新宿少数民族の声

国際ビジネスに長年携わった経験を活かして世相を論じる。

英語の単語で遊べば #3

2014-09-08 11:57:25 | コラム
「趣味」という単語を考えると:

前回は "There is no accounting for tastes." 等を採り上げたので、その趣味を考えてみようと思い立った。実は、昨日のテレ朝で地方で本格的な模型の蒸気機関車(今では"SL"というのだそうだが)を作り、線路まで敷いて子供たちを乗せておられる中高年の男性の方はこれを「ホビー」だと言われた。ここでカタカナ語なのは「何でかなー」と思わずにはいられなかった。

取りあえずこの "hobby" から槍玉に挙げよう。彼が「ホビー」と言われたのはローマ字読みしか知らなかった(教えられていなかった?)のだろうから責めないが、どの辞書を見ても発音記号は「ハビー」が先に出来るし、私はこの発音しか知らない。ということはカタカナ語なのだ。

taste:
私が所有する"CASIO" のプログレッシブ和英辞典で「趣味」を見ると、最初に[好み]taste;liking、服装などの趣味が良い She has excellent tastes in closing.の例文が出ている。

ジーニアス英和には「(飲食物の)味」がいきなり出てきて、4項目で「・・・の好み、嗜好[for, in]」が出てくる始末だった。

Oxfordには "What a person likes or prefers." と出てくる。そこには "flavour" や "sense" を使っての例文が挙げられている。

私は "taste" は以上の例が示すように着物、芸術、色等の好みを表す時に使うものだと認識してきた。ところで、冒頭の和英には"hobby" は載っていなかった。

hobby:
ジーニアス英和には「趣味、道楽」とあり、例文には "His hobby is growing flowers." が出ていたから、蒸気機関車を好む方が「ホビー」と言われたのは正解なのだろう。因みに、Oxfordには "An activity that you do for pleasure, when you are not working." とあった。

liking:
ジーニアス英和には[・・・に対する]好み、愛好〈fondness〉 とあり、例文は "He has a liking for puppies [ playing seesaw]. が出ている。

Oxford には "the feeling that you like ~ . the enjoyment" と出ている。私はこれが最も無難かなと思って訳していた。

pastime:
ジーニアス英和には「気晴らし、娯楽、趣味(hobby)とあり、例文は "Fishing is her favorite pastime." となっていた。

Oxfordは "Something you enjoy doing, when you are not working." となっていた。

ここまでの例が示すように英語で(英語を)話している時に、うかつに「趣味」などのような話題に踏み込まないことだと私は自戒してきた。それはそんなことを尋ねるのは「個人的な質問であり、非礼かも知れないから」だった。だが、通訳を使う我が国の方は気楽に「ご趣味は」とお尋ねになることが多い。しかし、それを通訳する場合には上記のどの「趣味」かを見極めねばならなくなって困る。


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