話題の映画『ジョーカー』を見ました。話題になっていることは知っていたのですが、内容は全く知らないまま見ていました。弱者が切り捨てられる世の中が暴力を生みだしていくことを描いていて、現代社会を見事に描いています。衝撃的ですごい映画でした。ただし残酷すぎて目をつぶらざるを得ない場面もありました。
「ジョーカー」はアメリカンコミックスの人気ヒーローであるバットマンの宿敵として知られる人物で、この映画はなぜそういう凶悪キャラクターが生まれたのかを描いています。ジョーカーになる前の青年アーサー・フレックはクラウン(ピエロ)として、日々あらゆる場所にて働きます。低所得者として、あらゆる苦労を日々経験しますが、唯一休まるのが自宅で母親と話すこと。母親からは、「どんな時でも笑顔で人々を楽しませなさい」と伝えられ、アーサーは多くの人々を笑わせようと日々奮闘します。しかし、アーサーは精神的な障害を持っています。だれも近づきたくないキャラクターです。しかしこれは本人のせいではありません。本人は真面目に一生懸命に生きているのに、誤解を受け、馬鹿にされ、嫌われます。アーサーは悲しみ、苦しみ、それが怒ります。その怒りが破壊的な悲劇を生みます。
暴力は差別や抑圧から生まれます。だから障害のある人への差別は絶対にしてはいけません。しかし現実にはどうしても差別的な心理が生まれてしまいます。だからこそ我々は差別を意識し、差別をしないように常に意識しなければならないのです。それを学ばせてくれる映画でした。