新宿少数民族の声

国際ビジネスに長年携わった経験を活かして世相を論じる。

8月8日 その2 英語での挨拶

2017-08-08 10:34:24 | コラム
言葉は生き物:

「頂門の一針」の読者・弓場様にご質問に答えたものに追加して、少し英語の挨拶について知るところを述べてみます。これから先は初対面の場合ではなく、日常的な語り方です。なお、前回の補足ですが、私は特に意識した訳ではありませんが、meetではなく seeを多用していました。

先頃何かで読んだ記憶がありますが、仲間内の挨拶では”Hi!”だけで十分なのです。そこに、その時の気分と相手次第で”my friend”を足したり、”Hi, guy (buddy)!”のように言うこともあれば、相手のファーストネームを入れるのは普通です。即ち、「ハイ」だけでも十分にことが足りるということです。

私が嘗て指導した商社の若手が、私の後を引き受けたマネージャーとW社本社を訪問した時に、広い廊下で何となく風采の上がらない中年男性とすれ違った際そうです。その時に”Hi, Paul!”と言われたので、(ポールは彼のクリスチャンネーム)”Hi, Steve!”と言い返して終わったそうです。若手は「あれ、誰ですか」と尋ねると「社長だよ」と答えられて驚いたそうです。

相手が社長でも平然と「ハイ、ステイ―ブ」なのが英語の世界の怖いところだと思います。人にもよりますが先ず「ハロー、ミスター・ローゲル」とはならないのです。また、私はアメリカ人の世界に入って先ず悩んだのが、見ず知らずの相手というか、ホテルの廊下などですれ違ってもにこやかに「ハイ」とか「ハウアーユードウイング」などと手でも挙げて挨拶する習慣でした。ましてや、社内とあっては社長でも誰でも「ハイ」くらいは当然です。

また、ある程度以上の期間を仕事を通じて顔なじみの間柄である工場の女性(日本式に言えば事務課の係長相当)に会議で出会った際に、何気なく握手だけで済まそうとすると「それでは他人行儀ではないか。もうそういう堅苦しい間柄ではない」とハグさせられたことがありました。私はこの挨拶は苦手でしたし、何時如何なる場合にそうすれば良いか判断が出来ないので困惑しました。通りすがりの他人との挨拶交換とハグは将に文化の違いでしょう。慣れるまでが大変です。

言い古されたことかも知れませんが、アメリカ人の中にいて”How do you do and how are you?”は一度くらい聞いたことがあっただけです。これは完全な日本式の英会話でしょう。

How are you doing?が最も一般的で、これには驚くほど多くの言い方がありますので、ご参考までに思いつくままに列挙します。

How have you been?
Howdy?
How’s it going?
How’s everything?
How does the world treat you, these days?
What’s new today?
What’s up?
What’s cooking?

等々で、未だあるでしょうが、この辺りで十分でしょう。

また、彼らがこれらに答えて言うことが
Real good, thanks.

のようなことがあるのですから、realではなく really ではなかったかと悩みます。これが生きた英語かと思うのです。即ち、言葉は生き物で常に変わって行くようです。



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