新宿少数民族の声

国際ビジネスに長年携わった経験を活かして世相を論じる。

10月5日 その2 ベトナムフォー

2015-10-05 13:30:41 | コラム
ベトナム本場の味が売り物:

ここ新宿百人町のイスラム横丁に今年になってからだったか、韓国のカフェの如き店が廃業した後に「ベトナムフォー」と大きく貼り紙がある店が出来た。そこには場所も場所だし、つい今月の3日まで試して見たことがなかった。しかし、何処かのテレビ局が我が国に何年か住んでいるベトナム人が「日本のベトナム料理店の味は本国のそれと違う」と憤慨し且つ一念発起して開業したと報じていたとも聞いた気がする。

しかし、ある事情があってこの店を長年の知り合いの方々にB級グルメを推薦しようかと思い立って、去る3日に恐る恐る家内と2人で入っていったのだった。実を言えば、この界隈には古くからやっているタイ・ベトナム料理店もあれば、大久保駅の近くでヒッソリと営業しているベトナム料理店もあったと思うが、この辺りの店にはさほど魅力を感じていなかった。

さて、ベトナムフォーである。正直に言って未だにこれが店名かあるいは売り物にする料理の名称かまたはポスターの一種かも知らない。昼の12時近くに2階までの急な階段を上がると、そこはかなり広い料理店で相当数のお客が入っていたのは意外だった。と言うのも、この店に入っていく人をついぞ見かけたことがなかったからだ。ランチのメニューは6種類あり当然のように全部フォー(Phoと書くらしい)が中心で650~900円の範囲内だった。

我々は定番と思えるフォーとフォーにベトナム式角煮がついたものを注文した。全てに生春巻きがついてくるが、これが確かにこれまでに食べてきた(日本化された?)春巻きとは何となく違う風味があった。フォーは「なるほど、これが本場の味か」と思わせられた感があったが、添えられた唐辛子を入れなければ辛くはならない薄味で中々結構な味だった。

日本の青年と覚しきウエイターに色々と質問してみると、オウナーはそのテレビで報じられたベトナム人女性で、料理人と給仕人も彼を除いて全てベトナム人、中には日本語も上手く話せない者もいるとのことだった。本場の味については我々の後から入って来た若者6人が全てベトナム人だったことが示すように、彼らには人気があるのだそうだ。また若者のほとんどが現在我が国で中国人に次いで増えつつある日本語学校の生徒だと教えてくれた。

納得出来る解説でもあったので、7月に採り上げた新宿区が発行した2015年6月1日現在の新宿に住む「国籍別の外国住民数」を見ると、総人口330,692人中に外国人が37,345人で、中国人が最も多く13,592人で全体の4.1%で外国人中の36.4%、第2位が韓国人で10,397人で全体の3.1%で外国人中の27.8%、ベトナム人がそれに次いで0.9%の7.9%となる2,933人だった。矢張り多かった。「ナルホド」である。

因みに、第4位はネパール人の0.8%の6.9%で2,593人、以下ミャンマー人が1,433人、アメリカ人が5,432人と続いていた。アラブ系というかイスラム教徒は「その他」の5,432人の中に紛れているらしいが、ハラルフードを買いに来るのは他区の居住者か。

なお、ベトナムフォーではランチ以外にもメニューは豊富で何時でも注文に応じられる態勢にあるようだった。ハラル・フードにアラブ料理店、トルコのKebabのスタンドにベトナム料理と、ここ新宿百人町の国際化は進んでいく。だが、最も人口が多いはずの中国料理店や中国人用のの店が出来たとの話は聞いたことがない。あの夥しい数の中国人は何処で食べているのだろう。彼等の文化では外食が多いはずだが。


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