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本の迷宮

漫画感想ブログです。「漫画ゆめばなし」(YAHOO!ブログ)の中の本の感想部分だけを一部ピックアップしています。

21世紀少年 上巻 (浦沢直樹)

2007-06-01 09:05:24 | 漫画家(あ行)
(2007年6月4日発行)

上巻ということは、そのうち下巻が出るんですね。

しかし、今回は「21世紀少年」・・・「20世紀少年」ではありません。

しかも「20世紀少年」は、1~22巻発売中・・・で、<全22巻>とは書いてないのです。
「21世紀少年」が終わった後、また「20世紀少年」が続くのでしょうか?
そんなことありませんよね?
だって帯に「20世紀少年 最終章」って書いてますものね?

そもそも、どうして「21世紀少年」なんでしょう?
「20世紀少年」はケンヂたちのことだと思ってたのだけど、
「21世紀少年」というのは、また別にいるのでしょうか???

わからないことばかりです。
はやく全てを明らかにして欲しいです。

AKIRA (大友克洋)

2007-05-10 08:38:57 | 漫画家(あ行)
(ヤングマガジンにて、1982年12月20日号から1990年6月25日号にかけて連載)

1984年(昭和59年)度、第8回講談社漫画賞一般部門受賞

AKIRA(28号)は鉄人28号のオマージュ。
主人公の金田は(金田正太郎)。
島鉄雄は『鉄人28号』に登場する敷島博士の息子、敷島鉄雄を由来としている。また、鉄人を捩っている。
大佐の苗字は敷島。『鉄人28号』で鉄人計画に関わり鉄人28号を開発した敷島博士。


まあ、とにかく全編、破壊、破壊、破壊・・・。
これはビル崩壊シーンの緻密な描写の出きる大友克洋にしか描けない漫画かもしれない。

脇役だがチヨコおばさんが結構気に入っている。
初めて登場した時は、割烹着を着たいかにも<おばさんルック>それが、メチャクチャ強い!!
そういうギャップが面白いと思っていたら、その後は普通の戦闘ルック。
まあ、いいけどね。
とにかく性格がいいよね。
私は、こういうキャラがお気に入りなのです。

大佐も好き。
ハゲの大男!!・・・考えてみたら何故か私が好きな男性キャラにはこの手のタイプが多い。
何故なんでしょうね~?(笑)

ミヤコもなかなかいい味出してるよね。
こういうタイプも結構好き。

・・・って、どれもちょっと一癖も二癖もあるタイプかな?

「エイジ」 (江口寿史)

2007-04-26 07:56:08 | 漫画家(あ行)
(「月刊フレッシュジャンプ」1984年9月号~1985年3月号
「ベアーズクラブ」1991年2月号~4月号
「ベアーズクラブ」1990年10月号掲載)


この2004年に出版された文庫版には「エイジ」「エイジ2」「エイジ」’85が収録されている。
この作品も残念ながら未完である。

ちばてつやが好きで「あしたのジョー」に憧れてボクシング漫画を描いたらしい。
確かに江口寿史の初期の絵柄はちばてつやの影響を色濃く受けている。

「エイジ」はいいけど、やっぱり未完であるからストーリー的にどうこう言えない。

絵は洗練されていて綺麗だ。
しかし、ボクシングシーンになると、集中線や動線、擬音で一生懸命に動きや迫力を出そうとしているのはわかるが残念ながらいまひとつ物足りなさを感じる。
どうも、この人は止まっているイラスト的な絵の方が上手いようだ。

ただ、「エイジ」’85になると、動きの部分がかなり上達していて、一瞬の動きをストップさせる事によって迫力といったものが上手く表現されているように思える。


やっぱり、これは未完のままにしておくには惜しい作品だ。

江口寿史の爆発ディナーショー (江口寿史)

2007-04-23 10:54:20 | 漫画家(あ行)
「 weekly漫画アクション」(双葉社)誌上において1988年7月5日号から1989年9月12日号まで2色カラーで連載

第38回(1992年)文藝春秋漫画賞受賞作品


この作者は遅筆な事で有名である。また、放棄することでも有名。
或いは「漫画を描かない漫画家」などと言われることもある。
まあ、正確に言えば、現在は「漫画をほとんど描かない漫画家」なのかもしれない。


収録作品はどれも面白いのだが<漫画パロディシリーズ >
『わたせの国のねじ式』、『カジワラ』、『デュークの日々』、『コンダラ』、『家族写真』
が、かなり笑える。


この中に二作、少女漫画を題材にしたものがある。
大友克洋の少女漫画風作品は不愉快だったが、江口寿史のものは素直に面白いと感じた。
この差は一体何なんだろうか?


