新宿少数民族の声

国際ビジネスに長年携わった経験を活かして世相を論じる。

6月3日 その2 BGMのCDとその回顧談

2024-06-03 14:20:05 | コラム
本日はビル・エバンスのコンピレーション物である:

只今は、何時何処で、幾らで買ったのかの記憶もない、エバンスの言うなればコンピレーション盤(=寄せ集め物)のCDを流している。これには嘗て粟村政昭氏が「初期の作で既にして生涯最高の傑作になるかもしれない」と褒められた“Everybody digs Bill Evans“に収録されていたソロの“Peace piece”が入っている。私の好みの演奏でもある。久しぶりにモーツァルトから離れてみようという企み。

エバンスのピアノには何と言うことなく惹かれて、LPの時代から数えれば20枚近く買い込んでいたかもしれない。しかしながら、上記の“Everybody digs“は持っていなかったのだ。このEJC盤とでも言えば良いかもと思うこのCDは「ピースピース」を聞きたいが為に買ったのだった。

また、このCDには別の思い出がある。この件は自慢話めいた回顧談になるが、1990年代の末期に96年からラジオパーソナリテイーとでも言えば良い仕事をするようになってからのことだった。自分の担当ではない番組に出る機会を与えられて、ホストだった斉木しげる氏(シテイーボーイズの1人)と35分間も「ビジネスマンの服装学」を語って蘊蓄を傾けたことがあった。

デイレクターさんに「BGMには私の好みのCDの持参を」と言われて、迷わずにこのエバンスの物を選んで「ピースピースを流し続けましょう」と提案した。彼は最初から数曲を聴いて「全部流しましょう」と決められたのだった。この番組は斉木しげるさんの物だと案内されていたが、勿論というか何というか、私は芸能界の人と会うのは最初で最後だった。

事前にシナリオは提出してあったので、指定された時刻にスタジオに入って、司会の斉木氏がシナリオを見て問いかけるままに35分間語り続けた。その頃は既にラジオで語ることに離れていたはずだったが、BGMにエバンスのピアノが流れていたのも、何を語っていたかも全く解らないままに時が流れて、持参したシナリオの枚数が尽きていた。即ち、35分が経過していたのだった。緊張していたつもりはなかったが、夢中だったようだ。

出来・不出来は全く解らなかったが、デイレクターさんに「アッという間に終わりましたね」と言われたのだけは覚えていた。エバンスのピアノ演奏は決してリズム感に溢れていて調子良く語らせるような性質ではなくて、静かに聞き入らせるような音楽なのだ。だが、あの時は一気呵成に語ってしまった。アメリカ式とでも言いたい非常に厳格な「ビジネスマンの服装学」を語る人は極めて少ないので、私の得手とする分野なのだ。

このような思い出に浸っていたが、実はたった今気が付いたのだったが、2曲目に出てくる「ピースピース」が流れたのを聞き漏らしていた。すると、意外にもエバンスの瞑想的にして華麗なピアノ演奏はBGM向きなのかも知れない。

一寸だけNPBの野球の話を

2024-06-03 06:53:35 | コラム
ロッテマリーンズが12連勝し損なった:

昨2日は何となく関心があって、このマリーンズ対タイガースの野球を見ていた。関心があったのは言うまでもなく12連勝出来るかどうかだった。そして、0対1とリードされていた9回の裏にノーアウト一二塁の絶好の逆転勝利のお膳立てが出来たのも、これまでの通りだった。

その場面で私の興味を惹いた点は、高部が内野ゴロを打って一塁に頭から滑り込んで「セーフ」となった事だった。この辺りが我が国の高校野球の特徴で、データでは「一塁ベースを走り抜ける方が早い」となっていても「ヘッドスライディング(正しくは「ヘッドファースト・スライディング」である)をするのが闘志の表れで、選手としてのあるべき姿」とでも教え込まれているのだろうか、滑り込む者が多いのだ。

その闘志の表現方式はプロフェッショナルの野球の世界にも持ち込まれているのだ。高部もその例外たり得ず、果敢に滑り込んで見せて見事に「セーフ」の判定を獲得したのだった。岡田監督は当然のように判定に異議申し立て(チャレンジであって、アナウンサーは「チャレンジしました」と言うべきでは)を行ったが、覆らなかった。

そのチャンスはマリーンズにとって最悪だと私は見た。それは、次打者がベイスターズからやってきたソトを4番に据えていた事だった。私の「閃き」は「不確実な打者のソトは才木の術中に落ちて、内野ゴロでダブルプーの確率が高い」だった。「ここでは新庄監督ならば間違いなくバントができる者を代打にたれるだろうが、吉井監督はその手は打つまい」と読んだ。あそこで進塁打を打てるならば、ベイスターズはソトを手放さなかっただろう。

タイガースの才木投手は3―2とカウントを追い込まれたが、最後に投げたインサイド高めのボール球(と解説の宮本は言った)に手を出してショートゴロのダブルプレー。その次のポランコも敢え無くセカンドゴロで試合終了。「ればたら」の話だが「あの場面で吉井監督がソトのプライドを損なわないように説得して代打を出していれば」というお話。