本の迷宮

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パイナップルARMY (漫画:浦沢直樹 原作:工藤かずや)

2007-11-04 19:08:14 | 漫画家(あ行)
この作品は原則として一話完結なので、非常に読み易い。
絵は最近の方がシャープなタッチになっているので、それに慣れている人が初めて見たら少し違和感を感じるかもしれない。

ジェド・豪士という元傭兵が、戦闘レクチャーをする。
基本的に彼は戦い方を教えるだけで、実際の戦いはレクチャーを受けた人物がする。という設定。
ただし、結局は豪士が直接手伝う方が多い気もするけどね。ま、それは仕方ないでしょう。
普通、元傭兵とかいう設定だと、安易にボディガードという設定にしそうなものなのに、戦闘レクチャーというのが少々ユニークで面白い。

レクチャーを受ける人たちは老若男女様々な理由で戦う訳なのだが、中高年の男性が圧倒的に多い。
イヤになる程、おっさん、じーさんばっかりが次から次へと登場して来る。
それがいい。(さっき、「イヤになる程」と言ったじゃないか?と突っ込まないように!「イヤになる程」良いのだ!)(笑)

おっさん、じーさんたちは、それぞれ暗く哀しい過去を背負っている場合が多い。
若い頃読んだら、ふーーん。ぐらいで、それ程感じることもなかったかもしれないが、
人生の折り返し地点を過ぎたと思える歳になって読むと、何だか身につまされるような気もする。
勿論、私に壮絶な過去なんてあるわけないし、戦闘レクチャーを依頼しなくちゃならないような事もないんだけどね。
何となく、登場人物たちの「悲哀」とか「思い」とかを、
若い頃よりは深く感じることが出来るようになった。って事かな?

「戦争」なんていうものは、遠い絵空事のようにしか感じる事の出来ない私だけど、
実際、世界には、毎日「死」の恐怖に怯えながら暮らしている人間も多く存在するわけで…。
自分には一体何が出来るのか、わからないけれど、
せめて最低限、私の周りにいる人達を不幸にしない、そんな人生を送りたい。
…と、この作品には直接関係はないんだけど、思ったわけだ。

何となく自分の「人生」を考えてみたくなる。そんな作品だ。


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