新宿少数民族の声

国際ビジネスに長年携わった経験を活かして世相を論じる。

ビニール傘の考察

2014-06-07 15:35:50 | コラム
久し振りに持った本当の傘は重かった:

これはカタカナ語批判のようでもあり、良く知りもしないかまたは馴れない化学用語の解説を烏滸がましくも試みているようでもあるかと思っている。

昨6日は昼食会の約束があって朝から降り続く雨をも顧みずに出かけた。この降り方では近頃重宝している中型のビニール傘では役に立つまいかと思って、久し振りに本当の布製の傘を持っていった。すると意外にも軽いかと思っていた布製の傘は雨に遭っている間に持ち重りがしてきた。しかも、かなり高級品のはずだったブランド品の傘も、15年も経っていれば撥水効果が薄れていて、一振りや二振りでは水分が飛んでいかなかった。

そこで、これでは格好をつけずに¥400のビニール傘にしておけば良かったかと悔やんでいた。ところで、このビニール傘だが、我が国のカタカナ表記の世界では合成樹脂のフィルムにせよ容器にせよ、何でもかんでも「ビニール」ないしは「ビニル」で括ってしまう粗雑さが気になる。実は、カタカナ語排斥論者としては、日常生活でもこの種の合樹の傘をビニール傘とは呼んでいないのだ。プラスティックの傘と呼んでいる頑なさである。

今回は Google で「ビニール傘」と「材質」と入れて検索してみた。結果では所謂「ビニール」(=vinyl)の傘は "PVC"= Polyvinyl chloride =「ポリ塩化ビニル」の傘もあれば、"EVA"= ethylene-vinyl acetate =「エチレン酸酢酸ビニル共重合樹脂」もあるし、"POE" =polyolefin elastomer =「ポリオレフィンエラスチマー」もあるとあった。一寸だけ勉強になった。

だが、このような解説を試みても「揚げ足取りではないか」と言われそうだし、これをすることにどれほどの意義があるのかという気もしてきた。しかも、自分が使っているビニール傘の材質がこの三つの中のどれかすらも解らないではないかとも言えるのではないだろうか。確かに、急に降られた時などは近くにコンビニや100円ショップでもあれば買えるという便利さもある。

しかし、近年は何とか言う何年前だったかの無知蒙昧な民主党の総理大臣が原発を止めたために、原油の価格が高騰し(いや、現実は我が国への供給先に足元を見られて吹っ掛けられて)、末端の合成樹脂製品の価格も値上がりし、最早¥100で買えるビニール傘など市場から消えた。この種の非耐久商品の価格上昇までも真の意味のインフレと言えるのか。

余談だが、最近止むを得ず購入したビニール傘はジャンプ方式であり便利だが、フィルムも低密度ポリエチレンのように不透明度が高くなっていて、前方が見えにくくなってきた。この材質は上記のどれに当たるのだろうか。


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