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令和・古典オリンピック

令和改元を期して、『日本の著名古典』の現代語訳著書を、ここに一挙公開!! 『中村マジック ここにあり!!』

歴史編(7)浜松が枝を

2009年07月31日 | 歴史編
【掲載日:平成21年6月24日】

磐代いはしろの 浜松がを 引き結び
           真幸まさきくあらば またかへり見む

【有間皇子の無念を宿すかの藤白坂】


皇子みこは 紀の湯へと 引き立てられて行く
皇太子 中大兄皇子なかのおおえのおうじの 尋問が待つ
赤兄あかえめられた)
無念の思い かたない 有間皇子ありまのみこ

時に 斉明天皇四年(658) 
中大兄皇子は 天皇と 紀の湯に 
密命を帯び 皇子みこを おとなう 蘇我赤兄そがのあかえ 
赤兄は言う 
皇子みこ 今の世を どう見られる
 民に 不満が つのっております
 さきごろ お亡くなりの 父君孝徳帝は 皇太子に殺されたも同然 
 留守の今こそが 好機」 
有間皇子は 乗ってこない 
赤兄 更に言う 
「今の政治まつりごとに 三失あり
 一に 大いに倉を建て 民の財を・・・」 
皇子みこ 弱冠十九歳
狂気よそおいつつも 胸に秘めた思いに 火が
紀の湯へ 早馬は飛ぶ 

無実信じるか 有間皇子ありまのみこ
あきらめ果てるか 有間皇子
ここ 岩代いわしろ地霊ちれいに 祈るは何

磐代いはしろの 浜松がを 引き結び 真幸まさきくあらば またかへり見む
《松の枝 結んで祈る 無事ならば 礼に寄ります 岩代いわしろの神》
                         ―有間皇子―(巻二・一四一)
家にあれば に盛るいひを 草枕 旅にしあれば しひの葉に盛る
《家ならば うつわに供えて 祈るのに 旅先やから しいで供える》
                         ―有間皇子―(巻二・一四二)

尋問を 無事終えた有間皇子みこ 待つは 藤白坂の悲劇



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