『ニューミュージック・イメージコミック "魔法の鏡" 』
題材は荒井由実の『魔法の鏡』。
画風は陸奥A子。
それなのに内容はめちゃくちゃ下ネタ!
そのギャップが面白い。
ぱっと見た感じはどこからどう見ても少女漫画で違和感は全くない。
こういう雰囲気は大友克洋には無理なのだろう。



『 恐怖の同人誌漫画を添削する 』
作者の元に届いた同人誌漫画原稿の一部を、江口寿史が添削して赤ペンでチェックするという作品。
当時の同人誌を知っている人が見ればめちゃくちゃ納得して、めちゃくちゃ笑える作品。
しかし、この添削される作品、作者本人が描いたにしてはあまりにもリアルに下手すぎる。(ごめんなさい)
もし、真面目に描いた人がいるのなら、その人に対して失礼ではないかと思って調べてみた。
すると・・・この同人誌漫画を描いたのは、
現在は一條 裕子(いちじょう ゆうこ)という名前で漫画を描いているプロの漫画家さんらしい。
申し訳ないがこの人のことは全く知らなかったのだが結構面白そうな漫画を描いているようだ。
絵もかなり上達している。
江口寿史を師匠としてかなり頑張ったようだ。
デビューは1992年という事で、この作品が1988年だから4年間、アシスタントして力をつけたのかもしれない。

監督不行届 (安野モヨコ)

2007-04-21 07:07:37 | 漫画家(あ行)
(2005年発行)

<帯に書かれた言葉より>
マンガ界のクイーン★安野モヨコが
オタクの教祖★庵野秀明にヨメ入り!


安野モヨコの夫が庵野秀明。。。
庵野秀明って<オタクの教祖>??


う~~~ん、どっかで聞いた事あるような気がするけど、その人ダレ?
・・・っていう感じだったのよね。
ごめんなさい。
凄い人でしたね。


「王立宇宙軍」メカデザイン、作画監督
「トップをねらえ!」監督
「ふしぎの海のナディア」総監督
「新世紀エヴァンゲリオン」監督
「キューテイーハニー」実写映画の監督
「Re:キューテイーハニー」('04)アニメシリーズ総監督


まさしく
オタクの教祖
と呼ぶに相応しい人ですね。(笑)

・・・で、実話と創作が入り混じったこの作品。
面白いです。
オタクと結婚したらこうなっていく・・・というような話が面白おかしく描かれています。
実に楽しそうな夫婦生活。
車のBGMは勿論アニソンや特撮!
運転しながら夫婦で歌いまくる!!
夢のような生活・・・。(笑)

因みに私の車の中にはアニソンのCDが山ほどありますが、ダンナの車の中には一枚もありません。

この本のあとがきを庵野秀明が書いているんだけど、実にいい内容。
この人って、物事を冷静に判断出来るし、素直に自分の思いを語れるし、いい人なんだな~って感心してしまいました。



