新宿少数民族の声

国際ビジネスに長年携わった経験を活かして世相を論じる。

習近平は何処まで譲歩したのか

2017-11-10 08:07:40 | コラム
アメリカと中国の間で28兆円の成約:

習近平は事DPRK対策については「対話」に拘泥してトランプ大統領に歩み寄らなかったようだが、貿易については予想通りと言うか何と言うべきか、アメリカ大統領の面子乃至は顔を立てたようである。10日朝のテレビのニュースで聞こえた内容からはボーイングとフォード等との契約が成立したと聞こえた。

これではアメリカが一気呵成に対中国貿易の赤字を解消するまでには到らないと思うが、習近平は出来うる限りの配慮をしたと見る。但し、私は貿易収支をアメリカ側から見て改善することは、中国の外貨準備高から考察すれば、必ずしも歓迎できることではないのではと思って眺めている。

それは、中国の経済は何と言っても米国向けの輸出による黒字に対する依存度が高いはずだし、中国の外貨準備高は既に必ずしも潤沢ではないと聞かされているから言えるのだ。そうであれば、ある程度の危険性を伴う売買契約ではなかったか。習近平は国賓以上と形容される扱いでトランプ大統領を歓迎はして見せたが、私の目には昨日の記者会見では両者とも仏頂面に近い表情に見えた。

トランプ大統領も言葉遣いに気をつけたのが明らかな社交辞令を並べて語ってはいたが、私の目には意図したほどには習近平を突き崩せたとは思っていないのではないかとしか映らなかった。今後、我が国はアメリカ対中国の関係がどのように進展していくかを、注意深く用心深く見守っていくしかないのだと思わせてくれた。

余談である英語の講釈だが、私は「顔を立てる」を face-saving と言っていた。


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