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令和・古典オリンピック

令和改元を期して、『日本の著名古典』の現代語訳著書を、ここに一挙公開!! 『中村マジック ここにあり!!』

古今相聞往来(上)編(05)妹が笑(ゑ)まひし

2012年11月27日 | 古今相聞往来編(上)
【掲載日:平成24年11月27日】

燈火ともしびの 影にかがよふ うつせみの いもまひし 面影おもかげに見ゆ




あの 児手に入れ 男ははしゃぐ
他人ひとに知れたら ぬすまれそうで
嬉し気持ちの 頬強張こわばらせ
 に隠して 心ではしゃぐ

相見あひみては 幾久いくびささにも あらなくに 年月としつきのごと 思ほゆるかも
うてから まだ何日も たへんに もう何年も ったおもう》【正述心緒】
                          ―作者未詳―(巻十一・二五八三)
  
駅路はゆまぢに 引き舟渡し ただ乗りに いもは心に 乗りにけるかも
《渡し船 向岸きしぐや ぐに あの児わし胸 はいり込んだで》【寄物陳思】
                          ―作者未詳―(巻十一・二七四九)
  
あぢのむ 渚沙すさ入江いりえの 荒磯ありそまつ を待つ子らは ただ一人ひとりのみ
渚沙すさ入江いりえ 荒磯あらいそまつ 一本ひとつだけ わしぉは 一人ひとりだけやで》【寄物陳思】
                          ―作者未詳―(巻十一・二七五一)
                                (荒磯ありそまつつ)
燈火ともしびの 影にかがよふ うつせみの いもまひし 面影おもかげに見ゆ
燈火ともしびの 火影ほかげに揺れて 光ってた あの児笑顔えがおが 目ぇ浮かぶがな》【寄物陳思】
                          ―作者未詳―(巻十一・二六四二)
  
大船おほぶねに 葦荷あしに刈り積み しみみにも いもは心に 乗りにけるかも
大船おおぶねに 積んだ葦荷あしには 山盛やまもりや わしこころなか あの児山盛やまもり》【寄物陳思】
                          ―作者未詳―(巻十一・二七四八)
  
息のに 妹をし思へば 年月の 行くらむわきも 思ほえぬかも
《わしあの児 いのちおもたら 年月が 過ぎて行くのん うわの空やが》【正述心緒】
                          ―作者未詳―(巻十一・二五三六)




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古今相聞往来(上)編(04)下いふかしみ

2012年11月02日 | 古今相聞往来編(上)
【掲載日:平成24年11月2日】

まよき したいふかしみ 思へりし いもが姿を 今日けふ見つるかも



うた二人は 焦がれが晴れる
晴れた 焦がれは 直ぐまた募る
逢えんつらさを 振る袖たく
まぶた浮かべる お前の姿
うたえたで いとしいお前
 たで来たがな 待ってたあんた

昨日きのふ見て 今日けふこそへだて 我妹子わぎもこが 幾許ここだくぎて 見まくししも
昨日きのうて 今日の日えん だけやのに なんでいとて たまらんのやろ》【正述心緒】
                          ―作者未詳―(巻十一・二五五九)
  
水底みなそこに ふるたまの でず よしこのころは かくてかよはむ
《当分は そっと見えん かよおうか 見えん水底みなそこ える藻みたい》【寄物陳思】
                          ―作者未詳―(巻十一・二七七八)
  
たまの あひだも置かず 見まくり が思ふ妹は いへどほくありて
置かんと ずっといたい お前やに お前住むとこ ろ遠いんや》【寄物陳思】
                          ―作者未詳―(巻十一・二七九三)

白栲しろたへの 袖はまゆひぬ 我妹子わぎもこが 家のあたりを やまず振りしに
《わしのそで ほつれて仕舞しもた お前る 家の向いて 振り続けたで》【正述心緒】
                          ―作者未詳―(巻十一・二六〇九)
  
敷栲しきたへの 衣手ころもでれて を待つと あるらむ子らは 面影おもかげに見ゆ
《ここんとこ わしにえんで 待ってる児 おもたら目先 ちらつき見える》【正述心緒】
                          ―作者未詳―(巻十一・二六〇七)
  
まよき したいふかしみ 思へりし いもが姿を 今日けふ見つるかも
まゆかゆて ひょっとしたらと おもてたら お前姿を 今日見たのんや》【正述心緒】
                          ―作者未詳―(巻十一・二六一四 一書)
                                (眉が痒い=逢える前兆)

まよき したいふかしみ 思へるに いにしへ人を 相見あひみつるかも
まゆかゆい なんでやろかと おもてたら むかし馴染なじみの あんた来たがな》【正述心緒】
                          ―作者未詳―(巻十一・二六一四)
  
うつつにも いめにも我れは 思はずき りたる君に 此処ここに逢はむとは
《ほんまにも 夢にもうちは 知らなんだ 馴染なじんだあんた ここでうとは》【正述心緒】
                          ―作者未詳―(巻十一・二六〇一)




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