<あとがきより一部抜粋>
いわゆるオタクの内包的特長を挙げると、
内向的でコミュニケーション不全、つまり他者との距離感が適切につかめないとか、
自己の情報量や知識量がアイデンティティを支えているとか、
執着心がすごいとか、
独善的で自己保全のため排他的だとか、
会話が一方的で自分の話ししかできないとか、
自意識過剰で自分の尺度でしか物事をはかれないとか、
ナルシスト好きだとか、
肥大化した自己からなりきり好きであこがれの対象と同一化したがるとか、
攻撃されると脆い等々、
とかくネガティブイメージの羅列になってしまうのですが、そこらを有りのままに描いているのがいいですね。
幻想としてのオタク像ではなく、真実の姿を分相応に描いて世間に示しているとこが好きです。
(中略)
嫁さんのマンガのすごいところは、マンガを現実からの非難場所にしていないとこなんですよ。
(中略)
読んでくれた人が内側にこもるんじゃなくて、外側に出て行動したくなる、そういった力が湧いて来るマンガなんですよ。
(中略)
自分よりも才能があると思うし、物書きとしても尊敬できるからこうして一緒にいられるんだと思います。



自分の妻の良いところを素直に認めて、素直に褒める。
そういう事をさらりと衒いなくやってのける庵野秀明ってすごいと思う。
しかも、自分自身の事も冷静に分析している。
とにかくオタク分析がスゴイ!!お見事!!と思わず拍手してしまいそうになりました。(笑)

こういう事が出来るからこそ、あれらの作品の監督が務まるんだな~って、非常に納得したのです。


彼女の想いで・・・ (大友克洋)

2007-04-19 13:27:26 | 漫画家(あ行)
(1990年発行)

1980年前後に描かれた短編集。


良くも悪くも、大友克洋だな~~~っていう感じの作品ばかり。


この中で好きな作品は、
「That's Amazing World」かな?
かる~く読んで、フッと鼻先で笑うっていう感じ。


どの作品にも共通しているんだけど、世の中を一歩はなれた所で鼻先でせせら笑って見ているという雰囲気がする。
それが、あの当時、あの時代の雰囲気なのかな~?

OZ (樹なつみ)

2007-02-19 10:10:08 | 漫画家(あ行)
(1988年~1992年掲載)

1990年10月15日
第三次大戦勃発。最初の核ミサイルが爆発してから40分後この大戦は終結する。
数日後、「核の冬」が地球をおおう。
半年続いた「核の冬」の為、穀物は完全に枯死。
生存者中25億人が凍死 餓死する。
各政府は壊滅状態に陥り、全世界で「内乱」が多発する。

かくて 地球規模での戦国時代が到来した



・・・という設定。
この話は第三次大戦より31年後。
OZを目指して傭兵のムトー、工学博士フェリシアたちが旅立つ・・・。


「オズ」といえば、「オズの魔法使い」を連想させる。
これは、「オズの魔法使い」のパロディでもある。
ムトーは「臆病なライオン」。


「オズの魔法使い」でオズは本当の魔法使いではなかったように、
この「OZ」もまた、ある意味「まがい物」。


OZに行く事によってムトーたちは精神的に成長する。


SFであり、アクションであり、おとぎ話でもあるこの作品。
とってもよく出来ていると思う。


テーマの一つとして、「人間(ひと)とは何か?」ということが、
擬似生命体であるサイバノイドを通して語られている。


「人間(ひと)とは何か?」
・・・人間(ひと)としてどう行動すべきか?
生きるとはどういうことなのか??
その問題提起はきっと読者ひとりひとりの胸に強く訴えかける物があると思う。



ただひとつ残念なのは、私がこれを読んだのがつい最近だということ。
若い頃に読んでいたら・・・いや、せめてリアルタイムで読んでいたら、
もっと感情移入が出来て大好きな漫画のひとつになったかもしれない・・・。
どうも、この歳になるとなかなか素直に感情移入出来ない自分がいていやになってしまう。
本当に歳は取りたくないものだ・・・。(笑)


五つの箱の物語 (今市子)

2007-02-14 09:40:49 | 漫画家(あ行)
(1999年発行)


1993年~1996年にかけて描いた短編9作が収録されている。
所謂「埋もれていた作品」らしい。
作者にとっては古い作品だから、ちょっとつらい・・・。と書いていたがファンにとっては初期作品が読めるのは嬉しい限りだと思う。


「五つの箱の物語」
これは一つの作品の中に箱が五つ出てくるのではなくて、
「箱」をテーマに16ページの連作を5本描いたもの。
テーマが面白いものだから、色んな話が出来ると思う。
ここでは5本しかないが、もっと何作もこのテーマで描いていたらもっと面白いものが出来たかもしれない。



