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本の迷宮

漫画感想ブログです。「漫画ゆめばなし」(YAHOO!ブログ)の中の本の感想部分だけを一部ピックアップしています。

おひっこし (沙村広明)

2008-06-03 13:08:04 | 漫画家(さ行)
(2002年発行)

作者のあとがきによると、
「おひっこし」はラブコメなのだそうだ。
う~~ん??
私のイメージの男性漫画家が描くラブコメは、あだち充風のかわいい女の子が出て来るもの。
こういうタッチの絵柄でラブコメです。・・・って言われてもなあ・・・っていう感じがないわけではないが、まあ、作者がそう言うのだからラブコメなんでしょう。




この本に同時収録されている「少女漫画家無宿 涙のランチョン日記」
作者のあとがきによると、
「全霊をかけてバカ漫画」と「人生」が基本コンセプト
なのだそうだ。

確かに「全霊をかけてバカ漫画」だと思う。
かなりメチャクチャなストーリー展開。
ここまで徹底的に馬鹿馬鹿しいものはなかなか描けないのでは・・・?

たまにはこういうものを読むのも面白いですね。

ブラッドハーレーの馬車 (沙村広明)

2008-04-13 20:44:19 | 漫画家(さ行)
悲惨で救いのないストーリー。
たぶん嫌いな人と好きな人にはっきりと分かれるような作品。

私は・・・ごめんなさい。
基本的にハッピーエンドの作品が好きだから、こういうものは苦手です。

じゃあ、どうして読んだんだ?って言われそうだけど・・・
何かで紹介されてたからちょっと読んでみたいなって思ってたらたまたま古本屋で見つけたので買ってみたのです。

作品としては絵も上手いし、ストーリー構成も非常に上手い。
だから純粋に作品のみの感想は悪いものではないんですけどね。

内容がね・・・読了後、ずず~~~~ん・・・と落ち込んでしまいました。
この本、寝る前に読んだのだけどね、
その夜見た夢はよく覚えてないけどなんだか悪夢だったような気がします。(笑)

魔殺ノート 退魔針 (作画:斉藤岬)(原作:菊地秀行)

2008-02-20 23:18:47 | 漫画家(さ行)
菊地秀行作品の主人公はたいてい”超美形”の男だ。
まあ、私などはそれが目当てで菊地秀行作品を読んでるようなものだが・・・。

この作品の主人公”大摩”も、やはり”美形”の男。
小説だと挿絵を考慮しつつ私の妄想全開でイメージするのだけど、漫画の場合はもうそれがはっきり絵となって表現されている。
自分のイメージとかけ離れてると非常に困るのだけど、この絵ならば十分OK!

だいたい、私の場合、
”黒髪長髪美形男”っていうのは、ぴったりツボにはまるんですよね~。(笑)
その上性格設定が、マイペースというか、物事に動じないというか、とぼけた味わいというか、
ちょっぴり”おちゃめ”というか・・・
こういう性格も私の趣味なんです~~~♪

わけのわからない怪物とか化け物とかそういう類がどんどん出て来るといういつもの菊地ワールドをちゃ~んと漫画に表現してて実に面白い。

これを読んでてしみじみと思いました。
や~~っぱり男は”顔”だわねぇ・・・。(笑)

1/4×1/2 R  クォート&ハーフR 1巻 (篠原烏童)

2008-01-25 20:07:54 | 漫画家(さ行)
(平成19年発行)

主人公のクォートは代々霊媒の家系の生まれ。
一応霊能力はあるんだけど1/4しかない。
しかも人間の霊ではなくて動物霊専門。
そして、クォート本人には霊が視えないけどクォートに触った人には霊が視えるという設定。

近頃、私自身視えるものなら”霊”を視てみたいと思ったりもする。
全く視えないとか感じないのならそれでもいいんだけどね、中途半端っていうのが実に困るのよね。
戸が開いた音ははっきり聞こえたのに誰もいない、とか・・・
腕をぐいっと掴まれた感触はするのに周りには誰もいない、とか・・・。

