新宿少数民族の声

国際ビジネスに長年携わった経験を活かして世相を論じる。

12月2日 その2 65歳以上の高齢者は自粛を

2020-12-02 09:47:50 | コラム
「Go to トラベル」への対処:

1日の夕方に菅首相と小池都知事の緊急会談があって、「Go to トラベル」の扱いについて別々に発表があった。それはそれとして、私が礼儀作法として驚かされた事があった。それは、日頃ファッションショーのように着飾ってみせる小池都知事が、作業服(業務用のジャンパーとでも言うか)にハイヒールというバラバラの服装で官邸に入っていったことだった。思うに、事の緊急性を見せようとかという例によって例の如きスタンドプレーかと見えた。一国の総理大臣にお目にかかる服装として適切かと疑った。

菅首相は「65歳以上の高齢者で基礎疾患を持つ方は自粛して頂きたい」と、ぶら下がりかと見えて会見で語られた。だが、小池都知事は「自粛ではなく停止を提案した」とまたもや政府とは相異なる事を語って見せたのだった。私はつい昨日「小池都知事が仰せになることは具体性がない」と批判したばかりなので、それを知った都知事が急遽具体案を菅首相にぶつけたのだと、勝手に解釈することにした。

だが、この自粛要請にしても全く具体性はないと見る。即ち、旅行社や宿泊施設は65歳以上の人が予約を申し込んだ際には拒否するのか、あるいは基礎疾患の有無の医師の診断書でも求めるのか等の具体的なことには、何ら言及されていないのだ。現に旅行社の中には戸惑って見せた例も報道された。これが菅首相の問題なのか、小池都知事の常套手段である先走ったスタンドプレーなのかは判断出来かねた。少なくとも、我が家では「11月30日に帰京しておいて良かったね」とはなった。

ところが、87歳にして基礎疾患(心不全)を抱える超後期高齢者としては「これは実に実情を知らない決定である、如何に高齢者への感染を予防する措置であっても」と声を大にして言いたいのだ。既に述べたように、当方は私的な事情も加わって心身共に疲労したので温泉に出掛けたのであって、今更物見遊山に出掛ける身分ではない。2泊3日の滞在だったが、その間にはテレビと新聞にも縁を切って、ひたすら入浴を繰り返し、中間にはベッドに横たわって寛いでいただけだった。

その効果は初日は午後4時にチェックインしてから直ちに大浴場に向かって温泉に浸った事で現れた。この1回だけでも血行が良くなって青白かった顔にも多少赤みが差してきた。翌朝は6時の大浴場の開業と同時に入浴を開始した。朝食後は一休みして午後からのフットボール観戦に備えて再度入浴した。ここまでで顔付きも変わるほど好転した。夕食後もまた入浴で、漸く平常時の顔に戻った。3日目はチェックアウトだが、早朝の6時には名残を惜しんで十分に入浴。勇気百倍とは言えないが、3倍くらいには元気になって帰宅した次第だ。

長々と何が言いたいのかだが、87歳にして基礎疾患を抱えた者に「これほど効果がある温泉へのトラベルを自粛せよ、ウイルスに感染して医療崩壊が起きないようにせよ」と言いたいのかと解釈せざるを得ない。老いたる家内も「こういう状況で1週間も滞在できれば、随分楽になるのでは」と言っていた。もしかして「自粛して、自宅の浴槽に入浴剤でも入れて入っていろ」とでも言う気かと疑っている。60歳台の小池さんや、70歳台におなりになったばかりの首相には「87歳とは如何なる辛い身体の状況か」をご存じではないのかと危惧している。

正直に後難を恐れずに言えば「指導者足る者は現場を知ってから物を言って欲しい」と申し上げたいのだ。それが出来ないのならば「65歳超の高齢者に温泉の入浴剤でも配布して頂いたい」とお願いしたくもなってくる。



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