「図書室で会いたい」
登場人物の変な柄のシャツを全部手描きで描いているようだ。
ガラトーンの種類があまりなかった頃らしいが、
そういえば昔はそうだった。今は驚くほど多くの柄のトーンがありますからね。
楽といえば楽だろうけど、柄を手で描いた方が味があっていいよね。


一応、BL風味?だけど非常にソフトなのでBLが苦手な人にも読みやすい作品となっている。



砂の上の楽園 (今市子)

2007-02-13 08:11:58 | 漫画家(あ行)
短編が4つ入っている。
「砂の上の楽園」はこの作者にしては非常に珍しい「SF」!!
あとの3作品は「百鬼夜行抄」の雰囲気を漂わすいかにもこの作者の作品だ~!という感じ。

この中で私が一番気に入ってるのは、この本を出す時にページ数が足りなかったので、なんか一つということで「主人公が女の子」というだけの理由で選ばれたという作品。
・・・えぇ~~っ!内容的に私これが一番好きなんだけどなぁ~~!!(苦笑)

「僕は旅をする」
電車にはねられ弟が死んだという知らせがくる。
その後、姉のひとみは弟が旅館に泊まっていたという知らせを受け、弟に会うために弟の後を追う。
しかし・・・結局弟は・・・

という話なんだが、この一家の動揺している状態など心理描写が素晴らしく良く表現されている。
最後のオチも何かいい。

哀しい話なんだけど、何となく「安堵感」?を感じさせる作品。

あしながおじさん達の行方 (今市子)

2007-02-12 13:42:33 | 漫画家(あ行)
(1998年~2000年)

一応「花音コミックス」なのでBLの分類なのかな?
しかし、同性愛者のカップルやオカマバーの人たちも登場するが、
ハードな描写もないし、テーマは「BL」とは無関係だから
BLが苦手な人にも十分読める作品だと思う。

4歳の時から施設で育った主人公「春日」
善意から匿名で大学までの学費を援助しようとしてくれていた「あしながおじさん」に
一言お礼を言おうと捜すうちに5人の「あしながおじさん」がいる事を知る。
彼らはどういう理由で「あしながおじさん」になったのか?
そもそも自分の親は誰なのか?どこにいるのか??
探れば探るほど「謎」は深まるばかり・・・


これは「ヒューマンドラマ」というのだろうか??
複雑に絡んだ人間関係。
この作者お得意?の親族入り乱れたドタバタコメディ・・・とでも言えばよいのだろうか?

お得意と言えば「妖怪」もお得意なのだが、これには全く出てこない。
「妖怪」より ずっと「妖怪」っぽい人間がいっぱい出て来てるから??(笑)


ラストはとりあえず収まる所に収まった・・・という感じで、まあ、一応こういうのも
ハッピーエンドになるのかなー??

幻月楼奇譚 (今市子)

2007-02-11 00:32:22 | 漫画家(あ行)
少女漫画で「男芸者」の物語を描く・・・って非常に珍しいのではなかろうか?
いや・・・「男芸者」なんて言っても意味が分からない方の方が多いのではないだろうか?

「男芸者」・・・要するに「幇間」(ほうかん)「太鼓持ち」(たいこもち)。
「酒宴の席で面白おかしいことを言ったり、芸者のまねや余興をしたりして客と芸者との間を取り持つことを職業とする男。」
・・・の事である。
しかし、・・・
「他人が喜ぶようなことや心にもないお世辞を言って自分の立場を有利にしつつ世の中をうまく渡る心の卑しい者にたとえられる。」
という意味の方でよく使われているような気がする。

それを漫画の主要人物にしてしまうこの作者の「感性」はちょっと変わっていて面白い。

<吉原の「料亭」を舞台に
人の世の欲望とあやかしが織り成す不思議な世界。>

なかなか味わいのある世界である。

時代設定は
「いつの頃か限りなく昭和初期に近いある時代の事」

ある意味凄くいいかげん・・・ではあるが、
作者が開き直って言っているように
「SF」「ファンタジー」「架空の世界」「時代物じゃない」「とんでもない話でもあり」
・・・で、いいと思う。