気のせい、気のせい・・・
気にしてるからそう思うだけで何でもないことなのだ・・・
と思いつつ・・・正直言ってちょっと怖い。。。

まあ、そんなことはどうでもいいんだけどね、
この作品、クォートが何でも出来ちゃう霊能力者ではない、という設定がいい。
人間味もあるし、ユニークな脇役達もいいし、出て来る動物達も実にいい。
作者の動物達にむける愛情がひしひしと伝わってきます。

魍魎の匣 (作画:志水アキ)(原作:京極夏彦)

2007-12-28 09:40:40 | 漫画家(さ行)
(2007年12月発行)

最近映画化されたらしいが、それに合わせて漫画化もされたのかな?

原作は何年も前に読んでたので細かい所は忘れてしまっている。
しかし、この作品の雰囲気は原作を読んで受けた印象とほぼ同じ。
登場人物たちもほぼ想像していた通りの顔になっているので違和感がない。

不気味さ、異様さ、迫力・・・どれをとっても実にいい。

早く二巻を読みたい。
その前にもう一度原作を引っ張り出して読んでみよう。


終末のフール (作画:塩塚誠 原作:伊坂幸太郎)

2007-12-27 13:59:02 | 漫画家(さ行)
(2007年発行)

透き通った空気、白っぽい薄明かり・・・そういう雰囲気の作品。

残念ながら原作は読んでいないので原作との比較は出来ない。
近いうちに図書館で借りて原作も読んでみたい。

あとがきによると<ヒルズタウンを俯瞰する鳥のような男>は原作にはないものらしい。
漫画化するにあたってこういう存在のものを創り出したアイデアはなかなか良かったのではないかと思う。

ストーリーに関しては、原作者が
<「終わっていくのが分かりつつも、それでも生きていく」普通の人たちのドラマを書きたかった小説>
とあとがきに書いているように、人類滅亡まであと三年・・・という設定の物語。
一応SFの部類にははいるのだろうけど、SFというよりは人間ドラマという感じで描かれている。

絵に関しては、丁寧で上手い、そして今風でもある。

今後を期待したい新人さんだと思う。



・・・で、普段ならこれで終わりにするところなのだけど、<今後に期待>したいが故にもう少し。
ちょっと辛口になるかもしれないが許して欲しい。
・・・って、一体誰に言ってるんだ?作者が読むわけじゃないのにね。(笑)

この感想を書く前にいくつか他の人の感想を読んでみた。



綺麗な絵でとても良い感じ
結構綺麗な絵だ
「浅野いにお」っぽい
「大暮維人」っぽい感じ
ちょっと小畑健さんの絵に似てます・・・等など


絵を褒めてはいるのだけど、○○に似ているという感想が多い。
かくいう私は第一印象では吉富昭仁の雰囲気に似ていると感じた。
要するにまだ独自の個性がない・・・という事なのだろう。
コマ割り、構図、背景、アップのコマ、ロングのコマ・・・どれも悪くはない。
・・・が、何か物足りないものを感じるのも事実。
何故だろう?

例えば、「冬眠のガール」
主人公の女の子は今風のファッションの可愛い娘。
髪の毛の描き方も今風の感じ。
ただ・・・よ~~~く見ると線に勢いがない。
綺麗に丁寧に描いているが故に勢いがなくなってしまったのかもしれない。

「鋼鉄のウール」で主人公が親父を蹴り上げるシーン。
残念ながらいまひとつ迫力に欠ける。

中高年の男性や癖のある顔は表情豊かに描けているのに、普通の若者の顔の魅力がいまひとつ。。。
<目>に力がない・・・というのだろうか?

もう少し雑な感じになってもいいから、勢いのある個性的な絵を描けば、もっと良くなるのではなかろうか?
この今の絵は本当に塩塚誠という漫画家の描きたい絵なのだろうか?

