新宿少数民族の声

国際ビジネスに長年携わった経験を活かして世相を論じる。

10月5日 その2 難しく辛いことを論じます

2016-10-05 16:44:12 | コラム
古川夏好さんのご冥福を祈ります:

非常痛ましい事件で本当に心が痛みます。カナダの西海岸にあるBC州のヴァンクーヴァーは3~4回訪れたことがある、静かで美しく治安も良いはずの街なので、そこでこのような事件が起きるとはと、残念至極に思っております。1972年8月に始めて訪れた際には、商社の駐在員との待ち合わせ時刻に遅れそうになって懸命に走ったところ「この街はそんなに急ぐような人はいません。異常に見えるので走ったりしないように」と初対面でいきなり注意されたほどノンビリしたところでした。

それはそれとして、私はこれまでに何度も「外国は日本とは違うところ。何も治安だけに限ったことではなく、我が国の常識で何かを判断して行動しないように。特に、老若を問わず女性の一人歩きは絶対に禁物。その行動は外国人、就中白人の世界ではとても不名誉な誤解を招き、且つ身の危険を招く危険性が高いと認識してかかるべし」と説いてきました。我が国ではあり得ない危険がその辺にいくらでも転がっていると思っていなければなりません。

ここから先は「後難を恐れて」言います。古い歌に「男はみんなオオカミよ」というのがありました。それはそうなのですが、外国に行って洗練された(と誤解して)マナーで欧米人(白人だけとは限定しません)の男性に接触されると、「オオカミなんて誰が言うの?」と思い込む方が出てきても不思議ではないかと危惧します。単独で、知っているつもりでも何にも知らない外国に行って「男性の危険度」を即刻測定可能なカウンターを持参された女性はいないでしょう。私だって即解るものではありません。そこに行き着く前に「単独行動」を回避するとの原則を遵守すべきでしょう。知らぬ男を排除する勇気が必要でしょう。

その国の言語に我が身を守れるほど熟達しておらず、その勉強の為に行ったのであれば、その近寄ってきた現地人がどの程度の階層に属しているかなどの判断が出来るはずはないだろうから、ついつい気を許してしまうことがあり得るのだと思うのです。また、極論でもありますが、アメリカであれば90%の富を握っていると言われている上位5%の範疇に入るような人たちが、外国から来た若き女性を誘惑すべく街をうろついている確率などは限りなくゼロに近いでしょう。

更に飽くまでも一般論ですが、外国に語学留学だの研修などで迂闊に出ていくのは考え物だとも申し上げたい。それが英語だったとして、私の英語を「支配階層のそれだ」と仏文学のTK博士は喝破されましたが、我が国の行き届かない英語教育で育った若者が英語圏の国に出て行って「これぞ私が目指し来た上流階級の英語だ」とか「何だ、この会話の先生を名乗る人は”Pidgin English”だ」と見抜けるはずがないでしょう。「”you know”を乱発する程度の非知的階層だ」などと知る訳はないでしょう。

更に一般論の続きですが、私は英語を母国語とする国に出かけて英語を自分のものにしようという意欲を批判する気はありません。だが、その際に重要なことは「何を具体的に目的として英語力を高めたいのか」、「如何なる職を目指すのか」、「海外に永住を覚悟で身を立て名を挙げたいのか」等を余程明確しておかないと、車夫馬丁か丁稚小僧か、”swearword等を多用する最下層の言語を真っ先に覚えてしまう危険性が高いと知るべきなのです。そういう失敗例は過去に取り上げました。

繰り返して言いますが、留学しようという意欲を削ぐ気などは毛頭ありません。だが、狙いを正確に定めて少なくともアッパーミドル乃至はそれに準ずる言葉遣いを学べる組織を紹介して貰うか、自力で見つけ出すことを優先して欲しいのです。だが、こんなことを言っていると、何処に行けば良いのか正しく導いてくれる人も学校も団体(機関)も少ないかと危惧するのです。

終わりに、重ねて故古川夏好さんのご冥福を祈ります。


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