新宿少数民族の声

国際ビジネスに長年携わった経験を活かして世相を論じる。

我が国の景気が減速?

2019-03-09 08:40:43 | コラム
去る1月辺りから失速し始めたとか:

昨8日から各メデイアが一斉に「減速」と報じ始めた。「矢張りそうだったのか」とも思うし「我が国の景気はそれ以前はそれほど好調だったのか」という新たな疑問も湧いてきた。だが、正直なところ、リタイアーしてから25年も経ってしまえば、何を聞いても実感を伴わないのが残念だ。それだけではなく、池田勇人総理の「所得倍増」を謳歌した時代を経験して高度成長期と第一次オイルショック等を経てきた者としては、この21世紀の好景気には「あの頃の活気というか凄み」が感じられないのだ。

とは言うものの、僅か6年前の80歳までは有り難いことに長い付き合いの方々のご好意で景気変動の臭いくらいはかげる仕事をさせて頂いていた。お陰様で「悪い状態ではないな」という感触は得ていた。それで永年習慣のようにして来た「街角景気診断」の手軽な方法として、タクシーを利用する度に運転手さんたちに「景気は」と尋ねるようにはしてきた。年金生活者となってからはそう度々利用はしないが、殆どの運転手さんたちの答えは「我々の段階まで好景気の恩恵は降りてきていない」となっていた。

中には詳細に“「某商社では殆どタクシーチケットの利用者がいなくなった」とか「接待終了後の長距離の利用者がいなくなった」等の現象を挙げて、接待と交通費の節減を図る大手企業が増えてきたのは、好景気ではないという事実を示しているのでは”という説を述べてくれた者もいた。「経費節減は好調の頃に実施して初めて効果が挙がる」という方針を示す会社もあると聞いていたが、経営者はこういうところから締めて行きたがるものだとも聞こえた。

私は長い間「我が国ではGDPは内需に支えられている」ということを聞かされて、それを信じてきたので、簡単に言えば「賃金の目立った上昇がなければ内需の伸びもなくなるだろう」と考えてきた。それだけではなく「高齢者というか年金生活者が増加の一途を辿れば消費(支出)が伸びなくなるのは仕方がないだろうか」と単純に考えてきた。

現に、私もこの年齢ともなると「終活」が騒がれている時代にあっては「今更何か買っても仕方がない」と実感が出てきたので、衣類(下着)等の非耐久消費財等を買う以外は殆ど高額の出費をしないか、避ける生活に入っているのだ。しかも、かの「団塊の世代」が定年を迎えた現代では内需が伸びない時期が続くのではないかと言われれば「そうだろうな」と、我が身を引き合いに出して納得するのだ。そこに高齢者の蓄えを狙う特殊詐欺が増える一方なのだが、現実に被害者が大金を自宅に置いているのにも驚かされている。

そこに「アメリカと中国の政治・経済・軍事(?)面での難しい対立」の時期とはなったので、我が国へのマイナスの影響は回避できないようであるところに、UKのEU離脱の影響が本田のUKの工場閉鎖の声明が出たりすれば、世界的にも不安定な要素が増えてきた気がしてならない。トランプ政権下で好調だったアメリカでも雇用の増加が止まったとのニュースがあるし、韓国では不況に悩み新卒の深刻な就職難から、何と我が国の企業での就職を目指す傾向が顕著だと言うではないか。

この時にあって、安倍内閣は消費税率の引き上げが軽減税率と共に、7ヶ月後に実行する方針は変更されないそうだ。私は嘗ては「直間比率の改善」と強調された消費税の実施は悪いことではないのだろうと思ってきた。だが、今となっては引き上げが如何なる結果をもたらすかは黙って見ているしかないと思う。我が方は軽減税率の恩恵に浴そうにもクレデイットカードしか持っておらず、スマートフォンのような高額な電話機擬きを買う気はないのだ。