原作者はあとがきでこう書いている。
「塩塚さんの作風は、青年漫画の王道を行く、過不足のない、格好いい絵柄と構図・・・」
その通りの絵だと思う。
過不足はないのです。
でも、それだけではやっぱり物足りない。
上手いだけに、もったいない。



今後どういう作品を描いていくのか楽しみな漫画家さんです。


この貧しき地上に  (佐藤史生)

2007-11-20 22:26:41 | 漫画家(さ行)
(1985年発行)

この作者に関しては結構深いところまで考察されるファンがおられるのではないだろうか?
私も読んでいてもっと深読みするべきなのかな~~?と、思ってしまうのだが、
残念ながら知識がついていかない。
この作品のモチーフとして使っているミノタウロスの話ぐらいは当然知っているのだが、
もっと何か”深い意味”が隠れているのではないかと思うのだ。
だいたい、タイトルの”この貧しき地上に”というのも、
何かの言葉を借用しているのではないのか?
と、思うのだが原典を知らない。
自分がモノを知らないという事を思い知らされてちょっと悔しい。

この作者がよく描く、知的で端正な顔立ちの男たちに、
軽い軽蔑のこもった眼差しで見られているような気がしてしまう・・・。

そんな事を考えながら読んでいるからか、
ラスト、十年間行方不明だった(或いは死んだかもしれないと思われていた)
清良(きよら)を見つけた安良(やすら)が涙を流すシーンも、何となく考え込んでしまうのだ。
単純にハッピーエンドだと喜ぶべきか?
いや、登場人物それぞれの気持ちは・・・?
今後どう展開していくのか???

えぇ~~っ!単純に面白ければいいじゃない?
・・・と、耳元で囁く自分がいるのだけれど、やっぱりちょっと考え込んでしまうのだ。


……と、以上が昨日久し振りにこの作品を再読して感じたこと。
今日、この文章を書いていて、また違った感じを受けた。
(コロコロと変わる自分が、自分自身何だかおかしい。・・・笑)



まあ、一言で言えば、
”幼い時から天才だの神童だのと
大人たちに言われ自分自身も有頂天になっていた子どもが、
自分自身の実の父親の正体を知り、
初めて挫折感を味わう。
そして自分を心配してくれる人たちの事も考えられず、
ただただ、『自分』の事しか考えられなかった・・・。
・・・そういう『ひとりよがりで傲慢な子ども』が自己を再構築する話”



この本に同時収録されている「おまえのやさしい手で」
という作品にも、何もかも知っているという顔をした人物が登場する。
夏彦の哀しみを単純に哀しみとして捉えるべきか?
それとも、”ひとりよがりの傲慢さ”と捉えるべきか?



それは読む者がそれぞれ考えればよいのだと思う。


異郷の草 (志水アキ)

2007-11-06 17:11:17 | 漫画家(さ行)
(2007年発行)

<裏表紙の説明文より>
時は2世紀末、
広大な中国大陸には群雄が割拠し、
覇権を争い日夜 戦に明け暮れていた。
日本人にもなじみの深い三国志の世界を、
志水アキが描く連作集。
曹操・劉備・孫権ら英雄たちの下で、
それぞれの思いを抱いて戦乱を生きた、
ささやかだが思いの深き
5人の人生がここにある。
黄中・鍾会・甘寧・猛獲・簡雍ら
5人の「三国志」を描いた
読みきりコミック5作収録。


シャープなタッチで、三国志ではちょっと脇役的存在の男達をリアルに描いている。
もしかして、本当にこういう男だったのかも・・・って思えるぐらい生き生きと描いてるところが素晴らしい!

