イイギリの木は段々減っていく。
ある年の大晦日にサチコさんのお誘いで、
東京駅から歩き始めた。
北の丸公園を抜けたところで
靖国神社の向かいに赤い木が見えた。
近づいてみると、
葉はなく、枝という枝に赤い実の房がついている。
「イイギリでしょう」
サチコさんに教えられた翌日、
ホテルオークラの正月飾りに
イイギリの大枝があった。
三が日も明けて千駄ヶ谷の駅で
新宿御苑の中にも外にも
立派なイイギリの木があるのをみつけた。
近くに何本もあるのは、
種が鳥や風邪に運ばれたからだろう。
見上げるほどの大木もある。
それから毎年、イイギリの赤い実を見るのが
冬の楽しみになった。
久々に靖国神社前のイイギリを見に
神楽坂から歩いて行くと、
木は跡形もなく、隣接のビルも建て代わっていた。
そして新宿御苑の外にあった二本のイイギリは枯れてしまった。
目白台の永青文庫の林で
地面にイイギリの実が落ちているのを発見。
見上げても、ほかの木に遮られて
確かめられないほど高い。
それでも本館の隣に、
まだ若いイイギリが、小さな赤い房をつけていた。
地面に落ちた実がここまで育つのに何年かかるのだろう。
イイギリは、少しは増えている。
ある年の大晦日にサチコさんのお誘いで、
東京駅から歩き始めた。
北の丸公園を抜けたところで
靖国神社の向かいに赤い木が見えた。
近づいてみると、
葉はなく、枝という枝に赤い実の房がついている。
「イイギリでしょう」
サチコさんに教えられた翌日、
ホテルオークラの正月飾りに
イイギリの大枝があった。
三が日も明けて千駄ヶ谷の駅で
新宿御苑の中にも外にも
立派なイイギリの木があるのをみつけた。
近くに何本もあるのは、
種が鳥や風邪に運ばれたからだろう。
見上げるほどの大木もある。
それから毎年、イイギリの赤い実を見るのが
冬の楽しみになった。
久々に靖国神社前のイイギリを見に
神楽坂から歩いて行くと、
木は跡形もなく、隣接のビルも建て代わっていた。
そして新宿御苑の外にあった二本のイイギリは枯れてしまった。
目白台の永青文庫の林で
地面にイイギリの実が落ちているのを発見。
見上げても、ほかの木に遮られて
確かめられないほど高い。
それでも本館の隣に、
まだ若いイイギリが、小さな赤い房をつけていた。
地面に落ちた実がここまで育つのに何年かかるのだろう。
イイギリは、少しは増えている。