本の迷宮

漫画感想ブログです。「漫画ゆめばなし」(YAHOO!ブログ)の中の本の感想部分だけを一部ピックアップしています。

小公女  (フランシス・H・バーネット)

2005-07-02 07:46:16 | 児童書
実はこの本、めちゃくちゃ大好きなんです。

少女漫画より、少年漫画!
恋愛ドラマより、アクション!
…という私なんだけど、何故かこれは非常に気に入ってる。

小さいとき読んだ挿絵が美しかったからかもしれない。
セーラの大好きなお人形、エミリーのようなお人形がとっても欲しかった。
その影響か、今でも人形は好きである。

話は有名過ぎるぐらい有名だと思うので、詳しくは書かないが、私が好きなのは、ラム・ダスが部屋に色々なものを持ち込んで、まるで部屋が素敵な魔法にかかったようになる所からである。
父親の死を知らされる所までは、あまり読みたくない。もう少しであのシーンだと思うと辛くなるから…。
こき使われている所も好きではないが、もう少ししたら、いいことが起きるのだ。と思って辛抱して読むことが出来る。(笑)

これは、最後がハッピーエンドになるのを知ってるから、好きなんだろうなーと思う。
基本的に私はハッピーエンドの話の方が好きである。

しかし、子供の頃から少し気になっていた部分がある。
下働きのベッキーが、最後にセーラ付きの侍女になる所だ。
あれだけ、一緒に苦労して、随分ベッキーに助けられたのだから、セーラはベッキーを「侍女」にしなくてもいいじゃないか!と思うのだ。
義理の妹というのは無理でも、「友人」待遇には出来ないのか!?
ベッキーもセーラも他の皆も、それに何の疑問も持たないのは何故?
ベッキー、それで本当に嬉しいのか???

結局、当時の身分差別というもので、誰も疑問に思わず、それが当然なんだ。と(作者を含めて)考えられていた。という事なんでしょうね。

お金持ちは貧しい者に恵んでやるのが当然。というような箇所も、よくある。うーーん。何か違うぞ!!
親切なようで、それでも何か釈然としない。
「金持ち」と「貧乏人」は、そもそも住む世界が違うという事か??平等ではないのか?

ま、そんな事を考えると、この作品がつまらなくなってしまうんですけどね。

ちょっと、「当時の世間の考え方」っていうものが、垣間見える作品だとも言えますね。

BY:みやびちと

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