ほとんどがむさい男しか出てこない。
・・・だけど、面白いんですよね。(笑)
女性といえば、猛獲の妻になる祝融ぐらいか・・・。

どの人物も目が生きてるんですよね。
それが、この作品をより輝かせている。

「三国志」のファンがこれを読むとますます「三国志」が好きになりそうだし、
「三国志」をあまり知らない人が読むと、「三国志」のファンになってしまいそうな・・・
そんな感じの作品。

生霊 (ささやななえ)

2007-11-05 20:32:09 | 漫画家(さ行)
(1986年 ASUKA9月号、11月号掲載)

このタイトル「生霊」と書いて<いきすだま>と読む。
意味は同じだが、<いきすだま>と読んだ方が何となく、より怖く感じるような気がする。

根暗で無口、思い込みの激しい女子高生<浅茅優子>が
生霊になって次々と人を襲う・・・という話。


こういう女性に好きだと思い込まれる男は災難だろう。(逆も同じ)
こういうタイプは望月峰太郎の「座敷女」にも似ている。
・・・が、「座敷女」はストーカーではあるが<生霊>にはなっていない。

<思い込みが激しい>・・・ということは<思う>パワーが強いんだろう。
実際に行動に出てストーカーでもするのならパワーはそちらに発散されるが、
そこまで出来ない場合、魂が身体から離れるのだろうか?

そういえば、「源氏物語」でも六条御息所が生霊になる話は有名だ。

行動に出て<ストーカー>になるのも、
行動に出ず<生霊>になるのも、
どっちも怖いが・・・少し哀れな気もする。

羅陵王 (佐藤史生)

2007-09-04 22:39:09 | 漫画家(さ行)
(昭和63年発行)


『羅陵王』(LaLa 1985年12月号)

アムリタと呼ばれる不老長寿薬を巡る物語。
「帝国貴族」とか「評議員」とか「辺境軍人」とか・・・
SF風味たっぷりで、こういうのが好きな人には嬉しい作品。
設定やキャラは面白いのだが40ページ程では短すぎるっていう感じ。
もっと長編にした方が面白さが増すような気がする。



『アレフ』(グレープフルーツ 1985年第3号)
(原案:徳永メイ作「マーテル・ノストラ」より)

誘拐された”アレフ”を追ってきたジミー・ハートマン。
”アレフ”の正体が次第に明らかにされるにつれて、
この”世界”がどういう世界なのかも判明してくる。
”男”と”女”に対する”固定観念”といったものを考えさせられる作品。



『タオピ』(プチフラワー 1987年11月号)

この作品もまた、”男”とはどういうもの?
”女”とは?・・・といった「問題提起」があると思われる。
作品のテーマとしては
大人になることを色々な原因で拒んで来た者たちが
一歩踏み出す・・・という感じか?
”救い”のあるラストがいい。




『緑柱庭園(エメラルドガーデン)』(吉祥花人<単行本>1987年8月)

ビアズリー風の絵が美しい作品。

幻想水滸伝Ⅲ (志水アキ)

2007-09-04 14:42:19 | 漫画家(さ行)
コナミのゲームの漫画化

このゲームをⅠからやっているけど、結構面白い。
本物の水滸伝とは全く違うけど108人が集まるという所は同じ。
ゲームの漫画化ってどうかなー?面白いかなー?がっかりしないかなー?と思いつつも、本の装丁の美しさに惹かれて買ってしまいました。

結果は買ってよかった!
思った以上に面白く、ゲームをより深く楽しめる、いい作品です。

8巻目までの感想になるが、ササライが、かわいい!!
ゲームの時は別に何も思わなかったが、この漫画版だと、ササライの性格が言動でよくわかるようになっていて、ちょっと何を考えているか分からないが、結構物事をよく把握してて、しかも案外部下に慕われている。という感じがとってもいい。
特に7巻目、ルックの策略によって、真の紋章を奪われるシーンの苦痛の表情、その後ぐったりしてるシーン、ディオスがササライを抱えて馬に乗せ逃げるシーンなど、久々に萌えてしまった。
自分がああいうシーンにとっても弱いという事を再認識してしまった。(笑)
8巻になっても、まだ、ぐったりしてて、ああ、もっと出番を増やして欲しいと願わずにはいられないっていう感じなのです。これって変?
ササライ以外の登場人物も、ちょっとした台詞や表情で、性格をよく表していて作者の細やかな気配りが感じられてとってもいい。
またこのゲームをやりたくなった。
10巻で終わりというのは残念だ。もっと、続けて欲しい。



以上、1~8巻まで出てた時の感想です。↑
次は10巻が出たときの感想です。↓



(2005年11月31日 初版第1刷発行)
・・・って本に印刷してるんだけど・・・
11月31日って・・・いつ???(笑)

ま、それはどうでもいい。(良くない?)
この本の発行日は11月22日だったのだ!
しかし、私の住んでいる田舎では入荷が必ず発行日から1~2日以上遅れるのだ!!(涙)
でも、もしかして?と淡い期待で22日に大きい本屋に2件行ってみたがやっぱりなかった。


・・・という訳でこれを手に入れたのは翌日の23日なのだ。


この本最初の予定では<全7巻>。
そのうち<全10巻>になり結局<全11巻>になるらしい。
ラストを早く読みたいような、終わるのが残念なような複雑な気分だ。
と言っても、一応これのゲームはしているので大まかなラストは一応わかるのだが、
これは、この作者風にアレンジしてあるので、どうアレンジするのか大いに興味があるのだ。

さて、今回10巻。
私の大好きなササライの出番が少ないのは非常に悲しい・・・。(涙)
・・・が、まあ仕方ない。
ササライが主役じゃないからねぇ~~。
今度、ササライが主役の漫画を描いてくれないかな~~??無理だろうなぁ~~!
どーしてもそういう漫画が読みたければ自分で描くしかない??(笑)

近頃、純粋にキャラを気に入って楽しめる作品というのは、
それ程多くないのだが、これは久々に単純に喜べる作品なので
とっても嬉しい。
やはり「この作品のテーマは・・・」とか「表現方法が・・・」とか
小難しい事を言わずに楽しめるのはいいよね!(笑)


・・・で、ラスト最終巻の感想がコレ。↓



(2006年発行)

とうとう、最終巻です!!
今月22日発売だったけど、この辺の発売は24日でした。
実は、先日新車を買いましてそれが昨日納車されたのです。
そして、試し乗りを兼ねて<即、本屋に直行!!>
この本と「百鬼夜行抄」の新刊を買って来ました。^^

・・・で、この最終巻。
なかなかよくまとまっていて非常に良い出来です。
私のお気に入りのササライの出番は多くないけど、カラーページに出てたので満足してます♪^^

ルックの過去の話もいいし、戦闘シーンもいい。
シンダル遺跡の崩壊シーンも迫力あるし、
ラストの雰囲気も非常にいい!!

また1巻から通して読み返してみたくなった~!

「幻想水滸伝Ⅰ・Ⅱ・Ⅳ・Ⅴ」も志水アキが漫画化してくれると嬉しいんだけどな~~。
無理かな~~~??



画像は私の大のお気に入りのササライの似顔絵です。



バスカビルの魔物 (坂田靖子)

2007-08-14 09:02:09 | 漫画家(さ行)
(2006年発行)

ほのぼの~としてるミステリー漫画。
一話が8ページなので、軽く読める。

本に収録されている漫画は1987年~2001年までに描かれたものなんだけど、さほど絵柄の変化はない。
癒し系の絵柄とでも言いましょうか?

この人にかかると幽霊もゾンビも、ち~~~っとも怖くなくなります。。。

道玄坂探偵事務所 竜胆 (作画:市東亮子)(原作:花村萬月)

2007-06-27 08:38:02 | 漫画家(さ行)
(1994年発行)

通称 竜胆(りんどう)
本名、年齢、性別、その他一切の素性は謎の探偵が主人公。

強くてクールでちょっぴり優しい、まあ、私のツボど真ん中♪という設定です。

男か女かわからない美形という設定だと私としては<男>がいいんだけどね、
たぶん、この主人公は<女>なんだろうな~と思う。(ちょっぴり残念)