時代考証を考えなくてもこういう作品は面白ければいいのです。
読者は「つまらない真実」よりも「面白い嘘」の方が好きなのです。

・・・と私は思っているんですけどね。


ちょっぴり「同性愛風味」あり・・・ちょっぴり「怪奇風味」あり・・・
今市子テイストたっぷりの作品である。

大人の問題 (今市子)

2007-02-10 00:36:21 | 漫画家(あ行)
この人の作品には親、兄弟、祖父母、叔父、伯父、叔母、伯母、従兄弟、等、実に様々な親族が、よくでてくるんですよね。
漫画において、こういうタイプはちょっと珍しいのではないかと思うのですが・・・?
実生活において大家族で育ったのか、親戚がよく集まる家庭だったのか、あるいはその逆で大家族的なもの、大勢の親戚というものに憧れているのか・・・
どうでもいい事なのだけど何となく気になるのです。

さて、この作品は実にメチャクチャな設定
・・・主人公が五歳の時に父親が「ゲイ」に目覚め、両親が円満離婚。
二十歳の時、その父親が26歳の男と結婚!!
うーん・・・こんな話、実際あるのか?
・・・あるかもしれない・・・。
自分がそうなったら、どうしよう?
・・・父親がゲイ・・・っていうのは実際には絶対ないが、そうなら、ある意味面白い?
美形の男と結婚してくれたらいいけど、ブ男はイヤだなー!
ダンナがゲイの場合もやっぱり美形と結婚して欲しい・・・。って、そういう問題ではないような気がするのだけど・・・まあ、いいか。

花音コミックスというのはボーイズラブなのでは・・・と思うのだが、この人が描くと「これ、ボーイズラブ??」・・・と言いたくなるのは私だけ?
あまり、生々しくない所が私は気に入ってるんですけどね。

孤島の姫君 (今市子)

2007-02-09 08:47:21 | 漫画家(あ行)
「沈黙」(2000)
この作者は「今市子トリック」とでもいうべき?一種のトリック的な手法を使う事がある。
そのトリック的手法とは、
『眼に見えているもの(画面に描かれているもの)が正しい姿とは限らない。』
・・・という事だ。

この作品では少年の姿で描かれているサリオが実は猿だった。・・・とか、
「沈黙の国」の人たちにはほとんど視力がなかった。・・・とか、

最後になるまで気が付かず、読者としては「また、だまされた!!」という気分になるのだが、それがまた非常に面白い。

この作品で「沈黙の国」と「暗闇の国」の価値基準が違ってて、
極端に聴覚に偏った「沈黙の国」では見た目よりも声の美しさが尊重されている。という設定だ。
声がハスキーボイスのニザートは「沈黙の国」では美人ではないが、
「暗闇の国」では凄い美人!!
うーーーん。確かに美しさは時代と国の価値基準で違うからなぁ~~。

私だっていつかの時代のどこかの国に行けば「美人だ!」と言ってもらえるかもしれない!!!
・・・なんて事をちょっと思ってしまった。(本当にそんな所あるのか??・・・爆笑!)



「真夜中の食卓」
見ず知らずの者同士が人里離れた山中で一夜を明かす。
その中には、もしかするとコンビニ強盗も混じっているかもしれない・・・??
・・・という感じの話で、所謂ミステリーものになるのかな??

何故かルーマニアから来た吸血鬼が二人いて、「流しそうめん」で逃げていく!・・・というのが非常に笑える!
吸血鬼ものは好きなので色々読んでいるが「流しそうめん」で逃げる吸血鬼はこれ以外には知らない!「流れる水」=「流しそうめん」という発想が素晴らしい!!(笑)



「遺影がない」
この作者お得意の「親戚うじゃうじゃ状態(笑)」の漫画。
8ページの短編だが、これも結構笑える。



「孤島の姫君」
『竜人族』の設定がちょっとユニーク。
女性兵士のオラシアスがいい。
剣が強くてしかも「剣オタク?」
将軍からのプロポーズもあっさりと断る。
断りのセリフがいい。

