新宿少数民族の声

国際ビジネスに長年携わった経験を活かして世相を論じる。

国益を守る覚悟が見えなかった

2015-11-07 07:25:15 | コラム
馳浩文科相は何の為にユネスコで演説したのか:

「あー、矢張り駄目だったか。覚悟がなかったのだ」とその演説の一部がテレビのニュースで流された時に私は嘆いた。極めて遺憾だった。即ち、常日頃強調してきた「外国人相手か、国際場裏で語る時には『論争と対立を怖れてはならない』のであって、直接的な表現を採らなくとも相手は自分の意向を察してくれるだろうということはない」をご存じなかったようで、「言外の意味を悟って下さい」式の何を言いたいのか解らない演説だったのだった。

果たせるかな、産経が社説で「国益を守る覚悟がみえない」と題して「政治的利用は許さないという断固たる立場を表明できたとは思えない」と批判していた。俗っぽい言い方をすれば「だから言ったじゃないか」なので、馳文科相が国際的な場面に馴れていないとの情けない実態が明らかになってしまった。あの場では「これを言うことで何を失うか」の覚悟を以て臨まないことには「何しに来たの」と嘲笑されかねないのだ。彼を指導したのは何処の役所か。

馳文科相は「摩擦を生まないように穏便に申し上げました」と言っているが、産経は「反発を恐れる姿勢が、日本の名誉を損なう誤解、曲解を広げてきたのではないか」と指摘していた。当にその通りだ。「UNの場で中国や韓国の代表がこれまでに繰り返し我が国を貶める発言を誤解と曲解を招くべく繰り返し発言してきたことをご存じなかったのか」と馳氏に伺いたい。いや、スピーチライターにも訊いてみたい。

文科省は全世界に向かって正々堂々と我が国の主張を展開する絶好の機会を「摩擦を恐れて」失ってしまった。私は別段馳氏の文科相としての適不適を論じる気はないが、あの程度の国際の場に不馴れな人を送り出した総理にも官房長官にも責任があると思うし、馳氏の周囲にいた補佐役たちは何をしていたのかと、極めて不満だ。もう好い加減に政治家たちは韓国の何とか言う外務大臣並みにまでとは言わないが「国際化?」されてはどうか。


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