます。
  つゆ
 かけて
  さらに
  すべて
  あへて
  おほかた
 などです。覚えましょう。

【形容詞の補助活用】
 形容詞には語末が「かり」で活用する場合があります。これは主に下に助動詞が接続する場合の活用です。下に助動詞がつかない場合は通常の活用になります。ですから「をかしけり」の「けり」は絶対に助動詞ではありません。もし「けり」が助動詞だったら「をかしかりけり」になるはずだからです。

【反実仮想】
 以前にも説明したので省略します。

コメント
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