「将軍
私達は似た物同士二人とも兵士で
楽天家で唯金主義の俗物・・・」

「似合いの二人だ」

「では誰が私の代わりに
どうでもいい事をくよくよ悩んだり
得にもならない夢の話をしたりしてくれるでしょう
そんなろくでも無い物も人生には
必要なんだって気がしませんか?」

百鬼夜行抄 15巻 (今市子)

2007-02-08 11:30:37 | 漫画家(あ行)
(2007年1月30日発行)



先日、最新刊が出ました。

平成18年度(第10回)
文化庁メディア芸術祭マンガ部門
優秀賞受賞!!



2007年2月より日本テレビにて
ドラマ放送決定!!



う~~~ん。
ドラマね~、毎週土曜日、日本テレビの黄金の舌枠(25時20分~25時50分)で放送予定なのだそうだ。
深夜だね。
飯嶋律は細田よしひこ ・・・?
ごめんなさい。
俳優に関しては詳しくないので、どういう人か全くわかりません。

原作のイメージのようになればいいけど、難しいだろうな・・・。

調べてみると、もうはじまってるのね。
http://www.ntv.co.jp/oni/index.html
渡部いっけいの<青嵐>が結構いいかも?


・・・で、今回の15巻。
律の数少ない友人のひとりである近藤晃が、なかなかいい味出していて面白かった。
律のおじさんの開も結構いい味出してるしね。
さて、次回発行までどのくらいかかるかな~??
早く出して欲しいよね。


わたしは真悟  (楳図かずお)

2007-01-27 00:38:04 | 漫画家(あ行)
楳図ワールドのロボット物???

へび女的なものを期待して読むと、ある意味ちょっとがっかりするかもしれない。

この発想。
この展開。
まさしく楳図ワールド!・・・
次に何が起こるか予想が出来ない面白さ。
悟とまりんが東京タワーに上っていく時の不安定な構図による、めまいさえ感じられるような怖さ。
「恐怖」って言うのは何か分からないものへの恐怖以外にも、高い所にいる恐怖というのもあるんだなー・・・なんて思いながら、読んだのだが、高所恐怖症の人にはあのページを読むのは大変だったろうと思う。(笑)

ランドセル>>まりんが両親に連れられて飛行機でイギリスに行く時、ランドセルを背負ったままなんだけど、よく考えると普通それはしないでしょう。
その後、両親の元から逃げ出してさとるの所に行き、一緒に東京タワーに上る時もランドセルを背負ったまま。
邪魔にならないのかなー?と思っていると、怖がるまりんを落ち着かせる為のラジオも入っているし、30cmの高さを補う為にランドセルの上に乗るという重要な役割を担っている。
・・・もしかしてランドセルは非常に重要な小道具??
ランドセルは「子ども」の象徴であって、それを踏み越えるという事は、大人になる一歩を踏み出した。・・・という事を表しているのかもしれない。

「真悟」は初め「真理を悟るもの」という意味だと思ったが、少女の名前を「真理」にせずに「真鈴(まりん)」にしたということは、「真に悟ったもの」という意味なのか?
・・・では「鈴」の意味は?
扉絵の少女と少年。あれは一体何を意味するのか?まりんとさとるではなさそうだし・・・。
誰でもが「まりん」であり「さとる」である。というメッセージなのか?
しかし、どれも少年が少女より先にいる構図なのが少し気になる。男はいつも女をリードしていかなければならない。という意味ならちょっとイヤだな・・・と思う。
東京タワーに二人で上る時もいつもさとるが先だったけど、まりんを先にして、もしも足を滑らした時に下からささえる方がいいのでは?・・・とちょっと思ったのだが・・・?

