新宿少数民族の声

国際ビジネスに長年携わった経験を活かして世相を論じる。

3月5日 その2 特殊詐欺対策 #2

2019-03-05 09:24:55 | コラム
何故「非通知」の電話に出たのだろう:

昨4日にこの問題を採り上げたばかりだったところ、今朝から方々のテレビ局で役者の斉藤洋介がその詐欺にやられて100万円を取られたと報じている。残念だしお気の毒だと思う。だが、不思議でならないのは、彼の奥方が何で「非通知」の電話に出たのかという点だ。それだと解っていたのならば、絶対に出てはならないのだ。私には余所様の電話機がどうなっているか知る由もないが、ナンバーデイスプレー方式でなくとも「非通知」と解るものなのだろうか。

実は、昨日も我が家の固定電話にも「非通知」がかかってきていた。そこには「非通知」の表示が出ているし、電話機が自動的に着信拒否すると解っていたので、何時切れるかを見ていれば良かっただけのことだ。斉藤家では「非通知」と知って出てしまったのが痛恨の失敗だったと思う。ここで改めて斉藤家にお薦めしたいことは「ナンバーデイスプレー方式の電話機に切り替えること」だ。既に詐欺集団内には「あの家はカモだった」との知らせが回っている恐れがあると思う。

正直なところ、本当に嫌な時代になったものだと思っている。私は嘗て携帯電話が20世紀最悪の開発商品で、スマートフォンが21世紀最悪の開発商品だろうだと指摘したが、固定電話機も詐欺集団に悪用される古き悪しき商品になってしまうとは考えたこともなかった。

我が国の外交交渉術の問題点の考察

2019-03-05 08:56:09 | コラム
麗事に流れていなかったか:

私は何度でも言うが「何を怖れているのか知らないが『論争と対立』を回避しようとしている姿勢が見えている」ところに問題があると思っている。「一国の利益や権益を守る交渉をする際には綺麗事では済まないのだ」と肝に銘じて事に当たるべきだ。そういう交渉を推し進めるのは馴れてきてもかなり度胸が必要となるが、そこを乗り越えなければ、何時まで経っても我が国は相手に舐められてしまう結果になりかねないのだ。

その点について週刊AWACS氏は昨年の3月4日に下記の通り論じておられた。

我が国のように相手に譲歩ばかりしたために今の複雑な日韓関係を作ってしまった。米国はよく見ている筈、また、文大統領の親北融和姿勢も米国にとっては厄介な代物、両国ともに一筋縄ではいかない面倒な国である。>

これに対する私の見解は以下のようにものになる。

誠にご尤もです。長年アメリカの大手メーカーの日本駐在マネージャーとして対日交渉に従事し経験を積んだ者として、その後も外務省や民間の企業等の外国との姿勢を見ていますと「落としどころか妥協点を探ろうと努める」、「相手の顔を潰さないようにしよう」、「論争を避け、対立を回避する」、「これを言うことで失うものがありはしないかと怖れる」という態度が読み取れました。であれば、指摘されたように韓国が相手でも「譲歩」ばかりになったのでしょう。そうは言いましたが、現在ではこれらが変わっていればお許しを。
となっていた。

私がここで上記のような指摘するくらいだから、アメリカ側は日本側の交渉の姿勢と考え方を十分に読み切っていたのである。故にアメリカだけではなく、韓国にも「これを言っても先ず何も失わない」とばかりに交渉を始められてしまったのだろうと思う。ここで看過できないことは「韓国にはアメリカの4年制の大学とビジネススクールに留学しMBAを取得した者が、特に財閥系の企業のオウナーの子息等に数多くいる点」なのである。即ち、彼らはある程度以上にアメリカ式交渉術の骨子を習得していると思えるのだ。

我が国からも勿論Ivy League等の有名私立大学でMBA取得者はいるが、「企業から派遣された者たちも含めて、彼ら我が国からの留学生はと言えば、アメリカの大学にとって所詮はお客様である事が間々あり、英語力に問題なしとはしない」と私の友人でスタンフォード大学、プリンストン大学、ペンシルベニア大学等のビジネススクールで教えた経験があるYM氏は語っている。

それのみならず、私が経験上も強調したい点は「彼らの中に入ってアメリカ人の文化に加えて思想・信条・哲学・思考体系に馴れた上で仕事をしてみて、初めて彼らの仕事に進め方や交渉術の実態を知る機会が生まれるのだ。これはアメリカに駐在するとか留学しただけでは窺い知ることは非常に難しいことだと、信じている。そうである以上、そのようなアメリカ人の企業社会の文化の中で仕事をしてきた者たちは「もっと寄り積極的にその経験談を語り、相互の違いを解説すべきだ」と私は考えている。

私が知る限り、歴代の内閣にはアメリカの大学に留学経験者が相当数おられるが、遺憾ながら諸外国との交渉に強気に「これを言うべきだ。言っても失うものはない」と真っ向から(英語で)切り出した大臣は、現職の河野太郎氏以外にはいなかったようなのだ。私には外交交渉を相手の機嫌を損ねないような綺麗事で済ませるとか、フェアープレー賞を獲ってきても何の役にも立たなかったのは遺憾ながら歴史が証明してしまっているとしか思えないのだ。

言い方を変えれば「トランプ大統領に向かっても『殿。失礼ですが、そのお説は歴史的事実を弁えておられないご発言です』と断言するくらいの勇気を当たり前のように発揮すべきだ」でもあり、文在寅大統領には「貴方様のご発言はこことここで条約違反であり、国際的には通用しませんよ」くらいを真正面から言って聞かせるべきだと言うことだ。