【掲載日:平成25年4月26日】
朝寝髪 我れは梳らじ 愛はしき 君が手枕 触れてしものを
大人ならでは 詠えん歌も
激し思いを 滾らせ噴かせ
まだ共寝足りんと 女は強請む
寝乱れ髪も 梳かんで措くと
刈り薦の 一重を敷きて さ寝れども 君とし寝れば 寒けくもなし
《薦筵 一枚だけの 寝床やが あんたと共寝たら 寒無いのんや》【正述心緒】
―作者未詳―(巻十一・二五二〇)
ま隠刈る 大野川原の 水隠りに 恋ひ来し妹が 紐解く我れは
《潜り水 忍び焦がれて 今やっと 解いとるんや お前の紐を》【寄物陳思】
―作者未詳―(巻十一・二七〇三)
沖つ波 辺波の来寄る 左太の浦の この時過ぎて 後恋ひむかも
《至福時 あんた逢うてる この今が 過ぎて仕舞たら また焦がれんか》【寄物陳思】
―作者未詳―(巻十一・二七三二)
(左太→時)
明けぬべく 千鳥しば鳴く 白栲の 君が手枕 いまだ飽かなくに
《もう朝と 千鳥鳴きよる まだうちは あんたと共寝るん 足らへんのんに》【寄物陳思】
―作者未詳―(巻十一・二八〇七)
朝戸を 早くな開けそ あぢさはふ 目が欲る君が 今夜来ませる
《朝の戸を 早々開けな 昨夜から 愛しあの人 来てはるんやで》【正述心緒】
―作者未詳―(巻十一・二五五五)
人目守る 君がまにまに 我れさへに 早く起きつつ 裳の裾濡れぬ
《人目避け 帰るあんたに 付き合うて 早よに起きたら 裳裾濡れて仕舞た》【正述心緒】
―作者未詳―(巻十一・二五六三)
朝寝髪 我れは梳らじ 愛はしき 君が手枕 触れてしものを
《朝乱れ髪 うち梳かんとく 大好きな あんた触った 髪なんやから》【正述心緒】
―作者未詳―(巻十一・二五七八)
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