まりんが大人になった瞬間から真悟にはまりんの姿が見えなくなってしまう。
子どもの純粋さが無くなればもう、「つまらない、ただの大人」でしかないという作者からのメッセージなのか?
いつまでも子どもの純粋さを忘れないで!と言いたいのか?
・・・確かに作者はある意味「永遠の子ども」のようにも見えるが・・・(笑)


□・△・○(四角・三角・丸)
「真悟」が初めて意識を持った時、□(四角)になる。
(四角)・・・「コンピューターはただの四角だ・・・!!」「縦と横だけの四角に、意識などない!!」「通信衛星も四角だろうか?コンピュ-ターは全部四角なのだろうか?」
すべてのコンピューターにつながった時、△(三角)になる。
すべての情報を知り、毒のおもちゃを組み立てたのが自分だと知る。
「人は急いでいる!!人は焦っている!!人は何かを感じている!!」
・・・この言葉、人が急いでいる、焦っている、感じているものは何だろう???「漠然とした不安」といったものを作者は言っているのだろうか?・・・人類への警鐘なのか?
「なぜ、わたしは毒のおもちゃを組み立てたのでしょう?なぜ、人はそれを使うのでしょう?なぜ?なぜ?なぜ?」
・・・「真悟」はこの疑問に答えを出せない。
そして、自分とつながった軍事衛星の意識のなかに「ものすごい悪意」があるのを発見する。
「間違った進化をとげた、異形の悪意だ!!」・・・そこで初めて「真悟」は答えらしきものを出す。
「あれは、わたしの心の一部なのだろうか!?わたしが造り出したものなのだろうか!?」
限界に達したコンピューターから、人間の脳につながり、○(マル)になる。
「わたしはマルになった!!わたしは、マル。全てを知った!!」
「この世の全てのものを、わたしは知った!!」
「なぜなら・・・・・・わたしは、地球。わたしは地球!!すべてのものは、わたしの一部!!」
「真悟」がマルになった、その日、世界中で死んだ人間の全てが、行きかえり、死んだ生き物の全てが蘇ったと・・・・・・いいます。」
・・・何故?「真悟」が何でも出来るという事を表現しているのか?
四角から、三角、丸と進化しているのだが、これは大いに納得。
四角は縦と横のみで不安定な形。
三角は斜めが加わり安定した形。
そして、丸は究極の安定形。
これ以上何も言う必要はありません。


悟が、引っ越した後、やって来た家族。松浦一家について

火事>>>となりに「水をくださいっ!」と駆け込み、「タバコの火がっ!!」「外から帰ったら・・・・・・!」「タ、タタミに!!」と叫ぶ妻。
夫婦で必死に火を消すが、布を掛けて中の見えないベッドの中から、「わたしを殺さないで!!」という声が聞こえて来る。
・・・この夫婦は我が子(美紀)を殺す為火をつけたのか?
ここで、夫婦が「美紀がしゃべったっ!!」と驚いているのは、今まで一度もしゃべらなかったという事か?
そして、美紀が「真悟」と電話でしゃべり出すが、そこで初めて、美紀が動くことも食べることも、見ることも聞くこともしゃべることもうまくできないことがわかる。
「わたしはあなたとお友だちになりたいの。」としゃべる美紀の横で涙を流す両親。
一度は、火をつけて殺そうとしたかもしれないが、本当は我が子を愛していることがわかる。
その後、真悟がやって来て、美紀としゃべった後、父親が「う、うそだっ!!こっこんなことが・・・・・・!!こんなことがあるはずがないっ!!」と叫び、ベッドの上の布をはがすと・・・そこには何もない・・・???
「ベッドの上には何もあるわけがない!!あるわけがないんだっ!!」
「もういるつもりはやめるんだ!!」
「あの子が死んだのは、もうずっと前のことだ!」
・・・と言うのだが、これはどういう事なのだろう?9巻でたんすの中に隠されているのがわかるし、母親の「あの子は・・・死んでしまっていないんだから・・・・・・私達でさえ、そう思い込んでいるくらいだから・・・・・・」という台詞で生きていることがわかる。
・・・では、父親が布を取った時、何もなかったのは何故か???
これは楳図ワールドだということを、思い出さねばならない。
おそらく、ベッドの上には美紀が存在しているのだが、父親の「死んだ」という思い込みから見た視点で描かれている為、ベッドの上には何もないのだ。