新宿少数民族の声

国際ビジネスに長年携わった経験を活かして世相を論じる。

英語の言葉の分類 #2

2018-09-11 10:14:23 | コラム
Colloquialism =口語体:

このことも何年か前に採り上げたことだが、日本語にも同じことが言えるので日常会話で使っている言葉と社内の報告書や外部に出す文書では自ずと使う言葉が異なってくるので、英語にもそういう使い分けの仕方があると言うことだ。今回採り上げるColloquialismとは「文語」(=Literary language)と対極にある「口語」のことである。Oxfordには”A word or phrase that is used in conversation but not in formal speech or writing.”とある。私は文語の反対語で話し言葉くらいに考えておいて良いと思っている。信頼するに足る大修館の辞書「ジーニアス」には反対語は”literary”となっているようだ。私はこれと慣用句の区別は難しいと考えているが。

正直なことを言えば、私はこの「口語体」と「慣用句」はその両者の間で、何処に線を引けば良いのか解らなくなることがある。要するに「単語」だけを覚えていても、英語にはその文章の意味が把握できない表現が多いという意味でもある。

そこで、私が思う簡単な例文を先ず挙げてみれば、

I’ll be sure to get it done.=「間違いなくやり遂げます」というのがある。これはこういう意味になるのである。実は、何時のことだったか上司に面倒な作業をしておけと言われ「イヤだな」と思って何気なく I’ll try to see what I can do about it. と言ってしまった。すると途端に不機嫌な顔になって「それはやる気がないと言っているのと同じだ」と叱責されたのだった。そして教えられたのが I’ll be sure to get the job done. だったのである。

他にも幾つか例文を挙げておこう。

It’s up to you. =「君次第だ」か「君が決めること」

I’ll sleep on it. =「今晩一晩考える」

Let’s hit the sack.=「さー、寝よう」

How are you getting along in this hot weather? =「暑さの中で頑張っているかい」とでも言うか。

I’ll give you a buzz. =「電話するよ」

I’ll buy you a lunch. =「私が昼飯をおごるよ」

You are telling me. =「ご冗談でしょう」のことだが、No kidding. でも良いし Don’t fool yourself. などと言うのもある。

少し長い文章になるが、

Thanks a million for your kindness extended to me when I visited the United States last time. =「前回訪米した時の歓迎に感謝する」とでもすれば日本語の訳になるか。例文の”Thanks a million”以下は話し言葉であり、これを固い語体に書き換えればいくらでも言い方はあるが、

Let me take this opportunity to express my most sincere appreciation to you for your kindness and hospitality, during my last visit with the United States of America.
もその一例
になるだろう。

この辺りは所謂“Thank you letter”(=お礼状)に屡々登場する決まり文句のようなもので、日常的にはこういう話し方はしない「文語体」だ。なお、私はアメリカ人というかトランプ大統領が日常的に使う”I’m gonna ~.”(I am going to ~.”の省略)であるとか、”I wanna ~.”(I want to ~.の短縮形)も口語の中に入れても良いだろうだと考えている。だが、こういう言い方は I am going to や I want to と言う話し方が固まらない段階で使うべきではないと指摘しておく。

同様に広く使われていると思う例に”Me, too.”がある。これは文法的にも誤りであり、アメリカの知識階級の人たちが公式の場などでは使わない言葉である。即ち、厳しく言えば「私は無教養です」と告白しているのと同じだと言うこと。私はこういう言い方をせずに ”The same here.”か”I think so, too.”等を使って欲しいと思っている。

次回は slang を。



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