本の読み方の設計図。

本の構造を明らかにしていく。
論拠・主張

論証=事例、引用。

セックス依存,心の水虫という中毒。:松山情報発見庫#268

2005-09-01 00:00:00 | 松山情報発見庫(読書からタウン情報まで)
セックス依存症―その理解と回復・援助

中央法規出版

このアイテムの詳細を見る


ものすごく強烈なタイトルの本だ。
この「セックス依存症」というのは、いうまでもなくセックス中毒という状態に落ちってしまった人のことをいう。
サーバーセックス,売春婦,浮気などというように、性欲を満たすことに金銭的にも、肉体的にも没頭してしまい周囲の人を傷つけてしまう。
また、自分も、ア.通常な穏やかな生活を切り盛りして以降と必死になる姿イ.嗜好(セックス依存)との生活との間での苦悶というように苦しい思いを強いられる。
それだけではなく、性病,金銭的な問題,夫婦間での問題といったようにさまざまなネガティブな状況に陥る。
この「セックス依存症」というのは、ただ性欲が激しいという問題ではなく、「やめたくてもやめられない」という精神疾患の一種だという。

この本では、この「セックス依存症」への理解とその回復の方法を紹介することを趣旨としている。
セックス依存症の患者は、
「心の水虫」ともいうべき「痒みのような強い」性欲に悩まされている。
これは、他人との健全な人間関係を結べないことから生じる孤独感から生まれる寂しさを解消しようとすることでセックスへと走ってしまうことによっておきるという。
このようなセックス依存を繰り返す中で依存者は、
①私は元来邪悪で、価値のない人間だ
②あるがままの私を誰も愛してくれない
③もし人に頼る必要があるなら、私の欲求は決して満たされることはない
④セックスは私のもっとも大切な欲求である。あるいは、セックスは愛情の一番大切な印である
といった間違った信念を確立してしまう。

この本では、こういった誤った信念を解きほぐすために、
1.私たちはセックス依存に対し無力であり、思い通りに生きていけなくなっていたことを認めた。
2.自分を超えた大きな力が、私たちを健康な心に戻してくれると信じるようになった。
3.私たちの意志と生き方を、自分なりに理解した神の配慮にゆだねる決心をした。
4.恐れずに、徹底して、自分自身の棚卸しを行いそれを表に作った。
5.神に対し、自分に対し、そしてもう一人の人に対し、自分の過ちの本質をありのままに認めた。
6.こうした性格上の欠点全部を、神に取り除いてもらう準備がすべて整った。
7.私たちの短所を取り除いてくださいと謙虚に神に求めた。
8.私たちが傷つけたすべての人の表を作り、その人たち全員に進んで埋め合わせをしようとする気持ちになった。
9.その人たちや他の人たちを傷つけない限り、機会あるたびに、その人たちに直接埋め合わせをした。
10.自分自身の棚卸しを続け、間違ったときは直ちにそれを認めた。
11.祈りと黙想を通して、自分なりに理解した神との意識的な触れ合いを深め、神の意志を知ることと、それを実践する力だけを求めた。
12.これらのステップを経た結果私たちは霊的に目覚め、このメッセージを他の人たちに伝え、そして私たちのすべてのことにこの原理を実行しようと努力した。

といったメッセージをグループワークでのシェアを通じて確認することで実践するということを紹介している。

この本の著者も最後に述べているように、
セックス依存に取り付かれてしまった人、その家族、またそれをサポートする専門家にはぜひ読んで欲しい良書だ。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする