クロガネモチ

2011-01-17 00:22:03 | 植物
ホテルフジタ京都の庭を鴨川ベリから見ると
たなびく雲のようなものが、
クロガネモチの木にかかっていた。

喜びそうな人がいる。

昔いつも乗っていたタクシーの運転手さんは、
まるで弁慶の七つ道具のように
トランクに色々なものを積んでいた。

「ちょっと傘貸して。
 鴨川べりまで付き合って」


鴨川べりで、
「あれ取って。私はいらないから、あげる」
「うわー、立派やなー」

蛇の抜け殻は財布に入れておくと
お金がふえるといわれる。
しかし更なる情報が付いた。

「クロガネモチは金持ちの木いうて
 縁起がよろしのんどっせ」

クロガネモチとヤブコウジは、
フルーツポンチの木ですゥ。

子供の頃、二つの赤い実は、
ままごとの貴重なさくらんぼだった。
八年前、四十年ぶりで生家(のあと)を訪ねると、
更地になって、門のクロガネモチの木だけが残されて。
地面に落ちた赤い実を拾ってきた。
          
昨年もう一度訪ねると、
マンションが建っていたが、
クロガネモチは残されていた。
電線に近い頂きには葉も実もなく、
次に訪ねるときまで残っていてくれるかどうか。
                    
クロガネモチ モチノキ科。若枝や葉柄が黒紫色なのでこの名がある。
福岡では久留米や中間、大野城、古賀、粕屋がこの木を市(町)の木としている。
篤姫が養女に出るとき、父親が姫をこの木にたとえた。