竜胆の素性が全く明らかにされないまま、どうやらこの一冊しか出ていないようだけど続きはないのかな?読みたいんだけどな~。

コドモのコドモ (さそうあきら)

2007-06-18 17:14:51 | 漫画家(さ行)
(漫画アクション2005年3月1日号~7月5日号掲載)

<1巻裏表紙より>
小学生の春菜とヒロユキは公園デビューの頃からのなかよし。
春菜はブランド大好きなやんちゃな少女。ヒロユキは昆虫好きのおとなしい男の子。
5年生に進級したばかりの春、2人はいつものように公園で遊んでいるうちにお互いのヒミツの部分を「くっつけて」みることにした。
この行為がやがてオトナの世界を巻き込んで、大きな騒動へとなっていく。
これは、幼いヤツラの愛いっぱい、友情いっぱい、モンダイいっぱいの物語である。



小学生が子供を産む!!
そんな事、ありえない・・・と普通は思うが・・・ありえなくもない。
不可能ではない。

かなり「問題のある」テーマをあえて描いたのは何故か?
編集部からの提案だったらしい。
では・・・編集部は何故そういう提案をしたのか?
これは一度休刊になっていた「漫画アクション」が復刊した時の最初の号から始まったものだ。
編集部は<話題性>を考えたのだろうか?
それとも、なにかもっと深い意図があったのだろうか???

この作品、テーマは<子供が子供を産む>なんだけど、それを取り巻く人たちが非常に上手く描けている。

担任の八木先生は若い女性で、知識もあって真面目なのだが、周りの雰囲気が読めない。
保護者たちはそういう担任をイマイチ信用していない。
だから子供たちも親の態度でそれがわかっていて担任を信用しない。
八木先生の恋人は独りよがりのストーカー男。
彼につきまとわれ精神的に追いつめられ、次第に学級の事もおろそかになっていく。
みんなの気持ちがすれ違って、どんどん<学級崩壊>に向かっていく様が丁寧に描かれていて説得力がある。

また、<生命>についてもこの作品では色んな角度で考察している。
春菜の姉の友人の中絶。
学級で飼っていたインコの死。
夏祭りの金魚すくいの金魚の命。
家で飼っていたニワトリを殺してその命をいただくこと。

かなり色々な事がぎゅーっと詰まっていて、テーマが散逸しそうな気もするが、それらのエピソードの積み重ねがこの作品を深いものにしていると思う。

この作品ではいろんな名セリフがある。

春菜のお腹に赤ちゃんがいることを知ったばあちゃんが春菜に語る。
「人生はな考え方次第でどうにでもなるもんよ
少なくとも
その子の人生はもう始まっとるんだ
この子は春菜から産まれるために今ここにおる
そのことだけを考えるんだよ」

赤ちゃんを見て、春菜のじいちゃんが言うセリフ。
「子供を作ることが何の恥ぞ
子供は宝じゃ」

パピヨン (清水玲子)

2007-06-13 09:17:36 | 漫画家(さ行)
(平成5年 ララ3~4月号掲載)

パピヨンと言うと私が真っ先に頭に浮かぶのが
スティーブ・マックイーンとダスティン・ホフマンが出る映画「パピヨン」!
これは私の大好きな映画のひとつです。


・・・で、この作品はその「パピヨン」とは全く関係のないお話。
でも・・・清水玲子の「パピヨン」には蝶は出てこないのよね。


どちらも刑務所が舞台だから、刑務所つながりで「パピヨン」っていうタイトルにしたのかな~?

作者の一番好きなシーンは
身体をまっ2つに引き裂かれたイオがプラナリアよろしく再生するところ
なのだそうだ。
私もそのシーンが一番気に入っている。

よく考えるとかなりグロいシーンなんだけど、この作者が描くと幻想的で美しい。
もしも、同じシーンを楳図かずおが描いたらどんな風になるのだろうか?
それを見たいような見たくないような・・・。(笑)