(写真 中国・貴州省 黎平県にて)
製作地 中国・海南島 中南部山岳地帯
製作年代 20世紀半ば
民族名 黎(リー)族
素材/技法 木綿、絹、染料/平織り、縫取織、刺繍
黎(リー)族は、新石器時代には既に海南島に生活していたと考えられているこの島の先住民であり、彼らの染織については古い時代から史書に記載されるほど、その技術の高さで誉が高く、また中国歴代皇帝への献上品等としても扱われてきたことが知られております。
本品は、手紡ぎ・手織りの木綿布を黒染料で染めた黒の服地をベースに、多色絹糸遣いの縫取織と刺繍を巧みに交えた精緻な装飾がなされたもの、繊細な糸遣いによる端整かつ独自の様式美を有する加飾は、長きにわたる染織・刺繍の伝統を有するリー族ならではの高度な技巧と意匠の新鮮味を薫らせるものとなります。
●本記事内容に関する参考(推奨)文献
中国工芸美術叢書〈中国少数民族染織刺繍篇 4〉広東黎族染織刺繍 (1982年)